雇用保険に関するよくある質問
雇用保険とは、会社が従業員に対して掛ける保険のことで、労働保険の一種です。雇用保険に関して、「未加入の状態で問題はないか」「従業員の転勤時はどうするか」「離職票提出の求めがあったら」といったよくある質問をまとめました。
雇用保険が未加入だった場合の罰則と対応方法
未加入の原因としては、会社側、もしくは従業員側が雇用保険に入りたくないケースが考えられます。特にパート・アルバイトの従業員は、「雇用保険の負担をしたくない」と考える場合もあるはずです。
しかし、条件を満たしているのであれば、雇用保険への加入が必要です。雇用保険法第83条には、以下のような罰則規定があります。
雇用保険法第83条の罰則規定
第八十三条 事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
- 一 第七条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合
- 二 第七十三条の規定に違反した場合
- 三 第七十六条第一項の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合
- 四 第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
- 五 第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
引用元:雇用保険法|e-Gov法令検索
従業員の住所変更時の対応
雇用保険には、住所が登録されていません。そのため、住所変更は不要です。
従業員の転勤時の対応
従業員が転勤する際、「雇用保険被保険者転勤届」の提出が必要になることがあります。会社が雇用保険適用事業所番号を複数持っており、従業員が別の番号の事業所に転勤するケースです。
この場合は、転勤日から10日以内に、転勤先の住所を管轄するハローワークに転勤届を提出します。提出は、ハローワークの窓口へ直接出向くか、電子申請で行うことも可能です。
なお、会社が雇用保険事業所番号を一つのみ所持している場合は、この手続きは不要です。
●直接ハローワークの窓口へ行く場合の手続き
被保険者についての諸手続き|徳島労働局
●雇用保険被保険者転勤届の作成・印刷
雇用保険被保険者転勤届|ハローワークインターネットサービス
電子申請については、会社の住所地を管轄するハローワークにお問い合せください。
退職する従業員から離職票提出を求められた場合
離職票の発行を求められたら、雇用保険被保険者資格喪失届と離職証明書をハローワークに提出して対応します。ハローワークに提出する際の必要書類は、以下の通りです。
書類名称 | 備考 |
---|---|
資格喪失届 | - |
労働者名簿 | - |
離職証明書(3枚複写式) | 「雇用保険被保険者離職票」の基となるもの。2枚目の(15)(16)は離職者の記載が必要。 |
離職前2年間のタイムカードまたは出勤簿 | - |
離職理由を客観的に確認できる書類 | 退職願・雇用契約書・解雇通知書・就業規則などが利用可能。 |
※従業員の雇用保険の手続き|大阪ハローワークを基に一部を加筆・修正し作成
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雇用保険に関するよくある質問
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