レジェンダ・コーポレーション
2011年の就活実態調査のトレンド分析 Vol.1
戦略的な採用業務をサポートする採用コンサルティング会社レジェンダ・コーポレーション(東京都新宿区、藤波達雄・代表取締役社長)は、5,267名の大学生・大学院生から2011年度の新卒の就職活動状況を調査、また74社の企業の人事採用担当者から新卒採用活動状況を調査しました。(両調査とも期間は、2010年5月13日(木)〜5月19日(水))
その結果によると、学生の就職活動費用(※1)は全体平均で98,427円と昨年比109.5%となりました。また、都市圏(※2)の学生の就職活動費用は89,765円である一方、それ以外の地方学生は129,869円と4万円以上の乖離があり、地方学生の半数以上が交通費を負担と感じていることがわかりました。
企業は採用活動にかける予算を削減しており、地方での説明会開催を控える傾向が見られ、学生の説明会参加企業数は増加しています。ここから、地方学生は費用をかけてでも遠方の都市圏で開催される説明会に参加している様子が伺えます。
※1) 毎月の食費、生活費等は除いた純粋に就職活動関連に使った金額
※2) 都市圏(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)に在住の学生
≪ 1. 地方と都市圏の平均就活費用の格差広がる。その差額は、4千円増の4万円以上に ≫
2011年4月入社の就職活動を行っている学生に、就職活動費用を尋ねたところ、地方学生が都市圏の学生より40,104円高く、都市圏との差額は、昨年以上に広がったことがわかりました。(昨年差35,938円)。また、就職活動費用における大きな割合を占めると考えられる交通費の負担について尋ねたところ、交通費を負担と感じている地方学生は52.4%、都市圏の学生は38.9%となりました。
【 参考資料(1):学生の平均就職活動費用比 】
http://www.atpress.ne.jp/releases/15398/1_1.png
【 参考資料(2):学生の平均就職活動費用比較(地域別) 】
http://www.atpress.ne.jp/releases/15398/2_2.png
≪ 2. 採用予算を減らした企業は46.0%、企業が説明会開催を見送った地域は関東以外が顕著 ≫
企業の人事採用担当者へ採用予算について尋ねたところ、「昨年同様」は45.9%、「昨年を上回る」は8.1%、「昨年を下回る」は46.0%となり、4割以上の企業は採用予算を削減していることが分かりました。また、今年の2011年採用において説明会開催を見送った地域について尋ねたところ、「九州」が17.6%と最も多く、「北海道」、「中部」、「近畿」がそれぞれ10.8%と続きました。
【 参考資料(3):企業の人事採用担当者アンケート 】
http://www.atpress.ne.jp/releases/15398/3_3.png
≪ 3. 学生の説明会参加企業数は、都市圏、地方ともに増加傾向 ≫
学生に説明会参加企業数を尋ねたところ、昨年より説明会参加企業数が増加しており、地方の学生の参加企業数は少ないものの、都市圏・地方ともに約5社増加していることが分かりました。企業が説明会を実施しなかった地域が増えているにも関わらず、地方学生の参加企業数が増えている点から、地方学生は都市圏で開催される説明会に参加していたと想定できます。
【 参考資料(4):学生の平均説明会参加企業数 】
http://www.atpress.ne.jp/releases/15398/4_4.png
【 レジェンダ・コーポレーションの見解 】
昨年と比較して企業の全体採用目標人数はやや減少しており、企業はその目標人数に合わせて、採用予算の削減・採用活動抑制を行っている傾向があります。その現状の中、企業の採用活動は、比較的学生の人数も多く、企業にとって便利な都市圏を優先して活動しているようです。結果、従来から企業の採用活動が少ない地方では、更に活動が減少しており、地方の学生の就職活動は厳しさを増しています。よって、地方の学生は地域を選んで就職活動を行う余裕がなくなっており、都市圏での就職活動を余儀なくされています。
一方で、地方にも優秀な学生が一定数存在することを企業も理解しており、少しでも多く優秀な学生を採用したいと考える企業は、Webを駆使して優秀な学生を呼込みたいという声もあります。今後のWeb上でのセミナーなどの広がりを期待したいところです。 (採用コンサルタント 長尾 一哉)
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レジェンダ・コーポレーション http://www.leggenda.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・6月22日