更年期の仕事と健康に関する定量調査
男女ともに40・50代正社員の4割前後が軽度レベル以上の更年期症状を保有
セルフケアと職場内支援が更年期のパフォーマンス低下や離職防止に効果的
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)は、「更年期の仕事と健康に関する定量調査」の結果を発表いたします。
正規雇用で働く40〜50代の女性は約560万人※1に上り、働く女性の約5分の1を占めています。この年代の女性が抱える大きな健康課題の一つが更年期症状であり、これによるパフォーマンス低下や離職などの経済的損失は年間1.9兆円※2に上るとされています。厚生労働省は、2026年から更年期を含む女性特有の健康課題への取り組みを企業の行動計画の公表項目に追加することを視野に入れており※3、企業には更年期支援施策の検討が求められています。
本調査では、更年期症状が仕事に与える影響を男女の違いも踏まえて分析し、セルフケアと職場内支援の観点から主に女性に対して有効な施策を明らかにしました。
※1 総務省「令和4年(2022年)就業構造基本調査」
※2 経済産業省(2024)「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/jyosei_keizaisonshitsu.pdf
※3 厚生労働省「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/001285696.pdf
■主なトピックス
<実態>
①女性においては、要長期治療レベルでも4割強、男性においては、重度レベルの7割弱が、更年期症状であることを自覚していない。
②更年期症状がある時の生産性は平均すると50%前後に低下する。
③仕事への影響を見ると、症状がある女性では、軽度レベルで1日あたり4時間弱、要長期治療レベルで5時間強。男性では、軽度レベルで1日あたり3時間弱、重度レベルで5時間弱のなんらかの支障をきたす。
④症状レベルが高いほど、自発的貢献意欲、ワーク・エンゲイジメント、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)、継続就業意向が低く、昇進辞退意向が高い。
<パフォーマンスと離職への影響>
⑤更年期女性のジョブ・パフォーマンスへの影響を見ると、軽度以上の症状保有者のセルフケアとしては「食事改善」、上司のラインケア(日常的なサポートや職場改善)としては「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとしては「情報提供」が行われているとジョブ・パフォーマンスが高い。
⑥上司のラインケアとして「評価の透明性(評価基準の明確な説明など)」「健康の重要性伝達」「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとして「情緒的支援(相談にのってくれたなど) 」が行われていると、更年期女性の継続就業意向が高い。一方で、職場の理解不足への認識・経験があると、継続就業意向が低い。
<セルフケアと職場内支援策>
⑦更年期症状の自覚につながったきっかけとしては、「家族や友人・知人の話/指摘」が多い。一方で、「事業場外の医師や専門家の話/指摘(受診時の診断、健康診断時の説明、漢方相談、カウンセリング時など) 」「更年期診断チェックシートへの回答」「セルフチェックキット(ホルモン検査キットなど)」「チラシ」は自覚につながりやすいが、それらの情報に触れた人は少ない(専門家への紹介やツール提供による自覚促進の余地があるといえる)。
⑧更年期の症状について、上司に相談をしている女性は1割程度、同僚に相談している女性は2割未満に留まる。
⑨「症状を軽視された」「精神的な症状(気分の変動や集中力の低下)に対して理解が得られなかった」といった職場の理解不足経験がある人のうち、約8割が上司や同僚にわかってもらえないと思うので相談しづらいと思っている。
■主なトピックス(詳細)
<実態>
①女性においては、要長期治療レベルでも4割強が更年期症状であることを自覚していない。男性においては、重度レベルでも7割弱が更年期症状であることを自覚していない。
②更年期症状がある場合とない場合での生産性※4を比較した。男女ともに、症状があるときの生産性は、症状レベルにかかわらず平均で50%前後に低下する。ただし、同じ症状レベルであっても個人差が大きい。
※4 症状が出ているときの仕事の生産性(この3か月の平均)についての自己認識。普段症状がないときの生産性を100%、仕事を休んだなど仕事ができ なかったときの生産性を0%として、0-100%の数値で回答した結果。
③男女ともに、更年期症状がある日の1日あたりで仕事の支障※5になる時間は、症状レベルが上がるほど長い傾向が見られる。平均すると、女性では、軽度レベルで4時間弱、要長期治療レベルで5時間強。男性では、軽度レベルで3時間弱、重度レベルで5時間弱。ただし、同じ症状レベルであっても個人差が大きい。
※5 仕事に集中できない状態や、仕事が全く手につかない状態など、更年期症状が仕事に支障をきたす頻度について、症状がある日の1日あたりの影響時間(分単位)で回答した結果。仕事の支障になる具体例としては、ホットフラッシュ(突然の発汗やほてりなど)で集中力が途切れる、十分な睡眠が取れないことで日中の眠気や注意力の低下が生じる、などが挙げられる。
④更年期の症状レベルが高い場合(女性の要長期治療レベル/男性の重度レベル)、会社のために自ら進んで行動しようとする自発的貢献意欲や仕事内容に対するポジティブな心理状態であるワーク・エンゲイジメントが低い傾向が見られる。
一方で、症状レベルが上がるほど、昇進辞退意向が高い傾向が見られる。
また、症状レベルが高い場合(女性の要長期治療レベル/男性の重度レベル)、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)や継続就業意向が低い傾向が見られる。
<パフォーマンスと離職への影響>
⑤更年期女性のジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)への影響を見ると、本人のセルフケアとしての「食事改善」、上司のラインケア(日常的なサポートや職場改善)としての「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとしての「情報提供」が行われていると、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)が高い。
⑥上司のラインケアとして「評価の透明性(評価基準の明確な説明など)」「健康の重要性伝達」「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとして「情緒的支援(相談にのってくれたなど)」が行われていると、更年期女性の継続就業意向が高い。一方で、職場の理解不足への認識・経験があると、継続就業意向が低い。
<セルフケアと職場内支援策>
⑦更年期症状の自覚につながったきっかけとして、「家族や友人・知人の話/指摘」で自覚につながった人が多い。一方で、「事業場外の医師や専門家の話/指摘(受診時の診断、健康診断時の説明、漢方相談、カウンセリング時など)」「更年期診断チェックシートへの回答」「セルフチェックキット(ホルモン検査キットなど)」「チラシ」も自覚につながりやすいが、それらの情報に触れた人は少ない。
⑧更年期の症状について(症状の状態やケア、治療方法、症状による働き方の調整について)、職場で上司や先輩・同僚に相談をしている女性は、症状レベルにかかわらず1~2割程度に留まる。男性と比べると、女性は、職場の先輩・同僚に相談している割合が高い。
⑨「精神的な症状(気分の変動や集中力の低下)に対して理解が得られなかった」「症状を軽視された」といった職場の理解不足を経験した人のうち約8割が、上司や同僚にわかってもらえないと思うので相談しづらいと思っている。
■調査結果からの提言
パーソル総合研究所
研究員 砂川 和泉
更年期症状は、企業の中核となる年齢層で出現しやすく、パフォーマンス低下や離職等に伴う企業への影響も大きい。今回の調査では、更年期におけるパフォーマンス低下や離職を防止する上で、本人のセルフケアに加えて職場の支援が重要であることが明らかになった。
更年期の女性本人がセルフケアを行う上では、企業の支援も欠かせない。例えば、柔軟な休暇・休憩の取得やテレワークができれば、症状が出た際に対処するだけでなく、通院もしやすい。また、ホットフラッシュなどの症状が出やすいなかで、室温調整が難しい場合には保冷剤など体温調整できるアイテムを提供することも考えられる。さらに、生活習慣改善に向けて、企業が栄養指導などを通じて伴走することも一考に値する。こうしたセルフケアにつなげるために、まずは、更年期症状であることの自覚を促すことから始めたい。
また、職場の支援としては、上司や同僚が更年期に対する理解を深め、更年期に対するネガティブな言動をなくし、健康と仕事の両立に対するポジティブな言動を増やすことが重要である。ネガティブな言動として、侮蔑・嘲笑や症状を軽視するような言動、体調不良による休みや休憩を認めないといった「更年期ハラスメント」は離職につながりかねない。一方で、ポジティブな言動として、上司は、健康と仕事との両立に対して理解があることを示すことが不可欠である。こうした上司のマネジメントは、女性だけでなく男性のパフォーマンス低下や離職の防止にも有効である。また、同僚が相談にのる、体調を気遣うといった情緒的な支援や情報提供を行うことも更年期女性のパフォーマンスや離職防止に大きな意味をもつ。
こうした職場内の支援は、本人が職場で上司や同僚に相談すると得られやすい。逆に、上司がこうした健康に理解のあるマネジメントを行っていることや職場で更年期に対するネガティブな言動がないことが相談のしやすさにつながる。つまり、セルフケア(自覚・対処・相談)と職場内支援は、互いに歯車としてかみ合って回ることで、更年期の症状と仕事との両立がしやすくなる。企業としては、症状に応じた柔軟な働き方ができるようにするとともに、更年期の従業員に対するネガティブな言動を防止することや、更年期に対する負の信念を低減させる知識の提供で本人のヘルプシーキング力(頼る力)を高めることなどによって、支援の歯車を機能させるための働きかけを行うことが望ましい。
■調査概要
セルフケアと職場内支援が更年期のパフォーマンス低下や離職防止に効果的
株式会社パーソル総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役社長:萱野博行)は、「更年期の仕事と健康に関する定量調査」の結果を発表いたします。
正規雇用で働く40〜50代の女性は約560万人※1に上り、働く女性の約5分の1を占めています。この年代の女性が抱える大きな健康課題の一つが更年期症状であり、これによるパフォーマンス低下や離職などの経済的損失は年間1.9兆円※2に上るとされています。厚生労働省は、2026年から更年期を含む女性特有の健康課題への取り組みを企業の行動計画の公表項目に追加することを視野に入れており※3、企業には更年期支援施策の検討が求められています。
本調査では、更年期症状が仕事に与える影響を男女の違いも踏まえて分析し、セルフケアと職場内支援の観点から主に女性に対して有効な施策を明らかにしました。
※1 総務省「令和4年(2022年)就業構造基本調査」
※2 経済産業省(2024)「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/jyosei_keizaisonshitsu.pdf
※3 厚生労働省「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」報告書
https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/001285696.pdf
■主なトピックス
<実態>
①女性においては、要長期治療レベルでも4割強、男性においては、重度レベルの7割弱が、更年期症状であることを自覚していない。
②更年期症状がある時の生産性は平均すると50%前後に低下する。
③仕事への影響を見ると、症状がある女性では、軽度レベルで1日あたり4時間弱、要長期治療レベルで5時間強。男性では、軽度レベルで1日あたり3時間弱、重度レベルで5時間弱のなんらかの支障をきたす。
④症状レベルが高いほど、自発的貢献意欲、ワーク・エンゲイジメント、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)、継続就業意向が低く、昇進辞退意向が高い。
<パフォーマンスと離職への影響>
⑤更年期女性のジョブ・パフォーマンスへの影響を見ると、軽度以上の症状保有者のセルフケアとしては「食事改善」、上司のラインケア(日常的なサポートや職場改善)としては「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとしては「情報提供」が行われているとジョブ・パフォーマンスが高い。
⑥上司のラインケアとして「評価の透明性(評価基準の明確な説明など)」「健康の重要性伝達」「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとして「情緒的支援(相談にのってくれたなど) 」が行われていると、更年期女性の継続就業意向が高い。一方で、職場の理解不足への認識・経験があると、継続就業意向が低い。
<セルフケアと職場内支援策>
⑦更年期症状の自覚につながったきっかけとしては、「家族や友人・知人の話/指摘」が多い。一方で、「事業場外の医師や専門家の話/指摘(受診時の診断、健康診断時の説明、漢方相談、カウンセリング時など) 」「更年期診断チェックシートへの回答」「セルフチェックキット(ホルモン検査キットなど)」「チラシ」は自覚につながりやすいが、それらの情報に触れた人は少ない(専門家への紹介やツール提供による自覚促進の余地があるといえる)。
⑧更年期の症状について、上司に相談をしている女性は1割程度、同僚に相談している女性は2割未満に留まる。
⑨「症状を軽視された」「精神的な症状(気分の変動や集中力の低下)に対して理解が得られなかった」といった職場の理解不足経験がある人のうち、約8割が上司や同僚にわかってもらえないと思うので相談しづらいと思っている。
■主なトピックス(詳細)
<実態>
①女性においては、要長期治療レベルでも4割強が更年期症状であることを自覚していない。男性においては、重度レベルでも7割弱が更年期症状であることを自覚していない。
②更年期症状がある場合とない場合での生産性※4を比較した。男女ともに、症状があるときの生産性は、症状レベルにかかわらず平均で50%前後に低下する。ただし、同じ症状レベルであっても個人差が大きい。
※4 症状が出ているときの仕事の生産性(この3か月の平均)についての自己認識。普段症状がないときの生産性を100%、仕事を休んだなど仕事ができ なかったときの生産性を0%として、0-100%の数値で回答した結果。
③男女ともに、更年期症状がある日の1日あたりで仕事の支障※5になる時間は、症状レベルが上がるほど長い傾向が見られる。平均すると、女性では、軽度レベルで4時間弱、要長期治療レベルで5時間強。男性では、軽度レベルで3時間弱、重度レベルで5時間弱。ただし、同じ症状レベルであっても個人差が大きい。
※5 仕事に集中できない状態や、仕事が全く手につかない状態など、更年期症状が仕事に支障をきたす頻度について、症状がある日の1日あたりの影響時間(分単位)で回答した結果。仕事の支障になる具体例としては、ホットフラッシュ(突然の発汗やほてりなど)で集中力が途切れる、十分な睡眠が取れないことで日中の眠気や注意力の低下が生じる、などが挙げられる。
④更年期の症状レベルが高い場合(女性の要長期治療レベル/男性の重度レベル)、会社のために自ら進んで行動しようとする自発的貢献意欲や仕事内容に対するポジティブな心理状態であるワーク・エンゲイジメントが低い傾向が見られる。
一方で、症状レベルが上がるほど、昇進辞退意向が高い傾向が見られる。
また、症状レベルが高い場合(女性の要長期治療レベル/男性の重度レベル)、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)や継続就業意向が低い傾向が見られる。
<パフォーマンスと離職への影響>
⑤更年期女性のジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)への影響を見ると、本人のセルフケアとしての「食事改善」、上司のラインケア(日常的なサポートや職場改善)としての「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとしての「情報提供」が行われていると、ジョブ・パフォーマンス(役割遂行度)が高い。
⑥上司のラインケアとして「評価の透明性(評価基準の明確な説明など)」「健康の重要性伝達」「柔軟な働き方の許容」、同僚のピアサポートとして「情緒的支援(相談にのってくれたなど)」が行われていると、更年期女性の継続就業意向が高い。一方で、職場の理解不足への認識・経験があると、継続就業意向が低い。
<セルフケアと職場内支援策>
⑦更年期症状の自覚につながったきっかけとして、「家族や友人・知人の話/指摘」で自覚につながった人が多い。一方で、「事業場外の医師や専門家の話/指摘(受診時の診断、健康診断時の説明、漢方相談、カウンセリング時など)」「更年期診断チェックシートへの回答」「セルフチェックキット(ホルモン検査キットなど)」「チラシ」も自覚につながりやすいが、それらの情報に触れた人は少ない。
⑧更年期の症状について(症状の状態やケア、治療方法、症状による働き方の調整について)、職場で上司や先輩・同僚に相談をしている女性は、症状レベルにかかわらず1~2割程度に留まる。男性と比べると、女性は、職場の先輩・同僚に相談している割合が高い。
⑨「精神的な症状(気分の変動や集中力の低下)に対して理解が得られなかった」「症状を軽視された」といった職場の理解不足を経験した人のうち約8割が、上司や同僚にわかってもらえないと思うので相談しづらいと思っている。
■調査結果からの提言
パーソル総合研究所
研究員 砂川 和泉
更年期症状は、企業の中核となる年齢層で出現しやすく、パフォーマンス低下や離職等に伴う企業への影響も大きい。今回の調査では、更年期におけるパフォーマンス低下や離職を防止する上で、本人のセルフケアに加えて職場の支援が重要であることが明らかになった。
更年期の女性本人がセルフケアを行う上では、企業の支援も欠かせない。例えば、柔軟な休暇・休憩の取得やテレワークができれば、症状が出た際に対処するだけでなく、通院もしやすい。また、ホットフラッシュなどの症状が出やすいなかで、室温調整が難しい場合には保冷剤など体温調整できるアイテムを提供することも考えられる。さらに、生活習慣改善に向けて、企業が栄養指導などを通じて伴走することも一考に値する。こうしたセルフケアにつなげるために、まずは、更年期症状であることの自覚を促すことから始めたい。
また、職場の支援としては、上司や同僚が更年期に対する理解を深め、更年期に対するネガティブな言動をなくし、健康と仕事の両立に対するポジティブな言動を増やすことが重要である。ネガティブな言動として、侮蔑・嘲笑や症状を軽視するような言動、体調不良による休みや休憩を認めないといった「更年期ハラスメント」は離職につながりかねない。一方で、ポジティブな言動として、上司は、健康と仕事との両立に対して理解があることを示すことが不可欠である。こうした上司のマネジメントは、女性だけでなく男性のパフォーマンス低下や離職の防止にも有効である。また、同僚が相談にのる、体調を気遣うといった情緒的な支援や情報提供を行うことも更年期女性のパフォーマンスや離職防止に大きな意味をもつ。
こうした職場内の支援は、本人が職場で上司や同僚に相談すると得られやすい。逆に、上司がこうした健康に理解のあるマネジメントを行っていることや職場で更年期に対するネガティブな言動がないことが相談のしやすさにつながる。つまり、セルフケア(自覚・対処・相談)と職場内支援は、互いに歯車としてかみ合って回ることで、更年期の症状と仕事との両立がしやすくなる。企業としては、症状に応じた柔軟な働き方ができるようにするとともに、更年期の従業員に対するネガティブな言動を防止することや、更年期に対する負の信念を低減させる知識の提供で本人のヘルプシーキング力(頼る力)を高めることなどによって、支援の歯車を機能させるための働きかけを行うことが望ましい。
■調査概要
- 調査名称
パーソル総合研究所 「更年期の仕事と健康に関する定量調査」 - 調査内容
企業が更年期の健康問題、特に女性の更年期問題への対応策を検討する際の示唆を得るべく、更年期症状の実態と職場における有効な対応策を定量的に把握するための調査を行った。 - 調査対象者
【スクリーニング調査】25-64歳の男女(就業形態不問)2万人を国勢調査の性別・年齢(5歳刻み)構成に合わせて回収・集計
※別途、更年期症状保有者の補填のために3万sを回収
【本調査】※①・②・③のサンプル間に重複あり。農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業従事者は除く
①軽度レベル以上の更年期症状がある40-50代正社員:女性1000人、男性500人
・更年期症状スコアで軽度以上(女性はSMIスコア26点以上/男性はAMSスコア27点以上)
【男】40~44歳:100、45~49歳:135、50~54歳:134、55~59歳:121
【女】40~44歳:1285、45~49歳:329、50~54歳:242、55~59歳:144
※男女それぞれ、スクリーニング調査結果(国勢調査の性別・年齢構成に準拠)の出現率に基づいて年齢を割付
②正社員全体:25-64歳の正社員男女 計2000人
【男】25~29歳:148、30~34歳:172、35~39歳:186、40~44歳:206、45~49歳:260、50~54歳:226、55~59歳:210、60~64歳:96
【女】25~29歳:92、30~34歳:76、35~39歳:80、40~44歳:70、45~49歳:74、50~54歳:54、55~59歳:34、60~64歳:16
※スクリーニング調査結果(国勢調査の性別・年齢構成に準拠)における対象者の出現率に基づいて性別・年齢を割付
③女性上司:50人 - 調査手法
調査会社モニターを用いたインターネット定量調査 - 調査
時期 2024年 7月24日 - 8月8日 - 実施主体
株式会社パーソル総合研究所
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社パーソル総合研究所 /12月4日発表・同社プレスリリースより転載)
(株式会社パーソル総合研究所 /12月4日発表・同社プレスリリースより転載)
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健康管理