ウェーバー・シャンドウィック、『世界の企業経営者における
ジェンダー平等性:2030年への理想と現実のパラドックス』調査報告書発表
~女性の管理職比率を高めるグローバル企業が約3割 2030年までに格差解消~
世界81か国でPRコンサルティングを提供するウェーバー・シャンドウィックは2015年10月21日、世界の企業経営者および企業幹部を対象とした調査報告書「世界の企業経営者におけるジェンダー平等性:2030年への理想と現実のパラドックス(以下“本調査”)」を発表しました。
本調査によると、世界の企業経営者と企業幹部のおよそ4分の3(73%)は、2030年までに企業における男女比の不均衡が解消され、経営者層の“ジェンダー平等性”(=男女比の平準化)が達成されると予測しています。その一方で、実際に不均衡を解消するための具体的な目標を設定すると回答した経営者は半数程度(56%)であり、経営者にとってジェンダー平等性は優先順位の高い課題と回答した企業幹部は39%に留まりました。具体的な対策が欠如する中、女性経営者の間では“パイプライン疲れ”が生じており、同一職種同一賃金に関する法整備といった手段が取られない限り、早期解消にはつながらないと考える傾向が明らかになっています。
本調査は、2015年にウェーバー・シャンドウィックとKRCリサーチ社後援のもと、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)社により、北米、EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)、APAC(アジア太平洋地域)、中南米の55ヶ国の企業幹部327人(半数がCEOを含む企業経営者)に対し、オンライン調査により実施されました。企業のジェンダー問題に影響力を持つ意見を反映するため、意図的に調査サンプルの企業経営者の割合を高めています。
本報告書では、ジェンダー平等性に関する企業レピュテーション構築のための、実践的な行動指針を提供しています。また女性の昇進を促進する“プッシュ要因”と、逆に妨げる“プル要因”の存在を明らかにしています。さらに、ジェンダー平等に先駆的に取り組む企業およびリーダーを“ジェンダー・フォワード・パイオニア(以下GFP)”と位置付け、そのアプローチ方法を取りまとめ、これから取り組もうとする企業への検討事項として紹介しています。
ウェーバー・シャンドウィックのアジア太平洋地域コーポレート・クライシス・ヘッドであるタイラー・キム(Tyler Kim)は次のように述べています。「この報告書は、2030年までに経営幹部のジェンダー平等性の実現を目指す中、その過程で生じるパラドックスを明らかにしています。ジェンダー平等を促進させる要因(=“プッシュ要因”)のなかには、同時に促進を妨げる要因(=“プル要因”)となっているものもあります。企業は迅速に女性の管理職登用への準備を整え、有望な人材の将来をサポートする策を講じる必要があります。世界の意思決定者を対象とした今回の調査は、21世紀中に企業幹部のジェンダー格差解消を実現しようとするのなら、今すぐ行動が必要とされている事を教えてくれます」
“プッシュ要因”:準備の有無にかかわらず、とにかく始めてみる
企業のジェンダー平等性を促進し達成する動きは、以下の6つの“プッシュ要因”により加速され、さらに複数要因の相乗効果により、ジェンダー平等性を妨げる要因を抑制する効果が生じると考えられます。
・企業経営者および企業幹部の68%が、ソーシャル・メディアなど各種メディアで、ジェンダー平等性に関する問題が取り上げられる頻度が増加し、世間の注目が高まっていると感じています。(2010年以降、女性CEOを取り上げた英文記事数は全世界で3倍以上増加)
・ジェンダー平等性に取り組む最大の理由は「優秀な女性人材を引きつけ引き留めるため」(46%)でした。
・ジェンダー平等性に取り組む企業経営者および企業幹部の38%が、「ビジネスに多様な視点を持つ事が業績の向上につながる」と回答しています。
・ジェンダー平等性への取り組みを実践する最大の要因は、ステークホルダーの影響力(44%)でした。
・企業経営者以外の女性幹部は男性幹部と比べ、経営職への昇進を望む傾向が高まっています(男性56%であるのに対し、女性は76%)。
・ミレニアル世代の企業幹部76%が、自社の経営幹部のジェンダー平等性は重要な意味を持つと回答し、その他の世代を大幅に上回る結果となりました。
ウェーバー・シャンドウィックでは、フォーチュン・グローバル100企業の企業経営陣の男女比平準化を測る独自の分析指標として「ウェーバー・シャンドウィックGFPインデックス」を取りまとめました。。2015年のインデックスによると、世界的な大手企業の経営幹部のうち女性が占める割合はわずか12.5%に留まることが明らかになっています。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ウェーバー・シャンドウィック http://webershandwick.jp//10月20日発表・同社プレスリリースより転載)