チーミング
チーミングとは?
「チーミング」とは、絶えずチームワークを模索し、実践し続けること。フラットな組織で、新たなアイデアを生み、その答えを探し、問題を解決するために人々を団結させる動的な活動のことを指します。チーム研究の第一人者であるハーバード・ビジネススクール教授のエイミー・C・エドモンドソン氏によって提唱されました。チーミングに不可欠なのが、学習をうながす環境づくり。現在の仕事の手順に従うだけではなく、学びながら実践を繰り返し、プロセスそのものを発展させることに価値を置いた考え方です。
チーミングは学習する組織のために必要な新しいリーダーシップ
組織には、課、部、事業部、プロジェクトなど、さまざまな単位のチームがあります。チームとは共通目標を持ち、達成のために一致団結する集団のことですが、チーミングが比較的新しい概念として注目されているのは、現代の予測不可能な変化の時代において、チームの解も変化し続けているからです。ビジネス環境や技術が進化するなかでは、1年前に正解だったやり方も正解ではなくなっているかもしれません。そのため、チーミングには「組織として学習する」という態度が不可欠なのです。
では、学習する組織をどのようにつくればよいのでしょうか。エイミー・C・エドモンドソン氏の著書『チームが機能するとはどういうことか』によると、「チーミングは、本質的に学習プロセスのことである。チームでの学習においては、話し合いと決定と行動と省察のサイクルが繰り返される」とあります。成功するチーミングのためには、率直に意見を言うこと、協働すること、試してみること、内省することがポイントとして挙げられています。
そのようなチームをつくるためには、これまでとは違ったリーダーシップも必要です。リーダーはチームが機能するために、さまざまなフレーミング(ものの見方)を試せる人材が適しています。一度フレーミングした事柄でも、状況に応じてリフレーミングしてみるという建設的な態度も求められます。さらに、組織学習を促すリーダーの行動として、(1)学習するための骨組みをつくる、(2)心理的に安全な場をつくる、(3)失敗から学ぶ、(4)職業的、文化的な境界をつなぐという四つの行動が重要であるといわれています。
チームワークのあり方が変化する今日。これまでのようにトップがあるべき解を提示するのではなく、新しいチームの姿や新しいリーダーシップについて考えてみてはいかがでしょうか。
・関連書籍
チームが機能するとはどういうことか(英治出版)
用語の基本的な意味、具体的な業務に関する解説や事例などが豊富に掲載されています。掲載用語数は1,400以上、毎月新しい用語を掲載。基礎知識の習得に、課題解決のヒントに、すべてのビジネスパーソンをサポートする人事辞典です。
人事の学習帳 関連講座
「リーダーシップ」に関する記事
「リーダーシップ」に関する人事のQ&A
部下なし管理職のブラッシュアップ
弊社では部下を持たずに、特定の専門分野を預かる担当(専任)管理職が多数存在します。
管理職登用時以降、階層別教育の網に掛からないため、なかなか学びの機会を提供できていません。
職責マネージャーが組織運...
- 教育担当Aさん
- 長野県/ 機械(従業員数 11~30人)
次世代リーダーを確実に育成するための手立て
お世話になっております。
社内で次世代のリーダーを育てたいと考えています。私がいつまで社長として会社を支えていくことができるかわかりません。また、会社を長く残していくには、若い力を借りなければならな...
- 猫飯ニャン太郎さん
- 東京都/ その他業種(従業員数 31~50人)
意識改革を目的とした管理職養成研修の進め方
次期管理職に対して意識改革を主目的にした研修を実施予定です。「理想のリーダ像」「現在の自分」そして「理想と現実の乖離を埋めるために何をすべきか」をグループディスカッションで議論する中で、受講者が自らの...
- 研修検討担当さん
- 東京都/ 機械(従業員数 51~100人)
「リーダーシップ」に関する書式・テンプレート
サクセッション・プラン(後継者育成計画)立案のポイント
サクセッション・プラン(後継者育成計画)の立案には長期的かつ幅広い視点が不可欠です。この資料では立案に必要な最低限のポイントを整理しています。
心理的安全性チェックシート
心理的安全性チェックシートです。
幹部社員の教育プログラム例
幹部社員の教育訓練の目的は経営戦略を理解して、幹部としての責務を果たすこと。一堂に会して検討・議論する中で、一体感や競争心も生まれます。
ここでは幹部社員の教育プログラム例をご用意しました。Word形式なので自社に合わせてカスタマイズできます。