デジタル化により社員数が「増える」と回答した雇用主は18%、「減る」はわずか13%~労働白書「スキル革命 2.0」を発表:マンパワーグループ
総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:池田 匡弥、以下「マンパワーグループ」)は、オートメーションがデジタル時代の労働力に与える影響を、短期にフォーカスして検証した労働白書「スキル革命 2.0」を発表しました。
オートメーションが、今後2年間の社員数にどのような影響を与えるか
マンパワーグループが、日本を含む42ヵ国の雇用主20,000人に「オートメーションが今後2年間の社員数にどのような影響を与えるか」という質問をしたところ、多くの雇用主が、デジタル化で短期的には、雇用が増えると回答しています。つまりデジタル化が進めば、企業が必要とする人材は減るどころか、増えるという結果です。日本においては、雇用が「減る」と回答した雇用主は、わずか13%。「増える」と答えた雇用主が18%、「変わらない」が58%、「分からない」が11%となりました。
ロボットが奪うのは定型業務であって仕事ではない:求められるのは、スキルの再整理
多くの雇用主は、デジタル化を受けて社員数が増えると予想していますが、その影響は部門によって異なります。
最も社員数が増えるのは、デジタルスキルに投資を行うIT部門です。営業・接客部門がこれに続きます。対照的に、社員数が最も減少するのは総務・事務部門です。
コンシューマーリズム(消費者主権主義)が高まり、企業が顧客サービスとラストマイルデリバリー(最終配送拠点から消費者までの配達サービス)に重点を置く現在の傾向が、デジタルの世界でも次第に顕著になっています。オートメーションの脅威に最もさらされているのは、定型業務や、顧客への付加価値が低い業務です。
「適切なスキルミックスを習得できれば、人間はテクノロジーと対峙するのではなく、それを活用する存在になれます。」マンパワーグループ会長兼CEO ヨナス・プライジング
デジタル化やオートメーション(自動化)は様々なスピードで進行し、時期や形を変えながら、色々な地域、業界、企業に影響を与えています。昔は変革が起きるのに数十年、時には数世紀の時間が必要でしたが現在は、かつてないペースで変革が起きています。しかしながら、その影響はまだ定かではありません。人間ならではの選択や創意工夫が、日常生活やビジネスにどうテクノロジーを活用していくのかを決める鍵になるでしょう。未来のシナリオがどんなものであれ、この急激に変化する働く世界において、雇用を継続的に維持・確保するためには、スピーディかつ広範囲にわたって、人材のスキル向上を支援することが必要です。
適切なスキルミックスを習得できれば、人間はテクノロジーと対峙するのではなく、それを活用する存在になれます。雇用主として社員のスキル向上を支援し、未来への対応力を育成することが、現代特有の課題になるでしょう。必要なスキルを明らかにし、就業機会につなげることこそが、スキル革命を生き抜く鍵となるのです。
【調査概要】
調査時期: 2017年10月
調査対象: 42ヵ国の6業種19,718人の雇用主
調査対象国:
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、ブルガリア、カナダ、中国、コロンビア、コスタリカ、チェコ、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、グアテマラ、香港、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、パナマ、ペルー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、シンガポール、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、トルコ、イギリス、アメリカ
◇労働白書「スキル革命 2.0」の詳細
◇労働市場の現状と将来を見通し、次に何が起こるかを予測する「マンパワーグループ リサーチセンター」
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マンパワーグループ株式会社 http://www.manpowergroup.jp/ /4月3日発表・同社プレスリリースより転載)