小企業の従業員不足感は7年連続で上昇。従業員の給与水準が1年前と比べて「上昇」と回答した企業割合は、26.5%。「人材の定着・確保」のため69.3%~『小企業の雇用に関する調査結果』:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫(略称:日本公庫)は、『全国中小企業動向調査(小企業編)2016年7-9月期特別調査』の結果を発表しました。
●現在の従業員数が最近の営業状況と比べて「不足」と回答した企業割合は、32.9%と前回調査(2015年7-9月期)から0.8ポイント上昇した。上昇は7年連続である。業種別にみると、飲食店・宿泊業と情報通信業を除く全ての業種で、従業員の不足感が上昇している。
●従業員の給与水準が1年前と比べて「上昇」と回答した企業割合は、26.5%となった。上昇した背景をみると、「人材の定着・確保」と回答した企業割合が、69.3%と最も高くなっている。
<詳細結果>
○現在の従業員数が最近の営業状況と比べて「不足」と回答した企業割合は32.9%と、前回調査(2015年7-9月期)から0.8ポイント上昇した。上昇は7年連続である。
○従業員過不足DI(全業種計)は、前回調査から0.8ポイント上昇し、23.8となった。1992年調査(35.2)以来の高い水準となっている。
○従業員過不足DIを業種別にみると、いずれの業種も上昇傾向をたどっている。
○今回調査のDIは、運輸業が50.9と最も高く、次いで 建設業(40.4)、情報通信業(35.7)、飲食店・宿泊業(30.8)などの順となっている。
○従業員数が1年前と比べて「増加」と回答した企業割合は9.8%と、前回調査における今後の方針(22.4%)を下回った。今回調査における今後の方針をみると、「増加」と回答した企業割合は、前回調査を上回る24.0%となっている。
○業種別に今後の方針をみると、「増加」方針企業の割合は運輸業が47.2%と最も高く、次いで情報通信業(40.8%)、建設業(35.1%)などの順となっている。
○従業員の給与水準が1年前と比べて「上昇」と回答した企業割合は、26.5%と前回調査から2.5ポイント高くなった。
○業種別にみると、「上昇」と回答した企業割合は、情報通信業が33.3%と最も高く、次いで製造業(29.0%)、飲食店・宿泊業(28.2%)の順となった。前回調査と比べると、情報通信業を除く全ての業種で「上昇」と回答した企業割合が高くなった。
○従業員の給与水準について従業者規模別にみると、規模が大きいほど「上昇」と回答した企業割合が高くなっている。前回調査と比べると、全ての規模で「上昇」企業割合が高くなっている。
○給与水準が上昇した背景をみると、「人材の定着・確保」と回答した企業割合が69.3%と最も高く、次いで「最低賃金の改定」が34.1%となっている。2015年調査と比べると、「人材の定着・確保」「最低賃金の改定」「同業他社の賃金動向」の割合が高くなっている。
[調査の実施要領]
調査時点: 2016年9月中旬
調査対象: 当公庫取引先 10,000 企業
有効回答数: 7,168 企業 [回答率 71.7 %]
<お問い合わせ先>
日本政策金融公庫総合研究所小企業研究第二グループ
Tel:03-3270-1691(担当:大塚、桑本、藤井)
〒100-0004東京都千代田区大手町1-9-4大手町フィナンシャルシティノースタワー
◆ 本リリースの詳細は、こちら(PDF)をご覧ください。
(株式会社日本政策金融公庫 https://www.jfc.go.jp/ /10月31日発表・同社プレスリリースより転載)