パソナが団塊世代の意識調査
“セカンドライフ”と“セカンドキャリア”
いわゆる「団塊の世代」と呼ばれる1947〜1949年生まれの人々。戦後に生を受け、日本の高度成長を支え、それぞれのライフステージで常に新しい時代を切り開いてきた彼らが60歳に達し、大量定年退職が始まる「2007年」がいよいよ迫ってまいりました。
また、厚生年金の支給年齢が段階的に引き上げられるのに伴い、今年4月1日には「改正高齢者雇用安定法」が施行され、企業にも65歳までの段階的な雇用延長が義務付けられるようになりました。
パソナでは、1976年の創業以来「人」に関するさまざまな問題点の解決にチャレンジしてまいりました。今春創業30周年という大きな節目を迎え、今年2月25日に団塊世代を主な対象とする職博『キャリア世代のチカラ〜NEXT STEPへの挑戦〜』を開催し、約1,600名の方々にご来場いただきました。
そこで当日、作家・堺屋太一氏講演会『団塊の世代〜黄金の10年が始まる〜』にご参加いただいた方々を対象にアンケート調査を実施し、キャリア世代の定年退職後の「第二の人生」に対する意識を探りました。
【 まとめ 】
■ 定年後は「新しいことにチャレンジしたい」、「今の会社で働きたい」はわずか13%
『定年退職後も現在の会社で働きたいですか』との問いに「はい」と答えた人はわずか12.8%に留まり、53.2%の人が「いいえ」と答えた。「改正高齢者雇用安定法」の施行により、企業にも雇用延長が義務付けられるようになったが、定年後も引き続き同じ会社で働きたいと考える人は意外に少ないようだ。このことからも、団塊世代の旺盛な就労意欲に応えるためにも、企業の枠を超えた雇用インフラや流動インフラ、また多様な就労形態の整備などが必要であると言えるだろう。「いいえ」と答えた人に理由を尋ねたところ、「新しいことにチャレンジしたい」「後進に道を譲るため」、「働く場所を変えたい」などの意見が多かった。
■ 定年後の雇用形態 「正社員」は13.2%、「組織に縛られることなく、自由に働きたい」
『定年後に希望する就業形態』を尋ねたところ、「正社員」は13.2%に留まり、「契約社員」(25.0%)、「フリーランス・個人事業主」(23.5%)、「独立・起業」(18.4%)、「派遣社員」(8.8%)と続き、組織に縛られることなく、自分のスキルや経験を頼りに、自律的に働こうとする姿勢がうかがえる。
■ 幸せなセカンドライフに必要なのは、「健康」と「生きがい」と「家族・仲間」
『定年後の人生を幸せに生きるために必要なもの・大切なものは何だと思いますか』との 問いには、「健康・気力・体力」(30.7%)がトップに挙げられ、「夢・志・希望・目標」、「趣味」、「社会貢献」など“生きがい”につながるものが約30%とトップとほぼ同数となり、それに「家族、友人・仲間」が続いた。日本のキャリア世代は、人生80年時代を幸せに生きるために必要なものは、「健康」と「生きがい」と「家族・仲間」であると考えているようだ。
■ 定年後の計画・目標がある人は約半数。3人にひとりが「仕事を続ける」
すでに、定年退職後の計画や目標のある人とない人が約半数ずつに分かれた。具体的な計画や目標としては、ほぼ3人にひとりの割合で「仕事を続ける」(30.3%)と答え、それに「社会貢献活動・地域貢献活動」(20.8%)、「趣味や旅行を楽しむ」(15.6%)、「海外・田舎暮らし」(14.6%)と続いた。このことから、趣味などでリタイア生活をエンジョイしようとする人よりも、引き続き社会的に現役であろうとする人が多いことがうかがえる。
■ 「気力・体力が続く限り働きたい」が47.8%。うち7割が期限の限りなく働きたい
『いつまで働きたいですか』との問いには、「気力・体力が続く限り」が47.8%と半数近くを占め、「年金支給開始まで」が23.0%でそれに続いた。仕事を続けたいと考える人のうち70%強は、期限の限りなく働きたいと考えており、働き続けることへの強いこだわりがうかがえる。
■ 定年後も働く理由は「社会的に現役であること」、「自己実現」のため
「定年後も働くことを希望する理由」を尋ねたところ、「社会的に現役でいたい」(20.8%)、 「社会に貢献したい」(20.0%)などの回答が約4割となり、「キャリアやスキルを生かしたい」(13.0%)、「働くことが生きがい」(6.9%)などが約20%と続いた。キャリア世代にとって、社会的に現役であることや、仕事などを通じた自己実現などが、生きる上でより大きな意味を持つことが読み取れる。
【調査結果から】
今回の調査で浮かび上がってきたのは、「気力・体力が続く限り働きたい」、定年後は「組織に縛られることなく自律的に、新しいことにチャレンジしたい」というキャリア世代の旺盛なチャレンジ精神です。また、長年「会社人間」として生きてきた彼らにとって、定年後も社会的に現役であり続け、仕事などを通じて自己実現することが、人生80年時代を生きていく上で非常に大きな意味を持つようです。
少子化が進む中、今後、労働市場においても、経済市場においても、その活力が日本経済を左右すると言っても過言ではない彼らが、いきいきと心豊かに活躍するために、その“セカンドライフ”と“セカンドキャリア”をサポートする多様なインフラが求められます。
■ 詳しくは、同社ホームページまで。
(パソナ http://www.pasona.co.jp//同社プレスリリースより抜粋・4月10日)