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掲載日:2016/06/30

全体の半数以上の企業で「人員が不足している」、昨年調査より不足の割合が上昇。求める人材は、「一定のキャリアを積んだミドル人材」~『人手不足等への対応に関する調査結果』:日本商工会議所

日本商工会議所(三村明夫会頭)はこのほど、「人手不足等への対応に関する調査結果」を取りまとめました。

毎年、「最低賃金引き上げの影響に関する調査」を行っており、その付帯調査として、昨年に引き続き人手不足等についての影響を把握するために、全国の2,405事業者にヒアリング調査を行いました。

 

調査結果では、人員の過不足状況について、全体の半数以上の企業で「不足している」と回答しており、昨年調査と比較して5ポイント以上不足の割合が上昇しました。業種別に見ると「宿泊・飲食業」「介護・看護」「運輸業」で人手不足感が強い結果となりました。

また、今年度は「同一労働同一賃金」についても調査をしており、賃金を決定する際に考慮する項目として「合理性がある」と考えられるものとしては、「責任」、「本人の生産性」が高い結果となった一方、賃金差の理由を求められた場合「立証が難しい」と考えられる項目については、「本人の生産性」、「将来の役割への期待」、「責任」と続き、「合理性がある」と考えるものの「立証が難しい」と思われる項目が重なる結果となりました。

 

【調査結果概要】

I. 人手不足への対応について

1.人員の過不足状況について(前年調査比較)
・全体では、半数以上の企業が「不足している」と回答。
・昨年調査よりも「不足している」と回答した割合が上昇(約5ポイント)しており、人手不足感が強まっている。

<業種別集計>
・業種別では、宿泊・飲食業の不足感が最も高く、約8割の企業が「不足している」と回答。
・介護・看護、運輸業、建設業で「不足している」と回答した企業が6割を超えており、その他の業種においても人手不足の状況が高まっている。

<従業員規模別集計>
・従業員規模301人以上の企業では「不足している」と回答した割合が70%を超える。
・従業員「6~10人」「51~100人」規模では、昨年調査と比較し10ポイント以上不足感が高まっている。

 

2.求める人材について【複数回答】
・求める人材としては、「一定のキャリアを積んだミドル人材」が最も高く、前年調査よりも高い数値となった。
・その他の項目においても対前年調査と比較して高い数値であり、幅広い層で人手不足が拡大している。

<業種別集計>
・全ての業種において「一定のキャリアを積んだミドル人材」が最高値となっている。
・求める人材の傾向は昨年調査と変わらないが、「一定のキャリアを積んだミドル人材」が不足しているといった割合について、「介護・看護」では80%を超えるなど、ニーズが高まっている。

 

3.女性の活躍推進について
・「実施している(40.0%)」「実施を検討している(21.5%)」を合計すると6割を超える企業で女性の活躍推進について対応を講じている。

<業種別集計>
・女性の活躍推進について、業種別に見ると「介護・看護」で最も「実施している」といった割合が高い(77.5%)。
・反面、「実施していない」と回答した割合は「建設業」が最も多い(46.8%)。

<従業員規模別集計>
・女性の活躍推進について、業種別に見ると従業員「301人以上」の企業で「実施している」といった割合が最も高い(71.7%)。
・「実施していない」と回答した企業は、従業員「5人以下」の企業が最も高く(52.7%)、従業員規模に比例して、「実施していない」と回答した割合は減少する。

3-(2).女性の活躍を推進する上での課題について【複数回答】
・女性の活躍を推進する上での課題は「女性の職域が限定されている(38.6%)」が最も多く、次いで「女性の応募が少ない(女性社員が少ない)(31.7%)」と続く。
・一方、「女性が管理職登用を望んでいない(23.0%)」といった項目も一定数存在し、女性社員の意識も課題となっている。

 

4.65歳以降の雇用延長について
・現在、65歳超を雇用している企業は回答企業の約7割となっている。
・一方、「既に65歳超の者を雇用しているが、義務化は反対(30.1%)」、「65歳までは雇用できるが、それ以上の対応は難しい(27.1%)」といった意見の合計は約6割(57.2%)となり、一律の雇用延長には慎重な対応が求められる結果となった。

4-(2).65歳超まで雇用できない理由について【複数回答】
・65歳超まで雇用できない理由としては「本人の体力的な面で難しい(66.5%)」が6割を超え最多となった。また、「若い年齢層の採用の阻害になる」も約5割となり、上位は昨年の調査結果と同様の傾向であった。
・「勤務してもらう職域がない(21.5%)」については、昨年調査と比較して10ポイント以上減少(昨年は31.8%)しており、高齢者の雇用に向け職域を拡大している傾向が伺える。
・一方、「生産性が低下する(37.3%)」については、昨年調査と比較して10ポイント以上増加(昨年は26.3%)しており、職域を拡大しつつも生産性にはマイナスの影響を示唆する結果となっている。

 

II. ICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化に向けた取り組みについて

1.ICT化に向けた取り組みについて
・ICT化に向けた取り組みについて、回答した企業の約6割が(59.7%)が取り組みを実施している結果となった。

<従業員規模別集計(従業員数無回答除く)>
・ICT化への取り組みを企業規模別にみると、従業員規模が少なくなるにつれ取り組みが進んでおらず、従業員「5人以下」、「6~10人」では、取り組んでいないと回答した割合の方が高くなる。

<業種別集計(業種無回答除く)>
・ICT化への取り組みを業種別にみると、「情報通信・情報サービス業」で最も取り組みが進んでいる。一方、取り組みが進んでいない割合は「運輸業」、「宿泊・飲食業」「製造業」が高い結果となった。

2.取り組みが進まない理由・背景について【複数回答】
・ICT化に向けた取り組みが進まない理由としては、「導入のための費用が高い(45.6%)」が最も高い結果となった。
・また、「知識が経営層・管理職層に不足(39.5%)」、「推進役となる社員がいない(34.5%)」といった、人的な要因も高い割合を示した。

 

III. 長時間労働の削減に向けた取り組みについて

1.長時間労働削減に向けた取り組みについて
・長時間労働削減に向けた取り組みは、回答企業の7割超(73.8%)が実施していると回答している。

<業種別集計(業種無回答除く)>
・長時間労働削減に向けた取り組みを業種別に見ると、「金融・保険・不動産業」では、8割以上(85.7%)の企業が取り組んでいるのに対し、「建設業」では、6割強(66.7%)となっており、業種の違いによって差が顕著である。

<従業員規模別集計(従業員数無回答除く)>
・長時間労働削減に向けた取り組みを従業員規模別に見ると、従業員規模「301人以上」の企業では9割以上で取り組んでいるのに対し、従業員「6~10人」、「11人~20人」の企業では6割超に留まっている。

2.取り組みが進まない理由・背景について【複数回答】
・長時間労働削減に向けた取り組みが進まない理由としては、「仕事に偏りがあるため(35.2%)」、「業種・業界特性からの外部要因(34.9%)」が高い結果となった。

<従業員規模別集計(上位5項目)>
・長時間労働削減に向けた取り組みが進まない理由を従業員規模別に見ると、従業員「5人以下」、「6~10人」規模の企業では、「既に残業はなく短縮できない」が最も高いが、従業員「11~20人」以降では「仕事に偏りがあるため」が最も高くなる。
・また、「業種・業界特性からの外部要因」についても、6人以上規模の企業では、一定数(3割超)の割合がある。

<参考:クロス集計( ICT化に向けた取り組み×長時間労働削減に向けた取り組み)>
・ICT化に取り組んでいる企業では、長時間労働削減に向けて、8割以上の企業で取り組みを講じている結果となった。

 

IV. 「同一労働同一賃金」について

1.賃金を決定する際に考慮する項目として「合理性がある」と考えるものおよび労使紛争で賃金差の理由の立証を求められた場合「立証が難しい」と思われるもの【複数回答】
・賃金を決定する際に考慮する項目として「合理性がある」と考えられるものとしては、「責任(76.9%)」、「本人の生産性(76.7%)」が高い結果となった。
・一方、賃金差の理由を求められた場合「立証が難しい」と考えられる項目については、「本人の生産性(47.0%)」が最も高く、次いで「将来の役割への期待(43.3%)」、「責任(37.5%)」と続く。
・「合理性がある」と考えるものの「立証が難しい」と思われる項目が重なっている。
・特に、数値化が難しい「将来の役割への期待」については、長期雇用と社内育成を前提とした賃金制度が広く普及している。
・「同一労働同一賃金」を制度として導入する際には、これまで中小企業が積み重ねてきた雇用慣行の在り方を十分踏まえた慎重な検討が必要である。

※詳細につきましては、こちらの資料をご覧ください。
人手不足等への対応に関する調査結果(PDF)

 

【この件に関するお問い合わせ先】
日本商工会議所 産業政策第二部
[担当者名]千葉・高野
[TEL]03-3283-7940
[Email]sangyo2@jcci.or.jp

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(日本商工会議所 http://www.jcci.or.jp/ /6月29日発表・同商工会議所プレスリリースより転載)

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