テンプグループ「アジアHRMレポート」Vol.3
〜東南アジアの新卒採用事情〜
東南アジア各国が世界的な金融危機後の不況から立ち直り、生産拠点・市場として揺るぎなき存在となる中、事業の安定化や拡大を図るために、現地の文化に精 通し、人材ネットワークを持つ、現地の主要大学出身者(幹部候補人材)の採用は企業にとって重要な課題といえます。
しかし、対象となる人材が少ないうえ に、日系企業の採用手法は、欧米・ローカル・アジアを含む他国系企業と異なるため、日系企業に対するイメージは良いにもかかわらず、期待する成果があげられていないのが現状です。誠実・安定・高い技術力など日系企業への良い印象を活かしつつ、日本語の使用頻度、給与、役職などの具体的な条件と学生が求めるキャリアプランを提示することが、東南アジアでの主要大学出身者採用のカギといえます。
Q: 日系企業のイメージは? A: 70.9%が「非常に良い・良い」と回答
「福利厚生が充実」「法令・ルールを守り誠実」など非常にポジティブな印象
日系企業に対するイメージは70.9%が「非常に良い・良い」と回答しています。これは、自動車、バイク、家電製品などをはじめとする日本ブランドへの信頼感と、日本人旅行者の東南アジアでの節度ある行動などに起因していると考えられます。
Q: 日系企業への就職を希望する? A: 73.6%が「希望する」と回答
「規律正しい」「高い技術」など期待感ある一方、「年功序列」への不満感も
日系企業への就職を希望する求職者は73.6%と、日系企業への良いイメージと連動しています。フリーコメントには「製造技術・チームワーク・規律に期待」などが寄せられています。一方、希望しない求職者9.1%のうち日系企業での就業経験者からは「年功序列でキャリア開発が適正に行われない」「マネジメント層がほぼ日本人である」「仕事量に対して給与が低い」などの声があがっており、キャリアプランに関する見直しが必要になっていると考えられます。
Q: 日系企業への就職で障害と感じることは? A: 「言葉(日本語)」と78.7%が回答 「昇進の機会が少ない」「給与が低い」などキャリアにかかわる項目も上位
日系企業への就職を考える際、78.7%が「言葉(日本語)」が障害になると回答しています。日系企業で働くには必ず日本語力が必要、という先入観によるものですが、実際には職種やポジションによっては語学力よりも専門知識や経験(現地での事業推進力や調整力)を重視した募集もあることが学生にはあまり知られていません。また、そのほかの障害として「昇進の機会が少ない」「給与が低い」などキャリアに関する項目が上位となっています。これは欧米・ローカル・アジアを含む他国系企業と日系企業では、給与や昇進についての意識および条件提示が大きく異なるためで、東南アジアにおいて欧米・ローカル・アジアを含む他国系企業では、明確なキャリアプランに基づく条件提示が浸透していることに起因すると考えられます。
(※)本リリース内における調査データは、ジョブストリート・アセアンビジネスコンサルティング株式会社、エーオンコンサルティングジャパン株式会社による共同調査「アジアにおける日系企業人気度調査(2008年, 対象:上述7カ国の大卒、大学院卒の求職者、有効回答数:28,679人)」より抜粋しています。
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テンプスタッフ http://www.tempstaff.co.jp /同社プレスリリースより抜粋・6月10日