ものづくり産業における人材確保・育成に関する課題と企業の取組などを紹介~『平成28年度ものづくり基盤技術の振興施策』(ものづくり白書)を閣議決定(厚生労働省)
政府は6月6日、「平成28年度ものづくり基盤技術の振興施策」(「ものづくり白書」)を閣議決定し、国会に報告しました。
「ものづくり白書」は、「ものづくり基盤技術振興基本法」第8条に基づき国会に毎年報告する年次報告書で、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめたものです。この白書は、経済産業省、厚生労働省、文部科学省が連携して作成しており、平成13(2001)年の白書から、今回で17回目となります。
2部構成の「ものづくり白書」の第1部は、「第1章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望」、「第2章 ものづくり産業における人材の確保と育成に関する課題と対応 」、「第3章 ものづくりの基盤を支える教育・研究機関 」の3章立てとなっています。厚生労働省が担当の第2章では、ものづくり産業における人材の確保と育成に関する現状・課題を分析し、実際にものづくり企業の現場で行われている人材の定着・育成の取組などについて記述しています。
なお、第2部では、「平成28年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策」について紹介しています。
【第1部「第2章 ものづくり産業における人材の確保と育成に関する課題と対応」のポイント】
(1)ものづくり産業における中小企業の現状
・国内の製造業のうち99%以上を占める中小企業を取り巻く状況としては、事業所数、従業者数ともに減少傾向にある。
・中小製造業の人材不足感が進んでおり、今後、我が国の生産年齢人口の大幅な減少が見込まれる中で、人材確保については一層の厳しさを増すことが考えられる。
(2)ものづくり産業における中小企業を取り巻く社会・経済環境
・ものづくり産業をめぐる社会・経済環境の変化に対する認識として、大企業、中小企業ともに「製品の品質をめぐる競争の激化」と回答した割合が高くなっている。
・「製品の品質をめぐる競争の激化」、「技術革新のスピードが加速」を感じている中小企業は、人材を採用したと回答した割合や、人材育成などの「成果があがっている」と回答した割合がともに高くなっている。一方で、「ものづくりに対する若者の関心の弱さ」を感じている中小企業は、人材を採用した、人材育成などの「成果があがっている」と回答した割合がともに低くなっている。
・人材確保などの課題をみると、中小企業は、大企業と比べて、「若年ものづくり人材の確保が困難」と回答した割合が高くなっており、人材の確保に関心が強い。
・人材の定着を促すための取組をみると、中小企業は、大企業と比べて、「能力開発・教育訓練の実施」と回答した割合が低くなっており、従業員の能力開発や教育訓練には十分に手が回っていない。
・今後、ものづくり産業の成長に求められる人材像をみると、中小企業は、大企業と比べて、「熟練技能者」を求める優先順位は高くなっている一方で、「生産技術職」を求める優先順位は低くなっている。技術革新が激しくなっていく中で、中小企業においても、生産技術職の確保、育成が課題になってくる。
(3)ものづくり産業における中小企業の人材の定着・育成などのために行われている取組
・課題への対応として、ものづくり中小企業が実際に行っている人材育成などの取組事例を紹介。
「ものづくり白書」は、厚生労働省ホームページの「統計情報・白書」のページからダウンロードできます。
ほかには、全国の政府刊行物サービス・センターなどでも販売する予定です。
【照会先】
職業能力開発局総務課基盤整備室
室長 山口 正行 (内線5960)
職業能力開発指導官 岡林 由季 (内線5602)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3377
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 6月6日発表・報道発表より転載)