ものづくり産業における労働生産性の向上と女性の活躍促進に向けた課題や今後の方向性を提示~『平成27年度ものづくり基盤技術の振興施策』(ものづくり白書)を閣議決定(厚生労働省)
政府は5月20日、「平成27年度ものづくり基盤技術の振興施策」(「ものづくり白書」)を閣議決定し、国会に報告しました。
「ものづくり白書」は、「ものづくり基盤技術振興基本法」第8条に基づき国会に毎年報告する年次報告書で、政府がものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策を取りまとめたものです。この白書は、経済産業省、厚生労働省、文部科学省が連携して作成しており、平成13年(2001年)の白書から、今回で16回目となります。
2部構成の「ものづくり白書」の第1部 は、「第1章 我が国ものづくり産業が直面する課題と展望 」、「第2章 ものづくり産業における労働生産性の向上と女性の活躍促進 」、「第3章 ものづくりの基盤を支える教育・研究機関 」の3章立てとなっています。厚生労働省が担当の第2章では、ものづくり分野における労働生産性の向上と女性の活躍促進に関する現状・課題を分析し、今後求められる方策について記述しています。 なお、 第2部では、「平成27年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策」について紹介しています。
【第1部「第2章 ものづくり産業における労働生産性の向上と女性の活躍促進 」のポイント】
(1)産業全体におけるものづくり産業のインパクト
・ものづくり産業は、我が国のGDPの2割を占めるとともに、非製造業と比べて生産・雇用への波及効果が 大きく、引き続き重要な産業として位置づけられる。
(2)労働生産性の向上に向けた人材の確保・育成の現状・課題と対応
・人口減少下において、我が国の経済を持続的に成長させるためには、労働生産性の向上が不可欠であり 我が国の基幹産業であるものづくり産業の労働生産性向上に向けた人材の確保・育成が重要。
・労働生産性が高い企業ほど、「賃金水準の向上」「能力、業績を処遇に反映」「福利厚生の充実」など の処遇の改善や、ジョブローテーションを通じて多様な業務経験を積ませるなど、人材の確保・育成に 関する取組を行っている。
・労働生産性の向上に効果がある取組としてIT化が挙げられる一方、課題としてIT人材の不足が指摘 されており、IT人材育成の加速化に向けた取組が求められる。
・その他、人材確保・育成に関する支援として、職業訓練を実施する事業主への助成金の拡充、在職者訓練の充実などが、企業から求められている。
(3)ものづくり産業における女性の活躍促進に向けた現状・課題と対応
・ものづくり産業のさらなる活性化のため、女性の活躍促進に向けた取組が重要。
・女性の活躍促進に積極的な企業における取組をみると、女性でも働きやすい作業環境の整備や勤務シフト・時間の設定における配慮、男女を区別しない仕事の割り当て、出産・育児などがハンデにならない人事制度、管理・監督担当者やリーダーへの女性の登用、女性の先輩を指導役へ配置などが挙げられる。
・その他、ものづくり分野での女性の活躍促進に向けた支援として、職場・作業環境改善に対する助成、税制優遇措置、教育訓練に対する助成などが、企業から求められている。
「平成27年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)は、厚生労働省ホームページの 統計情報・白書のページ からダウンロードできるほか、全国の政府刊行物サー ビス・センターなどで購入できます。
【照会先】
職業能力開発局総務課基盤整備室
室長 尾田 進 (内線5960)
室長補佐 井上 裕介 (内線5602)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3377
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 5月20日発表・報道発表より転載)