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7割が「ホワイトカラー・エグゼンプション」に「賛成」
~「ホワイトカラー・エグゼンプション」への賛否や導入された場合の効果・影響について調査~

『日本の人事部』は、全国のビジネスパーソン(経営者、管理職、人事担当者ほか)に対して「ホワイトカラー・エグゼンプション」に関するWEBアンケートを実施し、その結果をまとめました。(調査期間:2014年9月16日~10月6日、回答社数:306社)
政府は2014年6月、ホワイトカラーの労働者を対象に労働時間の規制を外し、成果に給与を払う制度「ホワイトカラー・エグゼンプション」を、年収1000万円以上の専門職に限って導入する方針を示しました。現行法では労働時間で給与や報酬を決めることが原則ですが、専門職や企画立案を主とする職種などでは、働く時間の長さと成果が比例しないケースも多いため、同制度が提唱されています。「生産性の向上」「多様で柔軟な働き方の実現」などを期待する声がある一方、労働組合などからは、「残業代ゼロ」を推進するものだとして、反発の声も多く挙がっています。世間で議論が白熱している現在、企業の人事担当者や経営者は、同制度についてどのように考えているのでしょうか。「ホワイトカラー・エグゼンプションへの賛否」「導入された場合の効果」「導入された場合の影響」について聞きました。

約7割の人が「ホワイトカラー・エグゼンプション」に「賛成」

「賛成する」が34.8%、「どちらかと言えば賛成する」も34.8%で、合計約7割の人が「ホワイトカラー・エグゼンプション」に賛意を示しています。賛成する人からは、「労働時間の長さで成果を測ることに無理がある」「生産性向上につながる」など、現在の労働問題を解決する一つの手段として歓迎する声が多く挙がりました。一方で、反対する人の意見としては「長時間労働を招く」などが目立ちました。また、「総論賛成だが、『年収1000万円』では対象範囲が狭い」など同制度の条件に関して疑問視するコメントが「賛成する」人からも多く挙がり、全面的に賛成している人はそれほど多くない印象です。

■図表1 「ホワイトカラー・エグゼンプション」への賛否

「生産性向上」「成果に応じた正当な報酬」に期待

「ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入された場合の効果について聞いたところ、「効果はない」(23.5%)が最も多い結果となりました。「ホワイトカラー・エグゼンプション」に反対している人が「そもそも効果などない」と感じているようです。2番目に「業務の生産性が向上する」(21.2%)、3番目に「成果に応じた正当な報酬を従業員に与えることができる」(16.5%)が続きます。具体的な効果として何を期待しているかというと、「残業代稼ぎのために理不尽に残る社員が減る」「個々の社員の能力を正当に評価できれば、生産性の向上につながるはず」などの声が目立ちました。

■図表2   「ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入された場合の効果

「人事制度の改定」が必要、いかに成果を評価するかが課題になる

「ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入された場合の影響について聞いたところ、「人事制度の改定が必要になる」(40.0%)が最も多く、2番目が「長時間労働が増加する」(20.0%)で、この二つで過半数を超えました。「人事制度の改定が必要になる」と回答した人は、「透明性の高い評価制度が必要」「業務の進捗状況やプロセスを評価する人事制度に改定しなければならない」などのコメントを残しており、いかに成果を評価するかが課題と感じている人が多いようです。

■図表3 「ホワイトカラー・エグゼンプション」が導入された場合の影響
アンケートの回答結果はこちら→  http://jinjibu.jp/special/enq.php?fid=NJ-2014f

【調査概要】
調査対象  :全国のビジネスパーソン(経営者、管理職、人事担当者 など)
調査期間  :2014年9月16日~10月6日
調査方法  :WEBアンケートによる回収
有効回答社数:306社

企画・編集:『日本の人事部』編集部

Webサイト『日本の人事部』の「インタビューコラム」「人事辞典「HRペディア」」「調査レポート」などの記事の企画・編集を手がけるほか、「HRカンファレンス」「HRアカデミー」「HRコンソーシアム」などの講演の企画を担当し、HRのオピニオンリーダーとのネットワークを構築している。

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【用語解説 人事辞典】
高度プロフェッショナル制度
ホワイトカラー・エグゼンプション
国家戦略特区