「2017年 海外情勢報告」を公表~特集は「フランス、ドイツ、スウェーデン、英国における高齢者雇用対策」(厚生労働省)
厚生労働省は、3月28日、「2017年 海外情勢報告」を公表しました。「海外情勢報告」は、諸外国の労働情勢と社会保障情勢全般に関する情報を毎年取りまとめているもので、「特集」と「定例報告」の2部で構成しています。
「特集」では、フランス、ドイツ、スウェーデン、英国の高齢者雇用対策をテーマに、各国における職業紹介、雇入れ助成、定年制などの雇用促進施策、雇用保護施策のほか、関連するものとして、年金・失業保険制度についても紹介しています。
「定例報告」では、欧米、アジア諸国の雇用・失業情勢と労働・社会保障施策を紹介しています。2017年は、フランスにおける労働法典の改正、中国における健康な高齢化に向けた取組、シンガポールにおける父親の育児休暇の拡大などがみられました。
<ポイント>
【特集】(高齢者雇用対策)
■国連発行の「世界人口の見通し2017」によると、各国とも今後65歳以上の人口割合が大きく上昇すると見込まれる。EU(欧州連合)の成長戦略として策定された「欧州2020戦略」では、高齢者などの労働市場への参入を促進し、20~64歳の就業率を、2010年当時の69%から少なくとも75%に引き上げることが掲げられている。
■各国とも高齢者に特化した制度展開というよりも、高齢者も対象となる制度を広く活用していく姿勢がうかがえる。また、年金支給開始年齢や就労所得との調整など、公的年金制度との関連が深い。
■EUが公表した報告書「欧州の雇用と社会情勢の変化」では、年金制度改革や社会的対話の必要性、定年の延長による就業期間の延長の必要性などが示されている。
【定例報告】
・フランス 企業別労使協定が優先される範囲の拡大や労働者代表機関の統合などを内容とする労働法典の大規模な改正が行われた。 (本文P 131 - 5 参照)
・ドイツ :地域の介護サービスの充実、介護給付に関する相談支援の拡充を目的とする第3次介護強化法が2017年1月に施行された。 (本文P 178 – 6(2) 参照)
・英国 :シェアリング・エコノミーにおける雇用の法制度をめぐる議論が進められている。 (本文P 228 – 5(1) 参照)
・中国 :健康な高齢化の観点から、高齢者に対する一貫した健康サービス体系の構築を目指す「十三五」健康老齢化計画が発表された。 (本文P 282 – 6(2) 参照)
・シンガポール :父親の育児休暇の拡大や、母親の持つ16週間の出産休暇のうち父親に振り替えることができる期間が、最大4週間に拡大された。 (本文P 427 – 5(1) 参照)
【照会先】
大臣官房国際課
課長 秋山伸一
課長補佐 吉野明彦 (内7315、7316)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3083
◆ 詳しくはこちらをご覧下さい。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/ /3月28日発表・報道発表より転載)