ストレスチェック義務化3年目を終えて、職場環境改善に取り組む企業は3割に満たず~ストレスチェック義務化3年目の振り返りとしての企業実態調査:アドバンテッジ リスク マネジメント
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメントは、2月下旬から3月上旬にかけ、当社のメールマガジン会員を対象に、ストレスチェック義務化3年目の振り返りとして、企業の実態、特に職場環境改善施策への取り組みについて調査いたしました。299名から得た回答結果より、以下のことが明らかとなりました。
【調査結果のポイント】
- ストレスチェック以外に実施した項目として多く挙がったのは「医師による面接指導(医師面接)」(67.9%)、「集団分析の実施」(67.6%)。「職場環境改善施策の実施」は、3割を下回る(27.8%)。
- 従業員規模に関わらず、「高ストレス者で医師面接を希望しない人のフォロー」がストレスチェック義務化における課題として最も多く挙がる。従業員規模別にみると、500名以上の企業は「担当者の事務負担が多い」の割合が高まり(31.0%)、500名未満の企業と比較すると7.9ポイント開く。
- 現在実施している研修で「十分(満足)」と捉えている割合は26.9%と3割に満たない。
- 研修を実施するうえで総じて課題と感じることとして最も多いのが、「受講者の参加意識が低い(やらされ感がある)」(50.2%)。次いで、「研修の効果測定が難しい」(49.8%)、「受講者の予定調整が難しい」(45.8%)、「学んだ知識を活かし、行動に移してもらうことが難しい」(41.1%)といった課題が4割を超える。
【当社の考察】
初年度は、多くの企業がストレスチェックを“回す”ことに注力している様子がうかがえたが、年を重ねるごとにその先に目線が向いてきたように感じる。しかしアンケート結果から、ストレスチェック後の集団分析は実施するものの、職場環境改善の取り組みを進める企業は未だ多くないことがわかる。その背景として、「どのようにすれば良いかわからない」「何をすべきかわからない」といった声が多く挙がり、自走が難しいことが見てとれる。
また従業員規模が500名以上の企業になると、事務負担に悩む担当者も増える。拠点対応やグループ会社との調整などにより工数が増え、職場環境改善の本質的な部分に時間を割けない可能性も懸念される。今後職場環境改善を進めていくうえでも、注力するテーマやその手段を見極め、最適化する必要があるのではないだろうか。例えば研修でいえば、基礎知識など座学でインプットできる内容はeラーニング、ディスカッションや実践的なトレーニングは集合型研修など、その目的によって手段を使い分けることで時間の有効活用ができる。
ストレスチェック制度において、チェックはあくまでも組織の“見える化”を実現するツールである。義務化項目に工数を取られるのは本質的ではなく、重要なのは、その結果をどう読み解き、職場環境改善に活かしていくかに尽きる。必要に応じて外部のサポート、ツールを活用するなど、職場環境改善に注力できる環境を整えることが重要である。
また今後注力したいテーマとして、コミュニケーションスキル、ストレス耐性向上に目が向いていることがわかる。ハラスメント、ラインケア、セルフケアなどの基礎知識はもとより、問題が起こる以前に個々の“OS”、つまり土台を強化するためのトレーニングが求められていくものと考えられる。
【調査方法】
調査対象者:
当社のメールマガジン会員のうち、ストレスチェック義務化3年目にストレスチェックを実施した企業・団体の担当者(人事労務担当者、産業保健スタッフ等)
*当社サービスをご利用の企業さま以外も含みます。
回答者数:299名
調査手法:インターネット調査
調査時期:2019年2月27日(水)~2019年3月8日(金)
実施主体:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント http://www.armg.jp/ /3月25日発表・同社プレスリリースより転載)