新卒採用市場にようやく薄日差す 採用見込み「増加」が「減少」の約2倍に
~ディスコ 『採用活動に関する企業調査』(2011年2月)結果より~
就職情報会社・株式会社ディスコ(本社:東京都文京区、代表取締役社長:夏井丈俊)は、全国の主要企業14,488社を対象に、2012年3月卒業予定者等の採用活動に関する企業調査を行いました(調査時期:2011年2月16日~24日、回答社数:943社)。
2012年3月卒業予定者の採用見込みについては、前回調査(2010年10月)の時点でわずかながら回復の兆しが表れていましたが、今回の調査でも「増加」が「減少」の2倍近く上回る結果が得られました。(別紙図表1参照)
1.2012年3月卒業予定者の採用見込み
2012年度の新卒採用について聞いたところ、全属性の総合では、11年度の採用予定数に比べ「増減なし」が44.1%で半数近くを占めるものの、「増加」が19.6%と、「減少」の10.4%の2倍近くに上りました。「採用予定なし」との回答は前年並みでしたが、新興国需要など製造業を中心とした業績回復とともに、新卒採用市場にもようやく薄日が差してきたといえそうです。
2.2011年3月に卒業する既卒者(就職浪人)への対応
政府の要請等を受け、各企業で検討が進められている「卒業後3年以内既卒者の新卒扱い」。この3月に卒業する既卒者への対応方針を聞いたところ、全体で45.6%の企業が「新卒(2012年3月卒業予定者)と同等に対応」と回答しました。その他条件付の企業も足し合わせると、56.4%の企業が新卒として受け付けている結果となりました。(別紙図表2参照)
3.日本人留学生(正規留学)の採用見込み、2012年度は2011年度実績の1.5倍
2011年度(2011年4月~2012年3月入社)に日本人留学生(正規留学)を「採用した」企業は、予定を含め全体の14.5%でした。2012年度(2012年4月~2013年3月入社)の見込みについては、「採用する」企業が21.7%と1.5倍に増加します。従業員規模別にみると、1,000人以上の大手企業では、その割合が37.3%と、4割近くに達しています。外国人留学生採用がクローズアップされていますが、“グローバル人材”としての日本人留学生にも注目が集まっているといえそうです。(別紙図表3参照)
4.積極的に採用したい留学経験地域、1位は「アメリカ合衆国」
また、積極的に採用したい日本人学生の留学経験地域(交換留学を含む)について聞いたところ、1位は「アメリカ合衆国」(80.5%)、2位「中国」(72.3%)、3位「英国」(50.2%)でした。以下、「その他東南アジア」(シンガポールを除く、46.8%)、「カナダ」(44.6%)と続きます。米英の大学で高度な教育を受けてきた人材を求める企業が依然として多い一方、中国や東南アジアなど、新興国への進出やビジネス展開を視野に入れた企業の人材事情が反映されているといえそうです。(別紙図表4参照)
《 『採用活動に関する企業調査』
~2012年3月および2011年3月卒業予定者の採用活動に関する企業調査<2月調査>~概要 》
調査対象 : 全国の主要企業 14,488社
調査方法・期間 : インターネット調査法 2011年2月16日~24日
回答社数 : 943社
調査機関 : 株式会社ディスコ 調査広報室
株式会社ディスコ http://web.disc.co.jp/ /3月9日発表・同社プレスリリースより転載