理系人材ニーズの高まり「学生は理系キャリアを目指すべき」世界71.1%、日本58%が同意。業務のデジタル化への準備、日本と世界の労働者の意識に大きな差~『労働意識調査ランスタッド・ワークモニター』
総合人材サービス会社ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー(本社:オランダ王国ディーメン、CEO: ジャック・ファン・デン・ブルック)は、四半期毎に世界34の国と地域の18~65歳を対象に、労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」を実施しています。今回は2015年第4四半期に実施した調査の中から、仕事とテクノロジーに関する結果を発表します。
近年、産業界で必要とされる人材と、教育機関の人材育成の間でのミスマッチが生じており、世界的に問題となっています。特に理系人材においては慢性的な人材とスキル不足が懸念されており、産学官協働で改善していくことが急務となっています。そのような背景を受け、文部科学省は昨年「理工系人材育成戦略」を策定し、理系人材の質的充実と量的確保に向けた取り組みを開始しました。しかし今回の調査では、日本の労働者の理系・テクノロジー分野に対する意識の低さが露呈し、グローバルと大きな差があることが明らかになりました。
<2015年第4四半期 ランスタッド・ワークモニター 特筆事項>
●自分の職場で「理系人材のニーズが高まっている」に、グローバルの45.9%が実感。アジア、中南米に加え、アメリカでも半数が高まりを認識
●グローバルの71.1%が「理系のキャリアを目指す学生が増えるべき」と回答。アジア、中南米、南欧、北米でも70%以上が同意。日本は58%で、調査国中5番目に低い結果
●「業務のデジタル化に対応する準備」、日本の労働者は42.5%で他国と比較して極端に低い結果。テクノロジーに対し、個人の意識がまだまだ低い傾向
<調査結果 概要>
●自分の職場で「理系人材のニーズが高まっている」に、グローバルの45.9%が実感。アジア、中南米に加え、アメリカでも半数が高まりを認識
自社の理系人材ニーズについて、世界の労働者の45.9%、日本の40.2%が「高まっている」と回答しました。アジアや中南米諸国で同意する声が多く聞かれたほか、世界のIT産業を牽引するアメリカでも約半数(49.2%)がニーズの高まりを実感する結果でした。
●グローバルの71.1%が「理系のキャリアを目指す学生が増えるべき」と回答。アジア、中南米、南欧、北米でも70%以上が同意。日本は58%で、調査国中5番目に低い結果
世界では71.1%が「学生は理系キャリアを目指すべき」と回答。34の国と地域中、16カ国から70%以上の同意を得る結果でした。日本は5番目に低い数値でしたが、それでも半数を上回る58%の労働者が同意していることが分かりました。
また、「自分が18歳だったら理系分野の勉強に注力する」に世界の63.3%、日本の57%が、「自分が18歳だったらデジタル系の勉強に注力する」に世界の69.7%、日本の61.2%が「はい」と回答しました。いずれの設問も、アジアのIT立国を目指すインドと中国から90%近い同意を得る結果でした。
●「業務のデジタル化に対応する準備」、日本の労働者は42.5%で他国と比較して極端に低い結果。テクノロジーに対し、個人の意識がまだまだ低い傾向
業務のデジタル化への準備について、世界の労働者の78%が「準備できている」と回答したのに対し、日本は調査国の中で最も低い42.5%でした。理系人材のニーズが高まり、テクノロジーが日々進化していることは漠然と感じながらも、自分の業務にそれがどのように関わってくるのか、をまだ現実のものととらえられていない労働者が、グローバルと比較して多いことがうかがえます。
ランスタッド株式会社 代表取締役社長兼COO 猿谷 哲 のコメント
民間調査によると、2016年の国公立入試における理系志願者は昨年比4%減少したそうです。一部の理系科目の難易度が上昇したことや、企業の採用意欲が高まり、受験生が無理に理系に固執する必要性を感じなくなったことなど、様々な要因がありますが、世界の理系志向の高まる一方で、日本の学生の理系離れが進む風潮に懸念を抱きます。
世界のテクノロジー産業をリードしてきた日本では、ここ10数年の間に製造現場におけるオートメーション化による効率化が進み、現場のオペレーションは大きく変化しました。製造現場での自動化はある程度成熟した状況にある中、少子高齢化による労働力人口の減少に向け、これからの課題の中心はAI等の導入によるホワイトカラーの生産性向上であることは明白です。つまり、今後は事務作業におけるオートメーション化が進み、自分の仕事や業務の一部がIT技術に取って代わられることも予想されます。働き手は、進化するテクノロジーと上手く付き合いながらも、テクノロジーに取って代わられない自分のスキルを磨いていく必要に迫られていると言えるでしょう。
<ランスタッド・ワークモニターについて>
ランスタッド・ワークモニターは、2003年ランスタッドの本社のあるオランダでスタートし、現在は欧州、アジアパシフィック、アメリカ大陸の世界34の国と地域で行われています。ワークモニターは年4回実施され、労働市場の動向に関するグローバルトレンドを調査しています。本調査はオンライン上で行われ、18-65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象にしています(自営業を除く)。今回の調査期間は2015年10月21日~11月4日でした。
調査実施国: アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、 デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、 マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、ポーランド、シンガポール、 スロヴァキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、オランダ、英国、米国
以上34の国と地域
<本リリースに関するお問い合わせ先>
ランスタッド株式会社 広報担当: 前川生民・寺島千恵子
Tel: (03)-5275-1883 Fax: (03)-5275-1878 Email: communication@randstad.co.jp
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(ランスタッド株式会社 http://www.randstad.co.jp/ /3月2日発表・同社プレスリリースより転載)