【女性管理職意識調査】6割強が仕事と生活のバランスが取れていると回答する一方、更なる昇進希望者は2割以下
企業・団体の女性管理職および人事担当者計769名にインターネット調査を実施
一般社団法人日本経営協会(本部事務局:東京都渋谷区、会長:高原 豪久)は「女性管理職意識調査」を実施し、『女性管理職意識調査報告書』として取りまとめました。
『女性管理職意識調査報告書2021』調査結果ダイジェスト
≪個人調査≫(女性管理職・管理職候補への調査)
・家事・育児・介護の負担は女性「10割」が最多
世帯・家族状況については、「同居する配偶者がいる」が38.0%で最も多く、家事・育児・介護の分担割合は「10割」(35.8%)が最多、5割以上分担では77.4%を占める。
配偶者や親と同居においては、「10割(すべて行っている)」は全体より10pt以上低いが、同居する配偶者がいる場合でも、家事等の負担が「8割」(71.1%)、「9割」(84.4%)においては全体より顕著に高く、配偶者がいても女性の方が家事負担の割合が高いと考えられる。特に小さい子供がいる家庭での家事分担率が高い傾向がみられた。
・昇進希望は2割以下
将来の希望について、現状維持が32.8%で最も多く、昇進希望は14.5%強となった。前回(2017年)調査と比較すると、現状維持が+5.8%、昇進希望は-3.5%と、マネージャー職の継続は希望するが、現状を上回る管理領域と責任が伴う昇進は望まないという意識があるものと考えられる。特に行政・自治体においては、現状維持が43.0%で全体より10pt以上高い。(民間企業等は29.3%)
・6割強が仕事と生活のバランスが取れていると回答
現在のワーク・ライフ・バランスの状況について、「十分バランスがとれている」と「十分ではないがわりとバランスがとれている」の合計が62.6%となった。前回(2017年)調査と比較すると6.1Pt増加しており、改善がみられた。
≪組織調査≫(組織の人事担当者への調査)
・女性管理職は増加傾向だが、組織内での男女比は女性1割程度
女性管理職の比率について「変わらない」が53.1%で最多であったが、「増えた」も43.1%と増加傾向にあるといえる。特に従業員数が5,001人以上と301~500人規模の企業・団体において、「増えた」が全体より10pt以上高く、反対に300人以下では全体より10pt以上低かった。ただし、女性管理職の比率は10%未満の組織が最多で、平均は14.9%、中央値では10.0%と、1割程度の組織が多いと考えられる。
・「働く上での障害」について、組織と女性管理職の間で認識に相違あり
「女性管理職が働く上で障害となっていること」について、女性管理職側に多く見られたのは「給与等の金銭的な報酬が少ない」、「休暇が取りにくい」である一方で、人事担当者側に多い意見として、「産休・育休等でキャリアが中断される」、「育児や介護の負担が大きい」等が挙がった。 企業(団体)側は、産後・育休後のフォロー等に対する配慮以上に、収入面やワーク・ライフ・バランスに対する改善等が必要と考えられる。
・女性管理職に求める能力・資質は「リーダーシップ」が第1位、「人材育成力」が前回より上昇
女性管理職に求める能力・資質は、「指導力(リーダーシップ)」(50.6%)で最も高かった。以下、「管理統率力(マネジメント力)」(43.8%)、「コミュニケーション力」(40.3%)、「人材育成力」(36.9%)と続く。 前回調査と比較すると、「人材育成力」(36.9%)が8.9pt増加しており、限られた人材の中で質を上げる能力が求められているとみられる。
『女性管理職意識調査報告書2021』調査概要
・調査手法:インターネット
・調査期間:2021年11月25日~12月7日
・調査対象者:
<<個人調査>>
民間企業及び行政・自治体に勤める女性の管理職(部長・次長・課長クラス)と女性の管理職候補(係長・主任・リーダークラス)
<<組織調査>>
民間企業及び行政・自治体の人事担当者(主任・リーダークラス以上)
・有効回答:<<個人調査>>400サンプル <<組織調査>>369サンプル
■問い合わせ先
一般社団法人日本経営協会
広報担当 TEL.03-3403-1337
◆本調査の詳細は、こちらをご覧ください。
(一般社団法人日本経営協会/3月30日発表・同会プレスリリースより転載)