退職者の中に「つながりたい人がいる、もしくは現在つながっている人がいる」人は90%。「つながって良かったことがある」は84%~『アルムナイ(退職者)とのつながりに関する意識調査』:ハッカズーク
株式会社ハッカズークは、会社経営者/役員、会社員、公務員140名を対象にアルムナイ(退職者)とのつながりに関する意識調査を実施しました。
1社に勤め続けることが当たり前だった頃は「退職者は裏切り者」と扱われてしまうことも多く、退職後に関係性が切れてしまうのは一般的でした。
ところが転職が珍しくなくなった今、「アルムナイ(退職者)とつながりを持ち続ける」方向にシフトする会社が増えはじめています。
では、アルムナイとのつながりを持ち続けることで、どんなプラスの影響があるのでしょうか? その答えを探るべく、会社員、公務員、経営者を対象としたアンケートを実施しました。
【調査サマリー】
- アルムナイの中に「つながりたい人がいる、もしくは現在つながっている人がいる」が90%
理由の1位は「仕事に関係なく友人として付き合いたい」、2位は「今の仕事へのアドバイスが欲しい」、次いで「仕事上で付き合いたい(受発注や協業など)」 - 「アルムナイとつながって良かったことがあった」が84%
「仕事のアドバイスを受けた」「仕事(受発注)につながった」「モチベーションが上がった」など、つながることのメリットを実感 - 「つながりたくないアルムナイがいる」が62%
「仕事面で信頼できなかった」「相性が良くなかった」「良い辞め方ではなかった」など、人としての信頼度を低める行動や辞め方がつながりたくないと思われる原因
■多くの人が「つながりたいアルムナイ」に“現在の仕事に役立つ何か”を求めている
最初は、アルムナイの中に現在もつながっている、あるいは今後つながりたいと思う人がいますか?という質問。9割の人が「いる」と回答する結果となり、ほとんどの人が退職後もアルムナイとの関係を継続することに前向きであることがわかりました。
アルムナイとつながりたい理由について聞いてみると、最も多かったのは「仕事に関係なく友人として付き合いたいから」(81%)という回答でした。
続いて多かったのは「今の仕事へのアドバイスが欲しいから」(36.5%)、「仕事上で付き合いたいから(受発注や協業など)」(34.9%)というもの。双方に共通しているのは、“現在の仕事に役立つ何か”をアルムナイに求めているという点。
また、印象的だったのは「案件紹介をしてほしい」といった一方的な希望ではなく、「一緒に仕事をしたい」「お互いのメリットにつなげたい」と自分自身とアルムナイの双方に良い形を望んでいる声が目立ったこと。アルムナイへの愛着や信頼が垣間見えます。
一方で、「業界が狭いので、悪い噂が広まる可能性もあるため、退職者と接点を持つことが大切と考えている」と、戦略的にアルムナイと交流をしている人も。悪評を阻止するだけでなく、アルムナイから話を聞くことで、自社の組織や仕事のやり方を改善するヒントも得られそうです。
■アルムナイと交流することが「現在の職場で仕事を頑張る糧」になっている
では、実際にアルムナイとつながったことでよかったと思うことがある人はどのくらいいるのでしょうか?
84.3%と、大多数の人が「ある」と回答。取引先が増える、アルムナイから自社にあった人を紹介してもらうといった“会社として”良かったことと、モチベーションや自信につながった、視野が広がったといった”個人として”良かったこと。アルムナイとつながっていて良かったことには大きく2つの側面があることが見えてきました。
意外と思われるかもしれないのは、「自分が転職をするときの参考になった」という意見が少なかったこと。アルムナイとつながりたい理由を聞いた質問でも、「転職を含め自分のキャリアについて相談したいから」という回答は13.5%と少数。それ以上に、自分の仕事を見直したり、奮起したりと、「アルムナイの話が現在の職場で仕事を頑張る糧になっている」という声が目立ちました。
■「つながりたくないアルムナイがいる」人は約6割。「辞め方」が関係性に大きく影響している
これまでに「つながりたいアルムナイ」について見てきましたが、反対に「つながりたくないと思うアルムナイ」はどのくらいいるのでしょうか?
「いる」と答えたのは約6割。一番多かったのは「仕事の面で信頼できない人だったから」(55.2%)。2番目には僅差で「人として相性がよくなかったから(信頼していないから)」(54%)と続きます。仕事相手としても友人としても、信頼関係がない人と交流したいとは思わないもの。この2つの回答を選んだ人が多いのは当然のことと言えそうです。
注目したいのは、3番目に多かった「良い辞め方ではなかったから」(36.8%)。アルムナイ本人の人柄や一緒に働いていた期間の仕事ぶりなどが影響する上位2つの回答と異なり、こちらは一緒に働いていた期間のごく一部。それにも関わらず、辞め方が退職後の関係に大きく影響してしまうことがわかりました。
◆本調査の詳細はこちらをご覧ください。
(株式会社ハッカズーク https://hackazouk.com/ /5月27日発表・同社プレスリリースより転載)