インテリジェンス、4ー6月の人材動向予測
中途採用、パート・アルバイト、紹介予定派遣の見通し
1.【正社員の中途採用】 サービス、IT・通信、製造業界が活況を呈す
<2007年1―3月の振り返り 〜金融業界の中途採用に一服感>
団塊世代の退職をはじめとした人手不足感の高まりや景気回復の影響をうけ、全体的に求人需要が旺盛な状態が続いています。特に、依然としてシステム投資の需要が高い「IT・通信業界」、技術職から管理職まで幅広い職種を採用している「製造業界」、人材ビジネスを筆頭に中途採用意欲が旺盛な「流通・サービス業界」で求人数の増加が見られました。一方、これまで大量採用を行ってきた金融業界では、各社が2006年度に採用した人材の育成に注力しはじめていることで、中途採用には一服感が見られました。
<2007年4―6月の見通し 〜サービス、IT・通信、製造業界の採用が活発化>
1―3月に引き続き、流通・サービス業界、IT・通信業界、製造業界を中心とし、求人数がさらに増加すると考えられます。例年、4月は各社で人事異動や新卒入社社員の受け入れが行われるとともに、来年の新卒採用活動が本格化するため、中途採用の動きには一服感が見られる傾向にありますが、5月以降は再び求人数が増加に転じると予想されます。
2.【アルバイト・パート】年度変わりの入れ替わりにより、人手不足がさらに深刻化
<2007年1―3月の振り返り 〜継続する人手不足の影響をうけ、時給が高水準で推移>
景気回復や少子化による若年労働力人口の減少をうけ、引き続き人手不足の状況が続きました(参考:別紙「パートタイム労働者の過不足状況判断」)。この時期は例年、3―4月の卒業・入学シーズンを前に、アルバイト・パート採用を控える傾向がありますが、今年は、いち早く労働力不足を解消しようと、各社で採用意欲の高い状態が続いたため、時給が高い水準で推移しました。また、人手不足を打破するため、アルバイト・パート層の正社員への切り替えによる雇用確保、飲食店におけるビュッフェ形式やタッチパネルの導入による労働力の削減など、さまざまな施策を実施する企業も現れはじめました。
<2007年4―6月の見通し 〜年度変わりの大幅な入れ替わりにより、人手不足が深刻に>
3―4月の入学・卒業シーズンを迎え、アルバイト・パート層の大幅な入れ替わりが起こることから、4―6月は、1年間で最も採用が動く時期。例年、新たな人員を確保するために、各社は時給を高めに設定する傾向があります。特に今年は、景気回復を背景とした正社員求人の増加により、高校や大学卒業後にフリーターとなる人が大幅に減少することが予想され、フリーターの確保がより困難になると見られます。また、こうした入れ替わりの時期に思うように人材を確保できず、アルバイトの通年採用が一般化しているために、採用単価(一人当たり採用にかかる費用)も前年比2倍程度に増加しており、多様化する個人の働き方、志向性に合わせた採用手法が求められていくと考えられます。
3.【紹介予定派遣】 業界を問わず、求人数の増加が継続
<2007年1―3月の振り返り 〜人材確保のため、企業側の対応が変化>
3月に多くの企業が決算期をむかえ、人員・購買計画の締めとなることから、2―3月は求人が大きく動く時期です。今年も例年通り、求人数の増加が見られましたが、中でも今年は紹介予定派遣の需要が高く、求人数は昨年比3割程度の伸びとなっています。また、今年に入ってからは、求職者側の「売り手市場」の状況が特に顕著になり、面接後の迅速な合否連絡はもちろん、派遣期間を短縮する企業も増えてきました。現在の平均的な紹介予定派遣の派遣期間は3ヵ月ですが、中には「2週間」という短期間での正社員切り替えを提示する企業もあり、人材確保のために企業側が積極的に動くケースが多く見られるようになっています。
<2007年4―6月の見通し 〜多くの業界で求人数の増加が継続>
4月は組織変更、教育・研修、来年度の採用活動など、社内の人事関連の動きが活発になることで、中途採用同様、紹介予定派遣の採用も一時的に停滞することが予想されます。ただ全体としては、職種や業界にかかわらず採用意欲の高い状態が続いていることから、6月以降、すぐに動きが戻るものと思われます。特に、景気回復の影響をうけて採用意欲が旺盛な「不動産業界」、引き続き好調な「IT・通信業界」を中心に、多くの業界で需要が継続すると考えられます。
※詳細は、同社HPまで。
(インテリジェンス http://www.inte.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・3月29日)