ポジティブな言葉をたくさんかけて、
精一杯生きる姿を見せる
それが組織のモチベーションを高めるリーダーの役割
ANAビジネスソリューション株式会社 代表取締役社長
矢澤 潤子さん
ダイバーシティ＆インクルージョンの先頭に立っていく
現在の日本企業の「人と組織」に関わる課題をどう捉えていらっしゃいますか。
最も重要な課題は、「ダイバーシティ＆インクルージョン」だと思います。日本人にとっては、同質性からの脱却が常にテーマになっていくのではないでしょうか。その中で特徴的なものはやはり女性活躍推進です。
ただ、多様性にもいろいろあります。性別のように目に見える部分はわかりやすいのですが、価値観をはじめとする、表に出ない多様性も世の中にはあふれています。今後はそういったものも含めて、ダイバーシティ＆インクルージョンを推進していく必要があります。誰もがいきいきとやりがいを持って働ける環境にするためには、不可欠なことです。
島国の日本には、外来のものも自分たちらしく編集して内部に取り込んできた歴史があります。そういうことが得意な国なので、あまり堅苦しく考えずにいろいろとチャレンジして、必要なら修正していけばいい。それは十分可能だと思いますし、私たちもその先頭に立っていきたいと考えています。
貴社は人材派遣や業務請負、教育・研修など人材関連サービスを手がけられています。この業界や市場の展望についてもお聞かせください。
人財不足の状況はしばらく継続すると見ています。人材派遣の分野では売り手市場の状況も固定化してきています。
従って、これからの人材ビジネス業界でカギになるのは、人を集めてマッチングする力ではなく、人を育てて付加価値をつけ、送り出す力だと考えます。人材派遣でいえば「育成型派遣」。当社は教育・研修事業も行っていますので、人財育成の専門家がいますし、ANAグループならではのノウハウもありますので、育成に強いというアドバンテージがあると自負しています。付加価値の高い人財を送り出すことで、さまざまな良いスパイラルが生まれます。「一億総活躍社会」というスローガンもありますが、社会に出ていく一歩目の勇気を与えてくれるのはまず、教育。当社は、そこに注力していきたいと考えています。
日本を代表するHRソリューション業界の経営者に、企業理念、現在の取り組みや業界で働く後輩へのメッセージについてインタビューしました。
