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ニュース
人事サービス 雇用・採用
掲載日:2024/01/16

職種別「平均残業時間」調査

ひと月の平均残業時間は21.9時間で、前回より0.3時間減
~残業時間が少ない職種1位は「一般事務」で、前回から7ランクアップ。多い職種1位は2年連続で「プロデューサー/ディレクター/プランナー」
経済活動の再開・オフラインの需要回復を受け、
「店長」は残業時間が前回から10時間以上増加~


パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda(デューダ)」(編集長:加々美 祐介)は、20~59歳のビジネスパーソン15,000人を対象に、職種別の残業時間を調査しましたので、結果をお知らせいたします。

【調査結果サマリー】
平均残業時間:2023年は21.9時間/月。前回調査より0.3時間減

平均残業時間の少ない職種:
<職種別>1位は「一般事務」。前回から-2.7時間の10.6時間で、7ランクアップ
<職種分類別>前回同様「事務/アシスタント」が最多。TOP20に7職種がランクイン

平均残業時間の多い職種:
<職種別>
・1位は2年連続で「プロデューサー/ディレクター/プランナー」。前回から+5.1時間の42.2時間。
リアルイベントの需要回復、各種コンテンツ制作や広告需要も増加したことなどが、残業時間にも影響か
・5位の「店長」は前回から+11.1時間の30.0時間。TOP20の中で最も残業時間の増加幅が大きい結果に。
来客数が増加する一方、店舗ではスタッフの採用が間に合わず、深刻な人材不足に陥っていることが一因か

<職種分類別>
・「営業」はTOP20に6職種ランクイン。
    経済回復に伴い営業活動も活発化、商談の一部が対面に戻り移動時間が増えた可能性
職種分類別の平均残業時間:
・すべての年代で「事務/アシスタント」の平均残業時間が最少
・残業が多い年代×職種分類の1位は、前回に引き続き「30代×クリエイティブ」の30.9時間

【調査詳細】
平均残業時間は21.9時間/月で、前回調査より0.3時間減
2023年4~6月の平均残業時間は21.9時間/月(以下同じ)で、前回から0.3時間減少しました。1カ月の実働日数を20日とすると、単純計算で1日当たり1時間程度の残業が行われていることが分かります。
過去5年間の平均残業時間の推移を見ると、2019年は24.9時間だったのに対し、働き方改革関連法が施行されたことやコロナ禍の影響もあり、2020年、2021年はそれぞれ20.6時間、20.8時間と大幅に減少。その後、コロナ禍で停滞していた経済活動が戻りつつあることを受けて、2022年には22.2時間と増加しました。2023年は、21.9時間と減少したものの、2022年とほぼ同じ水準になっています。

職種別で見ると、残業時間が最も少ない職種1位は、前回8位だった「一般事務」で、前回から-2.7時間の10.6時間でした。前回1位だった「秘書/受付」は前回から+1.4時間の11.4時間で2位となっています。また、3位の「医療事務」(12.0時間)、4位の「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」(13.0時間)、5位の「営業事務」(13.3時間)はそれぞれ前回調査でも5位以内だったため、2位から5位に大きな変化はありませんでした。
TOP20の中で前回調査から大きく残業時間が減ったのは、15位の「品質管理/品質保証(素材/化学/食品系)」(前回:22.2時間→今回:15.5時間)、17位の「社内SE」(前回:21.5時間→今回:16.0時間)、19位の「Webエンジニア」(前回:24.9時間→今回:17.4時間)、20位の「食品メーカーの営業/消費財メーカーの営業」(前回:24.1時間→今回:18.2時間)の4職種です。いずれも前回TOP20圏外からのランクインとなりました。
職種分類別で見ると、1位の「一般事務」を含む「事務/アシスタント」が10位までに5職種、20位以内では7職種ランクインし、前回調査と同じくいずれも最多となっています。

平均残業時間の多い職種:1位は2年連続で「プロデューサー/ディレクター/プランナー」
職種別で見ると、残業時間の多い職種1位は前回と同じく「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」で、前回から+5.1時間の42.2時間となりました。小説やマンガ、アニメなどの人気の高まりや、コロナ自粛が明けたことでリアルイベントの需要が回復し、紙媒体や告知用広告のニーズが戻ったことなどが残業時間増加に影響したと考えられます。
「店長」は前回の18.9時間から+11.1時間の30.0時間で5位となりました。コロナ禍で停滞していた経済活動が戻りつつあることで小売店や飲食店への来店者が増える一方、店舗ではスタッフの採用が間に合わず、深刻な人材不足が課題になっているケースも少なくありません。その結果、TOP20の中で最も残業時間の増加幅が大きくなったと推測します。
職種分類別で見ると、「営業」が10位以内に3職種、20位以内には6職種が入り、前回(10位以内に1職種、20位以内に3職種)から増加しました。前回調査では、コロナ禍で営業活動のオンライン化が進んだことを受けて、一部の営業職で残業時間が減る傾向が見られましたが、今回20位以内に入った6職種は、すべて前回調査より残業時間が増加しました。背景に、経済活動の回復に伴って営業活動が活発になり、商談の一部も対面に戻って移動時間が増えている、といった要因が考えられます。

年代×職種分類別の平均残業時間:すべての年代で「事務/アシスタント」の平均残業時間が最少
年代×職種分類別で平均残業時間を見てみると、前回と同じくすべての年代で「事務/アシスタント」が最も少ない結果となりました。また、「事務/アシスタント」と「IT/通信系エンジニア」は、前回調査と比べてすべての年代で平均残業時間が減少しています。

残業が多い年代×職種分類のTOP3は、1位が前回に引き続き「30代×クリエイティブ」の30.9時間、2位も前回と同じく「30代×建築/土木系エンジニア」の30.0時間、3位は「50代×建築/土木系エンジニア」の28.5時間となりました。

<解説>
今回の調査では、全体の平均残業時間が21.9時間で前回の22.2時間より0.3時間少なくなりました。前回調査では、行動制限緩和の影響もあってか、平均残業時間が大幅に増加しましたが、今回は前回とおおむね変わらない数値となりました。

全91職種の中で、前回よりも平均残業時間が減ったのは46職種でした。職種分類では「IT/通信系エンジニア」と「モノづくり系エンジニア」が最多で、次いで「企画/管理」が続きます。一方で、「営業」の多くで平均残業時間が増加し、オンライン化が進んでいた営業活動の一部がオフラインに戻っていると推測できる面もありました。
コロナの経済活動に与える影響が少しずつ弱まっていく中、オフライン需要やインバウンド消費の回復、人材不足などの問題を受け、より効率的な業務体制を模索する企業の動きが活発化しています。業務効率化のためのDX推進や、社員の定着率向上に向けた就業環境の改善に取り組む企業も増えました。今後、はたらく個人のキャリアの選択肢は、より広がっていくのではないでしょうか。
 

【調査概要】
対象者:20~59歳の男女
雇用形態:正社員
調査方法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを元に実施、doda会員登録の状況については不問)
実施期間:2023年8月23日~9月1日
有効回答数:15,000件
※ウェイトバックは、正社員の地域・年代・性別に合わせて実施

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。

(パーソルキャリア株式会社/ 1月15日発表・同社プレスリリースより転載)

この記事ジャンル 労働時間

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