労働契約法に基づく「無期転換ルール」への対応について(厚生労働省)
~厚生労働省では、各企業における無期転換ルールへの対応に向けた準備を呼びかけています~
(1) 無期転換ルールについて
労働契約法の改正により有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって企業などの使用者が無期労働契約に転換しなければならないルール (無期転換ルール)が導入されています。
有期労働契約で働く人の約3割が、通算5年を超えて有期労働契約を繰り返し更新している実態にあり、その下で生じる雇止めの不安の解消が課題となっています。
無期転換ルールは、こうした問題に対処し、働く人が安心して働き続けることができる社会を実現するためのものです。
(2)無期転換ルールの導入に向けた準備
「無期転換ルール」を定めた改正労働契約法が平成25年4月1日に施行されてから3年目を迎え、通算5年をカウントする場合の折り返し時期にあたるところです。
このような中、無期転換が円滑に進むよう、厚生労働省から労使の皆様へ「無期転換後の労働条件のあり方について、労使であらかじめよく話し合い、就業規則や労働契約書などに規定しておくこと」について呼びかけています。
特に、先進的な「取組事例」についての情報発信や、「キャリアアップ助成金」による事業主への支援を行っています。
※無期転換ルールの導入支援策の詳細は、以下に記載しています。
(3)無期転換ルールの導入にあたってのお願い
無期転換ルールの導入は、労働者の雇用の安定を図ろうとするものですが、このルールの導入に伴い、有期契約労働者が無期労働契約への転換前に雇止めとなる場合が増加するのではないかとの心配があります。
このため、雇用の安定がもたらす労働者の意欲や能力の向上や、企業活動に必要な人材の確保に寄与することなど、無期転換がもたらすメリットに ついても十分にご理解いただき、雇止めの判断に当たっては、その実際上の必要性を十分慎重に検討のうえ、御対応いただくようお願いします。
(4)無期転換ルールの特例として高年齢者等に対する特例が設けられています
無期転換ルールには、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」 により特例が設けられています。
この特例には、定年後引き続き雇用される有期雇用労働者等に対する特例が設けられており、平成27年4月1日~6月30日までの間に全国の都道府県労働局で585件の認定を行っています。
【1】「無期転換ルール」の導入支援策
○支援策1・・・先進的な「取組事例」の情報発信
積極的に無期転換への取組を行っている先進的な取組事例を厚生労働省Webページへ掲載し、企業の皆様・労働者の皆様の参考にしていただいています。
・ 有期契約労働者の円滑な無期転換のために(厚生労働省Webページに掲載)
○支援策2・・・キャリアアップ助成金
厚生労働省では、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正 規雇用の労働者の企業内でのキャリアアップなどを促進するため、正規雇用等への転換、 人材育成、処遇改善などの取組を実施した事業主に対する助成制度として、キャリアア ップ助成金制度を設けています。
(キャリアアップ助成金の活用に当たっての要件等については、以下のWebサイ トで確認いただけます。)
・キャリアアップ助成金(厚生労働省Webページに掲載)
(参考)「無期転換ルール」自体の詳しい説明について
・厚生労働省Webページ
(1) 労働契約法の改正について~有期労働契約の新しいルールができました~
(2) 労働契約法改正のポイント
(3) 有期契約労働者の円滑な無期転換のために
【2】無期転換ルールの特例
○無期転換ルールの特例
専門的知識等をもつ有期雇用労働者や定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者の能力の有効な発揮と、活力ある社会の実現を目指す観点から、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(有期雇用特別措置法)が、平成27年4月1日から施行されました。
この特例を受けるためには、専門的知識等をもつ有期雇用労働者や定年後引き続いて雇用される有期雇用労働者について、雇用管理に関する特別の措置に関する都道府県労働局長の認定を受ける必要があります。
○無期転換ルールの特例に関する認定件数
(1) 都道府県労働局長による 認定件数:585件
(平成27年4月1日~同年6月30日まで)
平成27年4月/平成27年5月/平成27年6月
計:116 件/202件/267件/585件
(2)都道府県労働局別認定件数(上位5労働局)
[1] 東京労働局 145件
[2] 静岡労働局 79件
[3] 大阪労働局 63件
[4] 愛知労働局 55件
[5] 神奈川労働局 21件
参考 リーフレット「ご存じですか?「無期転換ルール」」 ~準備を始めましょう、就業規則の見直しや規定の整備~ (PDF:227KB)
【照会先】
労働基準局 労働条件政策課
課長 村山 誠
労働条件政策推進官 武田 康祐
中央労働時間改善設定指導官 大屋 勝紀
(代表電話) 03(5253)1111(内線5530、5545)
(直通電話) 03(3502)1599
◆ 詳しくはこちらをご覧ください。
(厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp// 7月30日発表・報道発表より転載)