「残業は当たり前」と感じている人が8割!?世の中のワークライフバランスの実態~『残業の実態について』:マンパワーグループ
マンパワーグループは、20代~50代の正社員の男女400名を対象に、残業の実態について調査しました。企業にとって、求職者から選ばれるため、また従業員の定着率向上のためには、「ワークライフバランス」が取れているかどうかは重要なポイントです。そこで今回は、残業の実態から職場環境改善のためのヒントを探ります。
<調査結果サマリー>
■全体の約8割の人が「残業」をしている実態
■残業の原因トップ2は、「仕事量が多い」「急な仕事が多い」
調査時期: 2016年6月
有効回答: 400人
全体の約8割の人が「残業」をしている実態
20代~50代の正社員の男女に、「現在、働いている会社で残業をしているか」を調査した結果、全体の約8割が「残業をしている」と回答しました。日本の社会において、残業することはもはや当たり前といえるかもしれません。
それでは、残業している人は、毎月どれくらいの時間を割いているのでしょうか。「残業をしている」と回答した約8割の人に「1ヵ月に平均でどれくらいの残業をしているか」を聞いたところ、第1位は「10時間未満」(34.3%)、第2位は「10~20時間未満」(20.1%)、第3位は「20~30時間未満」(16.7%)という結果になりました。
残業時間を勤務日数で割る単純計算の場合、全体の約7割は「多くても1日につき、1時間強程度」の残業時間であり、世の中全体における労働環境はかなり改善されているようにも見えます。しかし一方で、「90~100時間未満」(2.5%)という人がいるのも現状です。少数ではありますが、労働環境の改善が急務となっている企業の存在も見逃せません。
残業の原因トップ2は、「仕事量が多い」「急な仕事が多い」
残業が発生する原因については、「仕事量が多い」(45.6%)、「急な仕事が多い」(39.3%)が上位を占め、その他の原因を大きく引き離す形となりました。逆に、「能力・スキルが足りない」(11.3%)という回答は1割程度にとどまっていることから、多くの人が業務の担当範囲が広かったり、業務量が許容量を超えていたりする可能性が高いようです。
また、「取引先の対応に追われる」(14.8%)といった相手や状況次第で想定外の仕事が発生しやすいケースは、営業やIT関連などに多く見られました。
さらに、第3位となった「人手が足りない」(21.1%)にも注目したいところです。異動や退職などで人手が足りなくなった際、多くの人はそれをカバーするために必死でこなしていくもの。これまで通りに仕事が回っていたとしても、一部の社員に負担を与えている可能性があります。
「上司が帰らないと帰りづらい」「長時間労働を評価する社風がある」については、どちらも1割以下にとどまっているものの、職場の風土がいまだ残業の強制につながっている状況もあるようです。
まとめ
今回の調査の結果、残業を容認する傾向はあるものの、残業時間は比較的短く、世の中全体としては労働環境が改善されていることがわかりました。しかし、それぞれの立場や責務、また、社内の状況などにより、一部の人が負担を強いられている可能性もあります。企業としては、偏った労働時間になっていないか、一部の人に過剰な負担がかかっていないか、人員に過不足が無いか等、常に全体を把握しながら必要な対策を打つことが重要です。
また、業務の特性によって過重労働が発生したり、職場の風土が残業の強制につながったりするケースもあります。こうした場合には、全社的な取り組みやルールの決定によって、社内全体の意識改革を進めていくことがポイントになりそうです。「社内の慣習だから」という状況を放置すれば、やがては企業を揺るがすリスクとなる可能性もあります。企業体質を変えるためには、日々職場環境の改善に取り組むことが大切だといえるでしょう。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マンパワーグループ株式会社 http://www.manpowergroup.jp/ /11月16日発表・同社プレスリリースより転載)