企業研修、採用、評価、人材開発、労務・福利厚生のナレッジコミュニティ

【ヨミ】コッカセンリャクトック 国家戦略特区

「国家戦略特区」とは、第二次安倍政権が進める新しい経済特別区域構想のことで、地域を限定した大胆な規制緩和や税制面の優遇で民間投資を引き出し、“世界で一番ビジネスがしやすい環境”を創出するのが狙いです。2013年6月に特区創設が閣議決定され、12月に成立した国家戦略特別区域法では医療や雇用、農業など計六分野で規制の特例が認められました。いわゆるアベノミクスの“第三の矢”と呼ばれる成長戦略の中核として期待されていますが、一方で、焦点の一つである雇用や働き方に関する規制緩和については批判や抵抗が根強く、具体的な施策づくりに向けた議論の行方はいまだ不透明な情勢です。
(2014/2/17掲載)

国家戦略特区のケーススタディ

日本を世界一ビジネスしやすい環境に
雇用の“岩盤規制”まで踏み込めるか

2014年版の世界銀行の報告書によると、「ビジネスのしやすさ」において、日本の順位は27位まで下落し、1位のシンガポールをはじめ、米国(4位)、韓国(7位)にも水をあけられています。海外から日本への活発な投資や柔軟な人材移転を妨げるボトルネックのひとつは、“岩盤”とまで揶揄(やゆ)される各分野の厚い規制。世界で一番ビジネスがしやすい環境を創出するための「国家戦略特区」構想では、この岩盤規制をどこまで突き崩せるかが焦点といわれています。

なかでも議論の最大の的になっているのが、“雇用特区”を巡る規制への踏み込み具合です。政府は当初、特区内の企業と労働者の間で解雇の条件や手続きを事前に労働契約で決めておけば、解雇をめぐる裁判でも契約に基づいた解雇を有効とする解雇ルール緩和や、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプション(週40時間が上限という労働時間の規制を適用しない)の導入を探っていました。これに対し、野党や労働組合は「解雇特区だ」と激しく反発。厚生労働省も「世界的に見ても雇用ルールを特区だけで変更した例はない」と慎重姿勢を示したために、結局、抜本的な雇用規制の緩和は見送りに。現時点での改革メニューでは、外国企業向けに雇用ルールを明確にした雇用ガイドラインをつくり、「雇用労働相談センター(仮称)」を設置するなどの内容にとどまっています。

今年1月、政府は「国家戦略特区諮問会議」(議長・安倍晋三首相)を開き、国家戦略特区を指定する際の基準などを定めた基本方針案を大筋で了承しました。今後は、3月に予定されている特区指定に向けた地域選定作業を本格化させる運びで、産業の国際競争力を高める観点から、東京、大阪など大都市での導入が有力視される一方、地方都市をどう指定するかも検討課題として挙げられています。

すでに地方自治体や民間事業者など242団体が197件のプロジェクトを提案済みで、東京都は外国企業を誘致するために住宅整備や外国人向け医療サービスに関する規制緩和を、大阪府と大阪市は国際的な医療拠点づくりなどの構想を打ち出しています。

記事のオススメ、コメント投稿は会員登録が必要です

あわせて読みたい

エンプロイメンタビリティ
「エンプロイメンタビリティ」(employmentability)とは、「企業の雇用能力」を意味する用語です。雇用される側からみて魅力的な企業か、継続的に雇用されたいかといった価値に関する概念で、雇用主としての能力や優秀な人材をひきつける吸引力を表します。単に高報酬を保障できればいいということでは...
メンバーシップ型雇用
メンバーシップ型雇用とは、先に人材を確保し、後から仕事を割り当てる雇用のあり方を指します。終身雇用を前提とする日本の企業の多くは、メンバーシップ型雇用といえます。年功序列や終身雇用に見られるメンバーシップ型雇用は、これまで多くの日本の企業が取り入れてきた雇用形態です。これと対比されるのが、職務に応じ...
法定雇用率
「障害者の雇用の促進等に関する法律(障害者雇用促進法)」によって定められた割合。民間企業・国・地方公共団体に対し、それぞれの雇用割合が設けられており、それに相当する人数の身体障害者または知的障害者を雇用しなければなりません。

関連する記事

外国人を雇用している企業は過半数、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くに
人事担当者に外国人の雇用状況について聞いたところ、現在雇用している企業は過半数で、「さらに増やす」「今後雇用する」企業も半数近くであることがわかった。
2019/08/20掲載人事白書 調査レポート
「障がい者雇用」をめぐる最新動向と採用&労務管理上のポイント
本記事では、社会保険労務士の松山 純子氏が、「障がい者雇用」をめぐる現在の状況や採用方法、法定雇用率引上げに対する企業の対応などについて、詳しく解説します。
2013/05/20掲載人事・労務関連コラム
テレワーク導入率は44.8%。ワーケーションなど多様化の兆しはこれから
『日本の人事部 人事白書2020』から、テレワークの導入・活用状況の調査結果を紹介します。
2020/07/07掲載人事白書 調査レポート

関連するQ&A

障害者の雇用
障害者を雇用する際の留意点を教えて下さい。 また、助成金などについても併せて教えて下さい。 当社は、小売業です。 現在、雇用率0.6%です。
外国人労働者の雇用について
外国人の方を雇い入れる際の注意事項を教えてください。 また、正社員雇用に限らずアルバイトの雇用の際も同様となるのでしょうか?
定年再雇用の勤務時間について
対象者から週5日9:00~16:00の時間帯での勤務希望が出て来たのですが、週5日9:00~17:30の時間帯であれば再雇用は出来るが、そうでなければ再雇用出来ないと言う事は可能ですか?宜しくお願い致します。
新たに相談する
相談する(無料)

「人事のQ&A」で相談するには、『日本の人事部』会員への登録が必要です。

新規登録する(無料) 『日本の人事部』会員の方はこちら
業務に関するちょっとした疑問から重要な人事戦略まで、
お気軽にご相談ください。
各分野のプロフェッショナルが親切・丁寧にお答えします。

関連するキーワード

分類:[ 雇用 ]

注目のキーワード解説をメールマガジンでお届け。

「よくわかる人事労務の法改正」ガイドブック無料ダウンロード

50音・英数字で用語を探す

注目コンテンツ

【人事の日制定記念企画】
オピニオンリーダーからのメッセージ

HR領域のオピニオンリーダーの皆さまから全国の人事部門に向けてメッセージを頂戴しました。


人事メディア情報

人事メディア情報

人事・労務関連の代表的なメディアをご紹介いたします。