農作業者を支援する健康・労務管理IoTソリューションのトライアルを実施~富士通「ユビキタスウェア」を活用し、データ分析により生産性の向上に貢献:伊藤忠テクノソリューションズ
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(代表取締役社長:菊地 哲、本社:東京都千代田区、略称:CTC)は、農作業者の健康・労務管理や生産性の分析を実現するIoTソリューションを開発しました。農作業者が身に付けたセンサーから動作や身体の状態に関するデータを取得し、作業者ごとの健康・労務管理を行います。また、取得データと作業記録との相関分析によって働きやすさや生産性の向上を目指します。
8月から9月にかけて京丸園株式会社の浜松農園で健康・労務管理IoTソリューションのトライアルを実施しました。トライアルでは、CTCの特例子会社である株式会社ひなり(代表取締役社長:南部 信之、本社:東京都千代田区)の社員が農作業者として協力しました。
農作業に健康・労務管理が求められる背景
農業には繁忙期があり、人手不足を補うために、普段は農作業に従事していない作業者が短期的に農作業の支援を行うことがあります。夏場の、特にビニールハウスでの農作業は高温多湿な環境となるため、熱中症の予防を含めた農作業者の健康管理が必要です。現場の管理者は複数の作業場で働いている農作業者の体調変化に常に気を配る必要があり、安心して働ける環境が求められています。
農作業者を支援する健康・労務管理IoTソリューション
CTCが開発した健康・労務管理IoTソリューションは、農作業者の動作や身体の状態に関するデータを取得して健康・労務管理を行うソリューションです。作業記録と連動し生産性の向上につながる作業計画の分析や生産量の予測も提供します。センサーには、富士通株式会社(代表取締役社長:田中 達也、本社:東京都港区、以下:富士通)のIoT製品「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(以下:ユビキタスウェア)」の「ユビキタスウェア センサーアルゴリズム」「ユビキタスウェア バイタルセンシングバンド(以下:バイタルセンシングバンド)」「ユビキタスウェア ロケーションバッジ(以下:ロケーションバッジ)」を活用しました。「バイタルセンシングバンド」は熱ストレスや転倒・転落を遠隔で把握でき、「ロケーションバッジ」は位置情報を把握するツールです。「バイタルセンシングバンド」は、データ取得に加えて、事前に設定した通知条件で管理者にアラートを自動通知する機能もあり、休憩の促進や事故発生時の迅速な対応に備えることができます。
健康・労務管理IoTソリューションのトライアルについて
実施期間: 2016年8月22日から9月23日
実施場所: 京丸園株式会社 浜松農園(静岡県浜松市南区)
実証内容:
富士通「ユビキタスウェア」の動作検証
シフト管理表、業務日誌、収穫実績などの作業記録データとセンサーデータとの相関関係の分析による業務効率化や生産性の向上との関連性の検証
実施対象: 現場管理者4名、作業者12名
取得したデータ:
動作データ: 身体姿勢検知、転倒検知、歩数など
身体データ: パルス、身体負荷、熱ストレスなど
ロケーションデータ: 位置情報、移動軌跡など
実施結果:
センサーからのデータ取得と、熱ストレスや身体負荷等によるアラートの自動通知の有無を確認できました。
作業内容や作業経過時間、連続勤務日数と、身体負荷や熱ストレスとの相関関係を確認しました。ストレスのかかる作業や適切な作業配分、作業連続作業における休憩取得のタイミング、連続勤務日数の限度などについて個人ごとに算出しました。
センサーデータ、業務データに加えて、気温・日照時間・湿度などの環境データを用いた機械学習により、農作物の生育量予測モデルを構築しました。
<今後の展開>
CTCは、トライアルの対象施設を更に拡大し、農作業者の安全管理と作業の効率化を目指すソリューションの提供を2017年度に開始する予定です。データの蓄積を通して農作物の生産量を予測する機械学習の精度を高め、ソリューションの改善を継続します。農作業におけるITの活用で新たな市場を開拓し、将来的には、健康・労務管理を課題とする農作業以外の業態への展開も目指します。
<本件に関するお問い合わせ先>
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
広報部
TEL:03-6203-4100
FAX:03-5512-3013
E-Mail:press@ctc-g.co.jp
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 http://www.ctc-g.co.jp/ /12月9日発表・同社プレスリリースより転載)