「メンタル不調・病気」の相談は、男性が女性の2倍で40代が最も多い~『2018年度相談室及び働く人の悩みホットライン統計結果』:日本産業カウンセラー協会
一般社団法人日本産業カウンセラー協会(代表理事:小原 新)では、この度、2018年度(2018年4月1日から2019年3月31日までの1年間)における全国の日本産業カウンセラー協会・相談室への対面による相談と電話相談「働く人の悩みホットライン」の利用状況等について、それぞれ統計結果をまとめました。
2018年度の内訳は、対面による相談件数は5,313件(男性2,458件、女性2,855件、2017年度比7.8%増)、無料電話相談「働く人の悩みホットライン」は、5,058件(男性2,241件、女性2,817件、2017年度比9.5%減)合計の相談件数では10,371件と本年度も10,000件を超える相談が寄せられました。
【ポイント】
・女性は、電話で「職場の問題」を、対面で「自分自身のこと」を相談する傾向
・男女とも、40代を頂点に30代~50代の相談が7割を占める結果に
・「メンタル不調・病気」の相談は、男性が女性の2倍で40代が最も多い
【調査結果詳細(抜粋)】
■世代別では、男女とも相談の7割が30代~50代、悩めるミドル世代
相談者の年代をみていくと、「対面による相談」、「電話相談(働く人の悩みホットライン)」のいずれにおいても40代からの相談が最も多く、「対面による相談」は1,621件(30.5%)、「働く人の悩みホットライン」は1,400件(27.7%)という結果になりました。さらに、男女ともに30代~50代の方からの相談が例年と同様、全体の約7割を占める結果となり、昇進や転職などの職場での環境変化や、結婚・出産を含めた、人生における岐路に立つ世代からの相談であることが推察できます。
■「メンタル不調・病気」の相談は、男性が女性の2倍で40代が最も多い
男性は『職場の問題』が、対面と電話ともに例年同様もっとも多かったものの、『メンタル不調・病気』について相談する人が、女性に比べ2倍以上多いという結果となりました。さらに年齢別に見てみると40代男性からの比率が他の年代に比べ多いことから、中間管理職にあたる世代で『メンタル不調・病気』の悩みを抱える方が多くなっている現状があると言えそうです。
【2018年度の相談結果を振り返って】
<上司と部下はお互いに最大の職場環境>
今回の結果から男女とも40歳代の人は厳しい環境で働いている様子がうかがえます。特に40歳代には部下を持つ中間管理職が多く含まれると想像できます。過重労働、ストレスチェック職場分析、ハラスメント、生産性と、悩みの原因を追究すれば、上司の顔がちらつきます。これまでは「部下にとって上司は最大の職場環境」と言ってきましたが、最近では「上司と部下はお互いに最大の職場環境」とも言えるでしょう。ハラスメントを例に挙げれば、ハラスメント研修などは上司と部下が一緒に受講し、同じ知識を共有化するようなことが求められます。
<これからの相談体制>
今回の分析から、相談内容によって相談者が相談方法(対面・電話)を使い分けていることが垣間見えました。SNS相談が導入されると、おそらく電話をしない20代、30代の相談が跳ね上がるでしょう。少子高齢化の時代において若手社員は次代を担う大切な人財です。SNS相談が全国の大小の事業所で働く若手の離職を防ぎ、若手のメンタルヘルスを守る可能性があると考えます。今後、SNS相談の導入を積極的に進め、産業組織の役に立ちたいと考えています。協会は対面相談、電話相談、SNS相談の3つを組み合わせることで、より効果の高い相談体制の実現を目指していきます。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(一般社団法人日本産業カウンセラー協会 https://www.counselor.or.jp/ /6月12日発表・同社プレスリリースより転載)