職種別の新卒採用でミスマッチを解消し、優秀人材を獲得
かつて新卒採用では総合職採用が主流だったが、近年は職種別採用が注目されている。
ゲーム事業を中心に展開するディー・エヌ・エーは、通年で職種別採用を実施。2019年卒採用では、7職種を募集していた。特に同社が力を入れるAI人材を獲得するために、2017年には「AIスペシャリストコース」を設置。選考過程を複数設け、応募者がESではなく研究成果やプロダクトを提出することも可能にした。その後は面接や技術試験など、応募者によって異なる選考を実施。選考で高い能力、ポテンシャルが認められた応募者には、基準額を上回る初任給を設定し、内定時に提示することで入社の判断材料にしてもらっている。(労政時報より)
自身のキャリアを明確にすることができるため、若手社員からも職種別採用を求める声が多いようだ。日本経済新聞社と就職情報大手のディスコは、2019年1月、大学生時代にディスコが運営する就活サイトに登録し、就職活動モニターをしていた入社1~3年目の社員を対象に共同調査を実施。就職活動を振り返ってもらった結果、「職種別採用」が望ましいとする割合は42.9%で、「職種を限定しない採用」が望ましいとする割合(23.3%)を上回っている。(日本経済新聞より)
職種別に選考課題を設定すれば、応募者が職務に求められるスキルやポテンシャルを備えているかどうかをより詳しく確認することができる。ミスマッチによる社員の早期退職を防ぐ手立てとしても有効だろう。戦略的に職種別採用を行うことで、自社の事業に適した人材を採用しようとする企業は今後も増えていくことが予想される。
(『日本の人事部』編集部)