マンパワー雇用予測調査:2015年第3四半期(7-9月期)結果発表
今後3ヵ月の雇用意欲は、2008年第1四半期以来の最高値
業種別では「製造」前年比14ポイント増、「運輸・公益」が13ポイント増
総合人材サービスのマンパワーグループ株式会社(本社・神奈川県横浜市、取締役代表執行役社長:池田 匡弥、以下マンパワーグループ)は、2015年第3四半期(7-9月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を6月9日付で発表します。調査結果は「2015年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワーグループが四半期ごとに世界42ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。
今回行った調査では、東京・大阪・名古屋の企業1,194社から回答を得ました。その結果、季節調整後の純雇用予測は、前四半期2ポイント増の23%、前年同期比6ポイント増となり、6年間にわたる緩やかな回復を経て、2008年第1四半期以来の最高値を記録。企業の雇用活動は引き続き好調の見込みです。また、マンパワー雇用予測調査は、地域別(東京、大阪、名古屋)で調査を行うと共に、業種別(7業種*)での調査も行っています。地域別の純雇用予測は、東京が+24%と最も高い数値を記録しています。
業種別で見ると、7業種全てにおいて来四半期に向け増員を予定していることがわかります。前四半期から純雇用予測が増加しているのは4業種(「金融・保険・不動産」、「製造」、「運輸・公益」、「卸・小売」)で、「鉱工業・建設」も前年同期比からは増加しているため全体的に企業の雇用意欲は堅調だといえます。もっとも高い数値を記録しているのは、「鉱工業・建設」の35%と、なっています。前年同期比では若干減少している「公共・教育」、「サービス」は、前四半期比では安定して推移しています。
*純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。
*季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しており、全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしています。
*7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」
【 調査結果 】2015年第3四半期(2015年7-9月期)
【純雇用予測は23%と、2008年第1四半期以来の最高値を記録】
2015年第3四半期の純雇用予測(季節調整後)は、前四半期比2ポイント増、前年同期比6ポイント増の23%と、高い値を示しています。全体の内訳は、1,194社からの回答のうち従業員を「増員する」と回答した企業が23%、「減員する」との回答は、3%、「変化なし」が53%でした。従業員を「増やす」と回答した企業の割合は、前四半期比で10ポイント減少しているものの、全体的な雇用意欲は引き続き好調であることがわかります。
(注:2008年第3四半期より「TRAMO-SEATS」法を採用しており、遡及改定を行っているため、過去のデータが変動しておりますので、ご了承下さい)
【地域別では東京・大阪・名古屋で前四半期から大幅な変化はないが、堅調】
地域別の純雇用予測(季節調整後)は、3地域全てにおいてプラスの値となりました。雇用意欲が最も高い東京の純雇用予測は+24%、大阪と名古屋はそれぞれ+21%、+20%です。
【業種別では7業種全てにおいて来四半期に向けて増員傾向、「鉱工業・建設」が最高値を記録】
業種別の純雇用予測(季節調整後)は、7業種全てにおいてプラスの値となっています。純雇用予測は、「鉱工業・建設」が+35%と雇用意欲が最も高い結果でした。「運輸・公益」では+26%と強固な値を示しています。「金融・保険・不動産」、「製造」、および「サービス」の3分野が、+25%と、いずれも好調な雇用活動が予測されます。「卸・小売」は19%で全四半期/前年同期比より微増、雇用意欲が最も控えめな値は、前期に引き続き「公共・教育」で、+5%となっています。
【世界の結果 :各国・地域の雇用ペースに差があり、全体的な勢いは全四半期・年前同期より鈍化】
2015 年第3 四半期の純雇用予測は、おおむねプラスとなっています。42 カ国・地域のうち40 カ国・地域で、程度の差はあれども、来四半期に増員が予測されています。しかしながら、ほとんどの国・地域の値が来四半期の雇用意欲の上昇を示しているにもかかわらず、調査結果からは、各国・地域の雇用ペースにはバラつきがあることが読み取れ、全体的な雇用の勢いは、前四半期および前年同期よりもやや鈍化すると予測されます。純雇用予測は、前四半期比では11カ国・地域で増加しており、22カ国・地域で減少しています。前年同期比では、15カ国・地域で増加し、23 カ国・地域で減少しています。来四半期の雇用意欲が最も高いのは、台湾、インド、日本、香港、米国です。反対に、雇用意欲が最も低いのは、イタリアとブラジルで、いずれもマイナスの値となっています。
<マンパワーグループ株式会社 取締役代表執行役社長 池田 匡弥からのコメント>
厚生労働省が2015年5月29日に発表した4月の全国有効求人倍率(季節調整値)は、1.17倍と、23年1カ月ぶりの高い数値となりました。2015年第3四半期のマンパワー雇用予測調査の結果も、今後3ヵ月間の日本の純雇用予測は+23%と、業種別の比較でも7業種すべてがプラスとなっています。 また、2015年5月17日に発表した当社調査の「Talent Shortage Survey (人材不足に関する調査)」では、世界で最も人材が不足している国は日本という結果になりました。労働人口の減少に加え、経営環境の変化により、求められるスキルも変化していることが、一部の職種・業界における慢性的な人材不足を引き起こしています。このような調査結果を基に、各企業は経営の要である人材の配置についてより戦略的な対応が求められています。
マンパワーグループは、今後も変化する労働市場のニーズに対応し、人材派遣、人材紹介やアウトソーシング、再就職支援、タレントマネジメントなど複合的な人材サービスの提供をすると共に、働きたいと考える人々のキャリア形成を推進することで、雇用機会の創出を進めて参ります。
【調査概要】
調査時期 : 2015年4月26日~4月27日
調査対象 :東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長
(1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売
質問内容 :「2015年7-9月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2015年4-6月)と比べてどのような変化がありますか?」
調査方法 :次のいずれかの方法で回答を収集。(1) 電話による聞き取り (2) 電子メールによるアンケート
有効回答数:日本国内1,194社、世界42カ国・地域では約59,000の公的機関・民間企業
誤差の範囲:調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±3.9%以内です。
調査の歴史:45年以上の歴史をもつ当調査は、世界で最も信頼されている雇用予測調査の一つです。1962年に米国およびカナダで開始し、2003年には、日本を含む世界13ヵ国・地域が調査に参加することとなりました。その後も、参加国は増え続け、現在では42ヵ国・地域で調査が行われています。
※次回のマンパワー雇用予測調査(2015年第4四半期)の結果発表は、2015年9月8日の予定です。
【この件に関するお問い合わせ先】
[会社名]マンパワーグループ株式会社
[部署名]広報室
[担当者名]田村
[TEL]03-6860-6037
[Email]kouhou@manpowergroup.jp
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(マンパワーグループ株式会社 http://www.manpowergroup.jp/ /6月9日発表・同社プレスリリースより転載)