2025年 企業風土の実態調査
社風に不満7割 善悪は賛否割れ “不易流行”求める声
~転職にも影響8割 価値観アップデートに50代が共感~
転職サービス「doda」などを提供するパーソルキャリア株式会社が運営する調査機関『Job総研』は、653人の社会人男女を対象に「2025年 企業風土の実態調査」を実施しました。本調査は、現職場の風土と古い風土の定義、また古い風土の変化の必要性や風土と転職の関係、さらに古い風土を持つ企業への賛否とその理由、そして古い企業が新しくなるために必要だと思う要素を調査したものです。
【企業風土の見直し】
昨今”JTC”が古い体質を持つ企業を揶揄する言葉となりつつあるものの、企業風土自体の良し悪しの基準はなく、その時代の風潮や個人によっては居心地が良いと感じる風土もあると考えられます。価値観が多様に変化する昨今、コンプライアンスやガバナンスの是非を皮切りに、改めて企業風土に注目が集まっています。このような状況で、今の社会人はどのような風土が自分に合っていると感じ、どのような風土を変えた方が良いと考えているのでしょうか。
Job総研では653人の社会人男女を対象に、現職場の風土と古い風土の定義、また古い風土の変化の必要性や風土と転職の関係、さらに古い風土を持つ企業への賛否とその理由、そして古い企業が新しくなるために必要だと思う要素を調査した「2025年 企業風土の実態調査」を実施しました。
【TOPICS】
・全体の78.4%が「今の職場に古いと感じる風土あり」 古いと感じる風土1位は「好感度が評価に影響」
・全体の50.2%が「変えた方が良い風土あり」 内容は「好感度が評価に影響」「上司に逆らえない」が上位
・全体の83.3%が企業風土は転職を考える要素になる 「実際に転職に動いた派」は全体の62.8%
・全体の69.3%が古い風土を持つ企業に「反対」 理由は「前例に固執し効率が悪い」「時代遅れ感」が上位
・全体の43.9%企業風土は「変えられると思う」 変化に必要なのは「経営陣の刷新」「評価制度の見直し」
【古い企業風土と現職場への印象】
回答者全体の653人に、今の職場で古いと感じる風土の有無を聞くと「ある派」が78.4%で過半数を占め、内訳は「とてもある」28.2%、「ある」29.4%、「どちらかといえばある」20.8%でした。また、”古い”企業風土の定義を聞くと、「上司からの好感度が評価に影響」が36.4%で最多となり、次いで「仕事と私生活の境界線がない」が32.8%、「上司に逆らえない」が32.6%となりました。
【古い風土の変化の必要性】
回答者全体の653人に古い風土の変化の必要性を聞くと、「変えた方がいい風土がある派」が50.2%、「変わらなくてもいい風土がある」が49.8%と、意見が割れました。「変えた方がいい風土がある派」の年代別では50代が55.2%で最多となり、次いで30代が52.4%、20代が49.7%、40代が43.8%の結果になりました。
【変えた方がいい風土・自身に合う風土】
回答者全体の653人に変えた方が良いと思う企業風土を聞くと、「上司からの好感度が評価に影響」が38.6%で最多となり、次いで「上司に逆らえない」が30.0%、「業務外の飲み会,行事参加の要請」が29.1%となりました。自身に合っている企業風土では「年齢,勤続年で給与,役職が決まる」が22.1%で最多となり、次いで「男性比率が高い」が18.5%、「ハッキリした上下関係」が13.9%となりました。
【企業風土と転職】
回答者全体の653人に企業風土は転職を考える要素になるかを聞くと、「なる派」が83.3%で過半数を占め、内訳は「とてもなる」37.5%、「なる」30.9%、「どちらかといえばなる」14.9%でした。企業風土が関係した転職の経験を聞くと、「転職・転職活動をした派」が62.8%で過半数を占め、内訳は「転職をした」38.0%、「転職活動をした」24.8%でした。
【企業風土の賛否】
回答者全体の653人に古い風土を持つ企業への賛否を聞くと、「反対派」が69.3%で過半数を占め、内訳は「とても反対」16.8%、「反対」19.3%、「どちらかといえば反対」33.2%でした。反対と回答した453人にその理由を聞くと「前例に固執し効率が悪い」が59.6%で最多となり、次いで「時代の変化への対応力が少ない」が56.1%、「時代遅れの制度やルールが多い」が50.6%となりました。
【企業風土の変化の可能性】
回答者全体の653人に企業風土の変化は難しいかを聞くと、「変えられると思う派」が43.9%で、内訳は「とても変えられると思う」15.0%、「変えられると思う」11.0%、「どちらかといえば変えられると思う」17.9%でした。古い企業が新しくなるために必要だと思う要素を聞くと「経営陣の刷新」が51.3%で最多となり、次いで「評価制度の見直し」が36.9%、「オープンな情報共有の徹底」が34.3%となりました。
【調査まとめ】
今回実施した「2025年 企業風土の実態調査」では、上司からの好感度が評価に影響することや仕事と私生活の境界線がない、上司に逆らえないことが”古い”と考えられており、全体の8割が今の職場に”古い”風土を感じていることがわかりました。中でも「変えた方がいい風土」と「変えなくてもいい風土」では意見が割れ、比較的、古いと感じている風土を”変えた方がいい”と考えている傾向が見られました。自身に合う風土では、昨今注目されているジョブ型雇用やハラスメントの風潮に逆行する結果が出ており、自身に合う=変える必要性を感じない風土とすると、「年功序列」や「ハッキリした上下関係」は今後、令和の時代においても残り続ける風土だと推察できます。こうした中、全体の8割が企業風土は転職を考える要素になると回答しており、実際に6割が転職に動いた経験がある結果から、風土がキャリアに及ぼす影響も見えてきます。
そして、前例への拘りや効率の悪さ、時代の変化に伴わないルールがあるという理由から、全体の7割が古い風土を持つ企業には反対しています。一方で風土は”変えていけるもの”とポジティブに考える派が4割存在し、そのためには経営陣の刷新や評価制度の見直し、オープンな情報共有が必要という意見が挙がりました。そもそも企業風土は、属する個人の価値観や雰囲気の積み重ねによって形作られていくため、個人の価値観が変化すれば必然的に風土も変化すると考えられます。そのため企業に属す個々人が、前例に囚われず、”今の時代に本当に必要なこと”は何かを考えていくことが、変化に柔軟な風土を作ることに繋がると考えられる調査結果となりました。
【調査概要】
調査対象者 :現在職を持つJobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国/男女/20~50代
調査期間 :2025年2月5日〜2月10日
有効回答人数:653人
調査方法 :インターネット調査
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(パーソルキャリア株式会社 /2月25日発表・同社プレスリリースより転載)