フジスタッフ、「仕事と子育てを両立させたい女性アンケート」を実施
総合人材サービス会社のフジスタッフ(東京都千代田区、増山律子・代表取締役社長)は、2004年10月より育児中女性の社会復帰支援事業「ff-womanプロジェクト」(※)を推進してきましたが、この度、「女性が育児と仕事を両立するうえで困難に思うことは何か」など育児中女性の就業についての意識や、現状を把握するために当社の託児サービス付親子登録会に登録したスタッフにアンケート(2006年10月1日〜12月31日)を実施しました。
同アンケートはフジスタッフが「ff-womanプロジェクト」の一環として全国の支店で開催している業界初のサービス「託児サービス付親子登録会」で登録した278人の育児中の女性に回答していただいたものです。アンケートからは、育児中女性が子育てと仕事を両立するうえで、一番の障害は、「子どもの急な病気や迎えで残業ができないなど仕事ができる時間の制限」であることが分かりました。
■ 延長保育、病時保育などの社会的インフラの整備が課題
「育児と仕事を両立するうえで困難に思うことは何ですか」との問いに、50%の人が「子どもの急な病気やお迎えなどで仕事ができる時間に制約がある」を挙げ、次に24%の人が「子どもの預け先など、社会的なインフラが未整備」を挙げています。このことから育児中女性の就業を促進するためには、都市部を中心とした待機児童の解消や延長保育、病児保育などの社会的インフラの整備が必要であることが分かります。その他の上位項目としては「育児中の女性に対する企業の理解が不十分」が挙げられ、在宅ワークやワークシェアリングなど就業スタイルの多様化や企業内託児所を求める声もみられました。
■ パートタイム的な仕事の創出が必要
「仕事を探す際に重視する項目」として上位に挙げられたのは「就業時間」(1141p)、勤務地(958p)、仕事内容(719p)、収入額(538p)、残業の有無でした。託児サービス付親子登録会の登録者の多くがフジスタッフに紹介を希望する仕事として約6割の人が「短時間(週5日・4〜6時間)や短時間で週3〜4日、残業なし」を希望していることからも、育児中女性の就業を促進するためには、子どもの送り迎えが可能になる短時間もしくは短時間で週3〜4日のパートタイム的な仕事を創出する必要性があることが分かります。
■ 結婚・出産前のキャリア・スキルを生かせる仕事を希望
「今就業している仕事は結婚・出産前にやっていた仕事のキャリア・スキルを生かせるものですか」との問いに、55%の人が「多少は生かせる」、20%の人が「大いに生かせる」、13%の人が「ほとんど生かせない」、12%の人が「まったく生かせない」と回答しています。現在就業されている7割の人が「生かせる」と答えている一方で、「生かせない」という人も全体の25%を占め、再就職のためには、以前のキャリア・スキルを生かせない仕事に就かざるをえないケースがあることがわかります。「仕事を探す際に重視する項目」としては「就業時間」とともに「仕事内容」も重要視されていることから、多くの女性が自分のキャリア・スキルを生かせる仕事を希望していることが推測されます。出産明けに就労意欲のある女性はしっかりとキャリアを積んだ高スキルの人が多いということも特徴です。
現在、フジスタッフで紹介できるオフィスワークの仕事の多くはフルタイム勤務で、パートタイム的な仕事はごくわずかです。育児中女性の就業を促進するためには、多くの女性たちがこれまでキャリアを積み、復帰後も希望する事務系のオフィスワーク、しかもパートタイム的な仕事を開拓する必要があることが分かります。
■ 育児中女性スタッフのため「キャリアパート派遣」事業開始
同アンケート結果をふまえ、フジスタッフでは「ff-womanプロジェクト」の一環として育児中女性の短時間勤務の仕事を紹介する「キャリアパート派遣」事業を6月から本格稼動いたします。「キャリアパート」とはキャリア(carrier)をもったエキスパート(expert)とキャリア(carrier)をもったパートタイマー(part-timer)を合わせた造語です。「キャリアパート」では、多くの女性が希望するオフィスワークのフルタイム業務を複数のスタッフをペアにして分担したり、特定の時間や曜日など繁忙期のみスタッフを派遣することで、育児中の女性スタッフの時間的な負担を減らし、なおかつ企業の業務効率化や人員配置の最適化に貢献することを目指します。
人口減に伴う労働力減に対応するために政府の経済財政諮問会議の労働市場専門調査会は、10年後の既婚女性(25〜44歳)の就業率を現在の57%から71%に引き上げるという目標値を掲げておりますが、フジスタッフは雇用を生み出す役割を担う人材サービス会社として同目標値を達成するために「キャリアパート派遣」事業を積極的に推進していきます。
■ 日本の職場環境浮き彫りに
社会保障、人口問題、労働雇用が専門で、国内でも有数の少子化対策の専門家として、内閣府の「少子化社会対策推進会議」委員も務める富士通総研経済研究所主任研究員の渥美由喜氏は、アンケート結果に対して、 「育児中の女性は、豊かなキャリアを持っているにも関わらず、子育てにかかる時間の制約により、仕事がしたくてもできないという日本の職場環境が浮き彫りになったと言えます。背景として、保育所の不足など地域の育児サポート体制の貧弱さといった社会経済要因や、男性は仕事優先、女性は結婚・妊娠・出産・育児といった固定観念に拠るところが大きいと考えられます」
というコメントを述べています。また、フジスタッフの育児中女性の短時間派遣「キャリアパート」についても、渥美氏はこうコメントしています。
「今後、労働需給が逼迫していく中で、企業にとって育児中の女性の活用は不可欠となります。また、あらゆる属性をもった従業員の働きやすさを確保するためには組織・業務体制の見直しが不可欠であり、このことを通じて、従業員の生産性向上、組織の効率化、企業業績の大幅な向上が期待できます。今回のキャリアパート事業は、育児中の女性がかかえる最大の悩みである“時間の制約”と“キャリアの継続”を解決する仕組みであり、少子高齢化による労働力不足解消には非常に有効な方策と言えます」
◆ 「ff-womanプロジェクト」とは
ff-womanは、育児中女性の悩みや不安を解消し、社会復帰の支援をしていくプロジェクトとしてスタート。業界初の「託児サービス付き派遣登録会」開催の他、認可外保育料補助金制度、提携託児サービス、ベビーシッター割引制度などさまざまなサポートを行っており、当社の育児中派遣スタッフ数は、2007年3月末時点で3,000人となっています。
(専用サイト http://www.ff-woman.com/ )
(フジスタッフ http://www.fujistaff.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・6月12日)