国内テレワーク導入率 産業分野別予測を発表~2017年テレワーク導入企業は14万社と推計され、2022年で29万社になると予測。大企業で導入率が高い産業分野は、「サービス」「製造」「金融」:IDC Japan
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1-13-5、代表取締役社長:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、国内テレワーク導入率に関する調査を行い、その分析結果および予測を発表しました。
<概要>
·2017年テレワーク導入企業は14万社と推計され、2022年で29万社になると予測
·2017年テレワーク導入率は、中堅中小企業では4.7%、大企業では23.6%、全体で4.7%と推計され、2022年では全体で9.7%と予測
·大企業で導入率が高い産業分野は、「サービス」「製造」「金融」で導入率が高い一方、「医療/教育/公益」「流通」では導入率が相対的に低い
これによると、2017年におけるテレワーク導入の企業数(従業員2名以上の企業)は14万社(企業導入率 4.7%)と推計されます。これを企業規模別に見ると、従業員が499人以下の中堅中小企業のテレワーク導入率は2017年で4.7%、同500人以上の大企業では23.6%と大企業でより導入が進んでいます。国内の企業数は中堅中小企業が99.8%を占めることから、同セグメントの導入率が全体の導入率に大きく影響するため、2017年における国内全体のテレワーク導入企業の割合は4.7%と推計されます。今後テレワークは、ワークライフバランスの向上による生産性の向上、優秀な人材確保/流出防止、労働人口減少の緩和などの目的で導入が進み、2022年では29万社(企業導入率 9.7%)になると予測されます。
テレワークの導入が中堅中小企業に対し、大企業で進んでいる背景は、「社員のダイバーシティ(多様性)の拡大を背景とした働き方の多様化に対するニーズ」「顧客との立地の近さ」「ICT導入の格差」などが考えられます。また大企業の中で産業分野別に見ると、「サービス」「製造」「金融」で導入率が高い一方、「医療/教育/公益」は導入率が相対的に低いことがわかりました。「医療/教育/公益」は、顧客との対面や関係性の深さ、個人情報漏洩への危惧、大規模な研究機材などの制限などから、テレワークが導入しにくいと考えられます。
テレワークは、勤務する場所や形態によって「在宅型」「施設利用型」「モバイルワーク型」の3つに分類されます。この中で「在宅型」が中心に進んでおり、2022年に向けてもこの運用型が中心になると考えられます。一方、「施設利用型」は貸し会議室などを利用することから、コストとセキュリティに対する不安から2022年でもテレワーク導入企業の半数以下の運用率になると予測されます。
「テレワークの導入は中堅中小企業の導入率が低いことで、国内全体の導入が遅れている。総務省調査では中堅中小企業がテレワーク導入に消極的である主な理由は、テレワークに適した仕事がないことであった。しかしながら業務の仕分けを行う事で、どの業務でテレワークを進めることができるかを各企業で検討すべきである」とIDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの浅野 浩寿は述べています。
今回の発表はIDCが発行した「国内テレワーク市場 産業分野別予測、2018年~2022年」(JPJ42870818)にその詳細が報告されています。
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(IDC Japan 株式会社 https://www.idcjapan.co.jp /7月3日発表・同社プレスリリースより転載)