産労総合研究所、第35回 教育研修費用の実態調査
従業員1人当たりの教育研修費用額は対前年度比で6.2ポイント増加
職種・目的別研修では営業社員・販売員教育が昨年より10.6ポイントも増加
定期刊行誌「企業と人材」を刊行するシンクタンク機関の株式会社産労総合研究所(東京都千代田区、代表 平 盛之)では、1976(昭和51)年以降、今回で35回目を数える「教育研修費用の実態調査」を行い、その調査結果を公表いたしました。
景気動向に敏感に反応せざるを得ない企業の教育研修費用は、採用の最盛期であったバブル期の1991年には、1人あたりの最高額である4万3,217円を記録したものの、景気の波を受け増減を繰り返して来ました。
今回の調査での企業の経営状況をみてみると、昨年は増収企業(「増収増益」と「増収減益」企業の合計)が、23.8%だったのに対し、今回の調査では、58.9%となっており、昨年よりも約2.5倍となっています。
これに比例するように、2010年度と2011年度の研修予算の増減状況について、「増加」と答えた企業が前回にくらべて26.7ポイントも上昇。ただし、103年先については「増加」はほぼ前年並みとなり、「現状維持」にとどまっていることから、将来に向けた積極的な教育投資を行えるほどには経営状況は回復してない、あるいは先の見通しがみえないという現状が読み取れます。
従業員1人当たりの教育研修費用額は、2010年度実績3万6,797円で、対前年度比で6.2ポイント増加。教育研修費用の面からも2008 年のリーマンショックや 2010年のギリシャ危機に端を発した経済危機もようやく回復の兆しが見え始めてきました。
■ 調査要領
調査対象 : 本誌読者から任意抽出した 3,560 社
調査時期 : 2011 年7月上旬~下旬
調査方法 : 郵送によるアンケート方式
集計方法 : 回答のあった 79 社(2.2%)
(うち、製造業31社、非製造業48社/1000人以上34社、999人以下45社)
■ 調査結果ハイライト
・従業員1人当たりの教育研修費用額は、2010年度実績3万6,797円で、対前年度比で6.2ポイント増加。
・階層別研修では、新入社員向け研修は昨年に引き続き実施率第1位。
職種・目的別研修では営業社員・販売員教育が昨年より10.6ポイントも増加。
・東日本大震災の影響で2011年度に予定されていた教育研修計画については、
何らかの変更があった企業は全体の3分の1。
※ 調査の全データは「企業と人材」2011年10月号にて、掲載しています。
(株式会社産労総合研究所 http://www.e-sanro.net/ /10月20日発表・同社プレスリリースより転載)