就業規則の作成に関して
今回、異なる業種・業態の企業がJVとして新会社を設立することになりました。設立年月日は7/1を予定していますが、現在、人事労務を担当し、新会社の就業規則の準備に入ろうとしています。これにあたっての質問となります。
宜しくお願いいたします。
・新会社は2つの企業からすべて出向者として人を集めて設立します。
・新会社設立後も暫くは当該会社でプロパー採用は想定しておらず、暫くは出向者のみで従業員を構成していく予定です。
この際、新会社の就業規則を策定するにあたって、抑えるべきポイントなどがありましたら教えてください。
双方からの出向者で構成する以上、従業員は出向元の就業規則によるところが殆どかとは思いますが、現行の両社規則から「良いところ取り」も一部考えており、「現行基準で準用、スライドすること」「現行基準をもとに新基準で
新たに取扱を上方修正すること」、「内規のような形で別枠で定めること」これらをどのように記載、体裁として整理していくべきなのか、この辺りについてご回答頂けると助かります。
投稿日:2025/04/18 15:47 ID:QA-0151232
- ろうむかんりさん
- 東京都/不動産(企業規模 10001人以上)
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プロフェッショナル・人事会員からの回答
プロフェッショナルからの回答
回答いたします
まず、前提として、出向社員に適用される就業規則は、原則、
就業環境に該当する部分については、出向先企業の就業規則が適用されます。
具体的には、始業・終業時刻、労働時間、休日、安全衛生、災害補償
などが該当いたします。(あくまで原則であり、出向契約にもよります。)
一方、就業環境に該当しない部分は、労働契約上の地位に関するものがあり、
具体的には、賃金・定年、退職金、解雇などが該当いたします。
前置きが長くなりましたが、JV・PMI・M&Aなどの会社統廃合が生じる際の
規程整理としては、以下で進められることが多いです。ご参考までに。
端的に表現しますと、様々な要素を含んだ、マトリクス表の作成です。
ポイントとしては、全ての情報が一元的に見える化できている状態を
まずは作ることです。
1.同類の事項について、関与会社の会社規程の比較表を全て作成
こららは風呂敷を一旦、広げてみるという意図での見える化対応の初手です。
2.上記1.比較表を参考にしながら、まずは、理想の規定を基準値として定める。
3.その上で、従業員側のメリデメ(出向元会社別)・会社側のメリデメを
コンプライアンス観点も踏まえながら、追記していきます。
一旦、マトリクス表に整理するのは、ここまでで宜しいかと思います。
4.上記3を鑑み、一旦、ドラフトの会社規程案(仮の精査後案)を作成します。
5.上記4のドラフト会社規程案より、内規にするもの・しないものを選別します。
上記を進めていく中で、出向元の会社規程と比較し、社員の不利益となる点も
見えてきます。その場合は、出向元会社との調整が必要となるケースも多く、
社員への丁寧な説明も求められます。
調整事項の洗い出しは多岐に渡ることが多い為、確実な対応遂行を確認する為、
タスク管理表を用いるなど、進捗管理が追える環境を整える必要があります。
投稿日:2025/04/18 17:34 ID:QA-0151235
相談者より
ご回答ありがとうございました。助かりました。
投稿日:2025/04/18 17:55 ID:QA-0151236大変参考になった
プロフェッショナルからの回答
お答えいたします
ご利用頂き有難うございます。
ご相談の件ですが、出向者であっても御社と雇用関係に有る労働者である事に変わりございませんので、常時10人以上の出向者が勤務されているという事でしたら、就業規則の作成義務が生じます。それ故、内規等で簡単に済ませる事は認められません。
そして、現状は出向者のみであっても将来的に直接採用の可能性も有りえるという事でしたら、出向元での処遇等も参考にされた上で現段階できちんとした就業規則を整備されるべきといえるでしょう。
投稿日:2025/04/18 21:18 ID:QA-0151244
プロフェッショナルからの回答
ご質問の件
出向者の場合、働くのは出向先になりますので、
労働日、労働時間、休憩、休日は出向先の就業規則とするのが、
通常です。解雇等身分関係については出向元の就業規則となります。
特に2つの企業から出向者がいるのであれば、
出向先の規定を明確にしておく必要があります。
投稿日:2025/04/23 14:35 ID:QA-0151365
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