仕事を進めるにあたって、8割以上が周囲からのサポートを必要としているが、十分得られていると感じているのは6割~『職場におけるソーシャル・サポート実態調査』:リクルートマネジメントソリューションズ
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤島 敬太郎)組織行動研究所は、従業員規模300名以上の企業において、20~40代の会社員603名に「職場におけるソーシャル・サポート実態調査」を実施し、「職場における人間関係やサポートし合う風土を醸成するためのポイント」など、調査結果から見える実態について公表しました。
1.結果のポイント
8割以上がサポートを必要としているが、十分得られていると感じているのは6割
仕事を進めるにあたって周囲からのサポートをどれくらい必要としているのかについて、「どちらかといえば必要」まで合わせると、4種あるサポートのうち、いずれも、8割以上が「必要」と回答しました。十分度はそれを下回り、「どちらかといえば十分」まで合わせると約6割が「十分」と回答しました。また、「評価的サポート」は、4種の中でも需要と供給の乖離が一番大きいことが明らかになりました。
職場での貢献感の低さがサポートの求めにくさにつながり、年代別での傾向も明らかに
20代:力が発揮できているほど援助を求め、得られる傾向
40代:力の発揮が低い群でのみ、サポートを求めることも十分に得ることもできていない傾向
サポート必要度、サポート十分度、援助要請について、適応感(力の発揮)への回答結果による群分けを行って結果を分析した結果、20代では力が発揮できているほど、援助を求め、得られる傾向が見られましたが、40代では力の発揮が低い群でのみ、サポートを求めることも、十分に得ることもできておらず、職場の希薄化や孤独感を強く感じていることも確認できました。
職場の人間関係構築・必要なサポートの獲得に役立つのは「上司との定期的な面談」「定期異動・ローテーション」「集合研修・ワークショップ」
この結果に加え、導入割合がそれほど高くはないものの役立ち度が高いものとしては、「社員同士での飲食の金銭的補助」「社員が集まる場所の設置」「社員による自主的な勉強会」「社内コミュニケーションツール」「業務以外の社内コミュニティ」「会社主催の懇親イベント」などが挙げられました。
2.組織行動研究所のコメント
■サポートをし合える職場づくりの大切さに目を向ける
リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所
主任研究員 藤村直子
人と人とが支え合うことのメカニズムや心身の健康をはじめとした効用について、「ソーシャル・サポート」という概念を用いて研究が行われています。その多くは、健康や医療などの分野でのもので、日本の企業組織における研究はあまり進んでいません。そこで、本調査では、職場でのサポートの必要度や充足度、サポートを求める「援助要請行動」の実態を明らかにすることを第一の目標として実施しました。
職場で必要なときに必要なサポートを受けられると思えるかどうか、自分からサポートを求めることができるかどうかは、職場の人間関係や個人の意識と関係する部分も大きい部分もありますが、全社的な制度・仕組みを通じて、人間関係構築やサポートし合う風土が醸成できる可能性が示唆されました。本調査が、サポートし合う職場づくりの大切さに目を向けるきっかけになれば幸いです。
■ソーシャル・サポートが組織の長期的な発展につながる
リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所
所長 古野庸一
そもそも人間関係はストレスのもとになります。そういう意味において、職場で適度な人間関係を保つことは一概に悪い話ではありません。しかし、健全な経営という観点では、職場で働いている人は、互いが互いに関心を持ち、ソーシャル・サポートを行ったほうが良いでしょう。なぜなら、組織に対して貢献できていない人は、サポートが必要にも関わらず、サポートを頼めない傾向があり、ますます貢献できないということがあるからです。また、誰かに守られているという安心感があると、私たちは探索できるし、挑戦ができます。守られていないと思えば、無難な仕事に従事し、新しい価値を生み出す行為はできなくなります。
貢献できていなくても気軽にサポートが頼めるという観点。そして誰かに守られているという安心感から挑戦できるという観点。二つの観点から、ソーシャル・サポートは、健全な経営を行うには欠かせない要素であると考えられます。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社リクルートマネジメントソリューションズ https://www.recruit-ms.co.jp/ /7月19日発表・同社プレスリリースより転載)