平成27年度「能力開発基本調査」の結果を公表します(厚生労働省)
~人材育成に関して何らかの「問題がある」と回答した事業所は71.6%。問題点は、指導する人材不足・時間がない・育成しても辞めてしまう~
厚生労働省では、このほど、平成27年度「能力開発基本調査」の結果を取りまとめましたので公表します。
「能力開発基本調査」は、国内の企業・事業所と労働者の能力開発の実態を明らかにすることを目的として、平成13年度から毎年実施しています。
この調査は、企業の能力開発の方針などを調べる「企業調査」、事業所の教育訓練の実施状況などを調べる「事業所調査」、個々の労働者の教育訓練の実施状況などを調べる「個人調査」で構成されています。「企業調査」と「事業所調査」は常用労働者30人以上を雇用している企業・事業所を対象に、「個人調査」は調査対象事業所に属している労働者を対象に実施しています。調査結果の詳細は参考1をご参照ください。
1. 教育訓練に支出した費用の労働者一人当たりの平均額(企業調査) 〈参考1-P1参照〉
・企業がOFF-JT(※1) に支出した費用の労働者一人当たりの平均額は1.7万円。
・企業が自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たりの平均額は0.6万円。
2. 人材育成の課題(事業所調査) 〈参考1-P16参照〉
・人材育成に関して何らかの「問題がある」と回答した事業所は71.6%。
・問題点として多い回答は、「指導する人材が不足している」(53.5%)、「人材育成を行う時間がない」(49.1%)、「人材を育成しても辞めてしまう」(44.5%)。
3. 自己啓発の状況・課題(個人調査) 〈参考1-P32・ P36参照 〉
・自己啓発を行った労働者は、正社員(※2)では42.7%、正社員以外(※3)では16.1%。
・自己啓発を行う上で「問題がある」と感じる労働者は正社員で78.8%、正社員以外で71.5%。
・問題点として最も多い回答は、正社員、正社員以外とも「仕事が忙しくて自己啓発の余裕がない」(正社員:57.6%、正社員以外:37.4%)。
※1 OFF-JT :業務命令に基づき、日常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練。
※2 正社員 :パートタイム労働者などを除く、雇用期間の定めのない労働者。
※3 正社員以外 :「嘱託」「契約社員」「パートタイム労働者」などの名称で呼ばれている人。派遣労働者と請負労働者は含まない。
(参考1) 調査結果の概要
(参考2) 用語の説明
【照会先】
職業能力開発局総務課基盤整備室
室長 尾田 進 (内線5960)
室長補佐 井上 裕介 (内線5602)
(代表電話) 03(5253)1111
(直通電話) 03(3595)3377
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 3月31日発表・報道発表より転載)