マンパワー・ジャパン雇用予測調査
2008年第1四半期(1-3月期)結果発表
総合人材サービスのマンパワー・ジャパン(神奈川県横浜市、渕木幹雄・代表取締役社長)は、2008年第1四半期(1-3月期)における企業の雇用計画を尋ねた「マンパワー雇用予測調査」の結果を12月11日付けで発表します。調査結果は「2008年1−3月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員等を含む)は今期と比べてどのような変化がありますか?」という質問に基づいています。尚、本調査はマンパワー社が四半期ごとに世界27ヵ国・地域で行っている世界で最も広範囲にわたる事前調査です。 今回 、東京・大阪・名古屋の972社から回答を得ました。そのうち2008年第1四半期(1-3月期)に従業員を「増員する」と回答した企業は22%、「減員する」と回答した企業は5%、「変化なし」は69%となっています。季節調整後の純雇用予測*(増員%−減員%)は+24%で、前四半期に比べ7ポイント、前年同期比では1ポイントとわずかに低下し、高水準を保ちつつも減少傾向となりました。 マンパワー雇用予測調査は、東京、大阪、名古屋の3地域に対し地域別の調査を行うと共に、7業種*の業種別での調査を行っています。地域別の純雇用予測(季節調整後)は、前四半期と比較すると、最も数値が高い東京が9ポイント減の+27%、名古屋が6ポイント減の+20%、大阪が3ポイント減の+21%となり、3地域すべてにおいて減少が見られました。ただし、前年同期比と比較すると、東京のみ5ポイントの増加となりました。また業種別(7業種)で見ると、「サービス」が、前四半期比で7ポイント減っていますが、前年同期比では5ポイント増加しており、+33%と2007年第4四半期に引き続き7業種中最も高い値となりました。次いで、「運輸・公益」は、前四半期比6ポイント増の+20%となり、緩やかな復調傾向が見られます。前期大幅に数値が増加した「鉱工業・建設」は、前四半期比31ポイント減の+7%と雇用意欲は大幅に低下し、7業種中最も低い数値を記録しました。 *純雇用予測: 調査結果のうち「増員する」と回答した企業数の割合(%)から「減員する」と回答した企業数の割合(%)を引いた値。 *季節調整値: 月々の変動の癖(季節的要因)を除去したことを推計した値で、調査開始から3年以上経っている国で適用しています。日本では2006年第3四半期から適用しましたが、今後は全て季節調整値をもとにした分析値を指標にしていく予定です。 *7業種:「金融・保険・不動産」「製造」「鉱工業・建設」「公共・教育」「サービス」「運輸・公益」「卸・小売」 【 調査結果 】 2008年第1四半期(2008年1-3月期) (1)純雇用予測(季節調整後)は+24%と高水準を維持するも緩やかな減少傾向 2008年第1四半期の純雇用予測調査は、東京・大阪・名古屋における972社の企業の回答をもとにしており、従業員を「増員する」と回答した企業は22%、また「減員する」との回答は5%、「変化なし」は69%となっています。純雇用予測は+24%となり、前四半期比7ポイント、前年同期比1ポイント減とわずかに低下し、雇用意欲はやや減少傾向にあります。 (2)地域別の雇用意欲は東京が最も旺盛、大阪、名古屋は引き続き堅調 地域別の純雇用予測(季節調整後)では、3地域とも共通して堅調に推移していますが、前四半期に比べ雇用意欲はやや低下しています。2007年第4四半期に純雇用予測の水準が3地域中最も高かった東京は、9ポイント減となりましたが、前年同期比では5ポイント増の+27%となり、2008年第1四半期において、引き続き3地域中最も高い数値を記録しました。また、名古屋も前四半期に比べ6ポイント減少したものの、+20%と比較的明るい数値を維持しています。大阪は、前四半期より3ポイントとわずかに減少しましたが、数値としては+21%と引き続き安定した雇用意欲を示しています。 (3)業種別では「サービス」で依然高い雇用意欲、「運輸・公益」がやや高い伸び率 業種別で見ると、前四半期比での純雇用予測は「運輸・公益」以外の6業種全てにおいて減少が見られました。季節調整後の値では、2008年第1四半期の純雇用予測が最も高いのは「サービス」の+33%でした。前四半期比では7ポイントとわずかに減少が見られましたが、前年同期に比べると5ポイント増と比較的安定しています。次いで、前四半期で最も低い数値を記録した「運輸・公益」が、前期比6ポイント増の+20%となり復調傾向にあります。また、「金融・保険・不動産」は、前四半期に比べ13ポイント低下していますが、前年同期と比べると変化はなく、+23%と引き続き堅調な値を示しています。前四半期で雇用意欲が大幅に回復した「鉱工業・建設」は、前四半期に比べ31ポイントと大幅に減少し+7%となり、7業種中最も低い値を記録しています。同様に、「公共・教育」も前四半期と比べると14ポイントと大幅に低下し、+13%となっています。「製造」は+21%と高水準を維持していますが、前期比、前年同期比共に5ポイントとわずかに減少し、やや低下の傾向にあります。「卸・小売」も、雇用意欲は+23%と堅調に推移していはいるものの、前四半期に比べると3ポイント減となりました。 (4)世界の結果は、アジア地域にて堅調な雇用意欲、イタリア、フランスは調査開始以来の最高値を記録 世界の2008年第1四半期の純雇用予測では、52,000社が調査対象となった27ヵ国・地域のうち、雇用意欲は、前四半期比では16ヵ国でゆるやかな減少が見られましが、前年同期と比べると12ヵ国・地域で雇用意欲が上昇しています。 雇用意欲が高い水準で推移しているのは、シンガポール(季節調整後+51%)が最も高く、次いで、インド、ペルー、アルゼンチン、コスタリカ、南アフリカ、香港、オーストラリア、ノルウェーとなっています。反対に、低い数値を示しているのは、アイルランド(季節調整後+5%)となっています。 地域別に見ると、北米・中南米の雇用意欲は、前年同期に比べると米国やメキシコでわずかに減退しているものの、ペルー、アルゼンチン、コスタリカでは高い数値で推移しています。アジア・太平洋地域の雇用意欲は前期と比べるとやや減退している地域もあるものの、全地域において依然として堅調に推移しています。なかでも、シンガポールは、前期比9ポイント増の+51%(季節調整後)となり、明るい数値を維持しています。また、フランスとイタリアを除くヨーロッパ・中東・アフリカ地域における2008年第1四半期の純雇用予測は、オランダが前年同期比4ポイント増の+11%と調査開始以来の最高値を記録、ノルウェーも前年同期比11ポイント増の+22%となり、大幅な回復傾向にあります。反対に、アイルランドが前年同期比17ポイント減の+5%と大幅に減少し、オーストリア、ベルギー、スペイン、スウェーデン、イギリスも前年同期と比べると緩やかな減少傾向にあります。ドイツは前期比では3ポイント減となりましたが、前年同期比では5ポイント増の10%(季節調整後)と引き続き楽観的な雇用意欲を示しています。季節調整後の数値としては、フランスは、前年同期比に比べ3ポイント増の+8%、イタリアも前年同期比3ポイント増の+6%と雇用意欲は調査開始以来の最高値を記録しました。 【 調査概要 】 ■ 調査時期: 2007年10月18日〜10月31日 ■ 調査対象: 東京・大阪・名古屋の次の7業種における企業の人事部門長 (1) 金融・保険・不動産、(2) 製造、(3) 鉱工業・建設、(4) 公共・教育(役所、学校関係)、(5) サービス(情報処理、ソフトウェア、娯楽など)、(6) 運輸・公益、(7) 卸・小売 ■ 質問内容: 「2008年1-3月において、貴社または貴機関の雇用計画(契約社員、派遣社員などを含む)は今期(2007年10-12月)と比べてどのような変化がありますか?」 ■ 調査方法: 次のいずれかの方法で回答を収集。 (1) 電話による聞き取り (2) 電子メールによるアンケート ■ 有効回答数: 日本国内 972社、世界27ヵ国・地域では52,000社 ■ 誤差の範囲: 調査国、地域、及び世界レベルでのデータ全体に関して、誤差の範囲は±3.1%以内となっています。 ■ 調査の歴史: 45年の歴史をもつ当調査は、世界で最も信頼されている雇用予測調査の一つです。1962年に米国およびカナダで開始し、1966年にはイギリスが加わりました。その後、2002年に、メキシコとアイルランドが調査を開始し、2003年には、日本を含む世界13ヵ国・地域が調査に参加することとなりました。その後も、参加国は増え続け、現在では27ヵ国・地域で調査が行われています。 ※ 次回のマンパワー雇用予測調査(2008年第2四半期)の結果発表は、2008年3月11日の予定です。 <マンパワー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 渕木幹雄からのコメント> 日本経済は内外需とも堅調で、前期に引き続きなだらかな回復傾向にあります。ただし、サブプライムローンの影響が予想以上に大きく、原油高も加わり、日本をはじめ世界経済の動向も先行きの不透明感を拭いきれないものとなっています。このような状況を踏まえ多くの企業が、新たな設備投資や再編および統合などにより、生産性の向上や競争力の強化を図っており、雇用に対する企業のニーズは今後更に多様化することが考えられます。 当社の2008年1-3期の雇用予測調査でも、企業の雇用に対する意欲は依然堅調に推移することが伺えるものの、前年同期と比べ純雇用予測(季節調整後)が+24%と1ポイントの低下となり、やや不透明な企業の景況感を反映し、業種・地域によって雇用意欲にも差が生じる結果となりました。 マンパワーは、今年9月から営業強化を目的とした新規事業を本格的に開始し、地方における支店展開を拡大しています。これにより、新たな人材需要の掘り起こしと、地域に根ざしたサービスネットワークの拡充が可能となります。また、人材を必要としている企業のみならず、働く人々の更なる利便性の向上を目指し、様々なニーズに対応できるサービスの充実にも配慮してまいります。マンパワーでは、今後も、変化しつづける労働環境を的確に把握し、きめ細かいサービスとソリューションを提供していきます。 (マンパワー・ジャパン http://www.manpower.co.jp/ /同社プレスリリースより抜粋・12月14日) |