ヘイズ、2013年 10-12月期の採用動向を発表
人材紹介会社のヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、リージョナル・ディレクター、ジョナサン・サンプソン、以下ヘイズ・ジャパン)は、2013年10月から12月までの採用動向予測をまとめたレポートを発表しました。これによると、ファイナンス・コントローラー、オフィス・マネージャー、ウェブ/スマートフォン・アプリケーション開発者など3専門分野で人材流動による採用活動が活発化しています。また、4月の新会計年度以降、新しい職種で人材ニーズが増えていますが、全般に離職者の補充を目的に採用を行っていることがわかりました。
ヘイズ・ジャパンのリージョナル・ディレクター、ジョナサン・サンプソンは次のように述べています。「転職希望者と人材募集数のバランスは全体に良好な状況が続いており、12月以降も人材市場では活発な採用が進むものと見ています。もし年内に予算削減があっても人材が必要とされれば、派遣社員や契約社員が増加すると思われます」。
「人材募集数は多いのですが、現在の好況が長期的に続くのか不安視している企業は、人材補充について様子見を続けており、採用決定までの期間が長期化しています。そのため、候補者は採用決定通知を早く出した企業に魅力を感じ就職してしまうので、企業間の厳しい人材競争が続く結果となり、採用決定が遅い企業は優秀な候補者を逃してしまうリスクがあります。その上、競争が激しいため多くの候補者は複数の採用通知を受け取る場合があるので、契約金、その他のボーナスなどを用意する企業もあります」。
当期に採用ニーズが高まると予想されるのは次のような専門分野です。
●財務計画立案・分析マネージャー(FP&A マネージャー):
日本では特にこの分野が拡大しており人材不足が目立ちます。特にバイリンガルの分析専門家に高い需要があります。
●財務コントローラー / 財務ディレクター:
候補者は多いものの、企業側は候補者の当該業界での経験や特定の技能・スキルを求めています。
●バンキング・オペレーション:
内国為替取引制度(全銀システム)を利用する外資系企業が増加している他、最近の制度改変によりこの分野の人材ニーズが高まっています。
●FX セールス:
日本経済への信頼感と強い円を背景に、一年を通じて企業、団体の為替セールス担当者に高い人材ニーズがあります。
●外国で弁護士登録をしているアソシエイト・アトーニー:
大手の国際法律事務所のほとんどが、英語、日本語のバイリンガルで、アメリカ、イギリス、オーストラリアのうちどれかの国の法曹資格を有し、日本か外国の大学の法学部を卒業したジュニア(資格取得後0-3年の経験者)または、ミッドレベル(資格取得後3-8年の経験者)のアソシエイト・アトーニーを求めています。日本における外国法事務弁護士の資格取得のためには、法曹資格を得た国で最低2年の法曹業務経験が必要なので、アソシエイトを採用した後、そのアソシエートを法曹資格を得た国に送り業務経験を積ませる企業もあります。
●弁護士:
外国の法律事務所では企業のビジネス・トランスアクションが増え、それに伴う国内訴訟案件のサポートのため日本の法曹資格を有する弁護士を採用しています。外資系弁護士事務所は、キャリア開発の一環としてそれらの多くの弁護士を米国の法学修士号(LLM)を取得させるため渡米させています。日本の法曹資格を有する弁護士は、日本の法律を熟知している必要のある企業弁護士としても高い需要があります。
●エグゼクティブ・セクレタリー:
様々な異なる分野の企業で、日本人・外国人役員の通訳、翻訳を日常業務の中で行えるバイリンガル人材を求めています。
●オフィス・マネージャー:
日本で新規にビジネスを立ち上げる企業で高いニーズがあります。日本で成功を収めている中小企業で、総務と秘書の両業務を行える人材を求めています。
●ITマネージャー/ディレクター:
企業がITシステムを ビジネスにあった形により近づけるための施策を進めていることから、ライフ・サイエンス、小売、サプライ・チェーン、テクノロジー関連においてITマネージャー/ディレクターの需要が高いです。この分野では主にテクノロジー開発の豊富な経験を有し、ビジネスや企業全体に変革をもたらすクリエイティブなITマネージャーが求められています。
●ウェブサイトおよびスマートフォン向けアプリケーション開発者:
多くの外資系企業が新しいウェブサイトやスマートフォン向けアプリケーションを開発したことによりJavaやObjective C関連のプログラミング言語やツールのスキルを持った候補者の高い需要が見られます。これらの開発経験を5年以上有し、国内外での勤務経験を持ったやる気のある候補者が求められています。
●ネットワーク– ユニファイド・コミュニケーション:
全ての業界においてより効率的なビジネスコミュニケーションが求められる中、ユニファイド・コミュニケーション関連のテクノロジーが求められています。それにより、シスコIP テレフォニー、マイクロソフトLyncサーバーの豊富なスキルを持った候補者がネットワーク・ベンダーや企業の間で求められています。
●人事担当者(地方都市):
外資系企業が日本全国に業務を拡大していることを受け、大都市以外で働くバイリンガルで経験豊富な人事担当者の獲得が難しくなっています。よって地方への転勤が可能な候補者は有利と言えるでしょう。
●CRA(クリニカル・リサーチ・アソシエイト):
継続的に幅広い分野における新薬が発売される中、CRA への需要は引き続き高いままです。中でも臨床実験観察を行う、またサポートするCRA が求められています。現在臨床実験観察を必要とする薬は増加しており、それによりCRA の需要も高くなっています。
●メディカル・アフェアーズ :
製薬会社は新薬の市販前に当該新薬の知名度の向上とキー・オピニオン・ドクターへの認知をはかります。このようなニーズから、新薬の開発から市販に至るまでのコーディネートを行うメディカル・アフェアーズおよびメディカル・サイエンス・リエゾンと呼ばれる臨床研究及び臨床開発のスペシャリストが人気です。
●アプリケーション・サポート:
ファイナンス・テクノロジーの分野では景気の回復とマーケットの改善に伴い、ビジネスの拡大がみられます。その結果、以前縮小されたサポートチームでは主に株式と債券部門の人員の拡充が必要となっています。またテクノロジー・ベンダーもビジネスが増加しており、クライアントと直接接するサポート・スタッフの需要が高いです。
●ビジネス・アナリスト:
金融規制の変更、新たなシステムの導入により、多くの金融サービス機関でフロント、ミドル、バック・オフィスにわたって、ビジネス・アナリストを追加しています。ビジネス・アナリストの業務にはテクニカルなスキルやプロジェクト管理などが幅広く含まれることもあり、その結果企業側には雇用する転職者を必要に応じてよりフレキシブルに配置できるという利点があります。
●アクチュアリー :
シニア・レベルでは競争率が高いものの、ジュニア・レベルではまだまだ需要が高い分野と言えるでしょう。7-9月期、保険業界ではいくつかの合併・統合がありました。よって今後はシニア・レベルの候補者が増えると見込まれます。
●ファシリティ・マネージャー:
BCP (事業継続計画)、危機管理、機械工学、電気工学の知識と経験を持ったマネージャー・クラスの人材が求められています。またベンダー対応や管理を行う人材も需要が高いです。
●コンストラクション・マネージャー:
商業ビル、工業ビルをはじめとするさまざまな用途のビルやマンションの建築経験のあるコンストラクション・マネージャーの需要が高いです。
●デジタル・マーケティング・マネージャー:
インターネットは私たちの日常に欠かせないツールになっており、オンラインでの広告、キャンペーン、プロモーションを活発に行う企業ではデジタル・マーケティング・マネージャーを求めています。
●顧客リレーションシップ・マネージャー:
企業では短期ではなく中長期にわたって関係を継続できる顧客作りに注力しています。その実現に向けて、既存顧客との関係を維持し、そして新規顧客も開拓できる顧客リレーションシップ・マネージャーの需要が高いです。
●間接購買担当者:
日本では比較的新しい職種である間接購買担当者の需要が高いです。現在、コスト削減がグローバルなビジネスにおいて必須条件である中で、購買の大部分は企業内(インハウス)で行われています。能力の高い間接購買担当者は短期的にも長期的にもコストの最適化をはかれる人材です。
●電気/電子部品調達担当者:
アベノミクスの効果もあってか日本の製造業は本格的にグローバルマーケットに進出しようとしています。それに伴い、日本の主要製造企業の株価は急速に上昇しています。そしてこの波に乗ろうと部品調達担当者の採用を活発化させているようです。
ヘイズ・ジャパンは、毎年4回(4月、7月、10月、1月)採用動向をレポートにまとめて発表しています。レポート全文はヘイズ・ジャパンのウェブサイトからご確認いただけます。
(ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン株式会社 http://www.hays.co.jp/ /10月17日発表・同社プレスリリースより転載)