日米欧のCEO報酬は総報酬ベースで昨年比7.9%増。日本と欧米諸国との報酬水準差は依然として大きいが、一部の日本企業で報酬水準の高額化が見られる~『2017年度 日米欧CEO報酬比較』結果を発表:ウイリス・タワーズワトソン
世界有数のグローバルカンパニーであるウイリス・タワーズワトソン(NASDAQ:WLTW)は、日米英独仏の5カ国における売上高等1兆円以上企業のCEO報酬について調査を実施し、その結果を発表しました。
《調査結果》
日米欧CEO報酬比較(2017年度)
国名/基本報酬/年次インセンティブ/長期インセンティブ
●米国:141百万円(10%)/271百万円(19%)/989百万円(71%)/合計:14.0億円
●英国:145百万円(24%)/181百万円(30%)/272百万円(46%)/合計:6.0億円
●ドイツ:175百万円(24%)/304百万円(42%)/242百万円(34%)/合計:7.2億円
●フランス:144百万円(28%)/200百万円(38%)/181(34%)/合計:5.3億円
●日本:73百万円(48%)/47百万円(31%)/31百万円(21%)/合計:1.5億円
【出 所】
各国開示資料よりウイリス・タワーズワトソンが作成。なお、各国の調査対象は以下のとおり:
◾米 国: Fortune 500のうち売上高等1兆円以上の企業253社の中央値
◾英 国: FTSE 100のうち売上高等1兆円以上の企業52社の中央値
◾ドイツ: DAX構成銘柄のうち売上高等1兆円以上の企業25社の中央値
◾フランス: CAC 40のうち売上高等1兆円以上の企業31社の中央値
◾日 本: 総額は時価総額上位100社のうち売上高等1兆円以上の企業74社の連結報酬等の中央値
内訳(割合)は連結報酬等開示企業(異常値を除く)58社の平均値を使用して算出
長期インセンティブには退職慰労金単年度を含む
※ 円換算レートは2017年平均TTM(1ドル=112.19円、1ポンド=144.51円、1ユーロ=126.67円)
《コメント》
ウイリス・タワーズワトソン リワード部門統括 経営者報酬プラクティスリーダー / ディレクター 森田純夫
今回の調査結果においては、総報酬ベースで昨年比7.9%増となった。昨年の調査結果に引続き明瞭な上昇傾向をみてとることができる。この上昇の背景には長期インセンティブを含む業績連動報酬の拡大がある。業績連動報酬の占める比率が52%に達し(昨年調査では42%)、ついに変動報酬部分が固定報酬部分を上回った。各企業が制度として業績連動部分を拡大し、業績によって報酬が変動しやすい体系になったことと、このような体系のもとで業績が好調に推移し、実支給額が増加したことが要因とみられる。
このような背景のもと、一部企業における報酬の高額化傾向がみられ、2億円/3億円を超える総報酬を支給する企業はそれぞれ、調査対象企業の37%/19%に達している(昨年調査では各28%/13%)。欧米企業の総報酬水準は、14%増のドイツを除き、5%前後の上昇であった(いずれも原通貨ベース)。依然として日本と欧米諸国との報酬水準差は大きく、容易には埋まらないものと見られるものの、一部の日本企業で見られる報酬水準の高額化は、先頭集団が欧州水準に徐々に接近している状況を映している。業績連動性強化という共通の軸を持ちながらも、各社の対応度に差がみられるのが現在の日本市場における一つの特徴といえる。
こうしたなかで自社の立ち位置や針路をどのように株主などのステークホルダーに対して説明するか、各社の説明責任が問われるところである。とりわけ重要性が増している業績連動報酬については、業績目標や支給額への反映方法等について、報酬委員会を通じて客観性の高い審議を実施したうえで、質・量ともに開示を充実させていくことが一層求められるといえよう。
<お問い合わせ>
ウイリス・タワーズワトソン
タワーズワトソン株式会社
リワード部門
経営者報酬プラクティス
森田 純夫、小川 直人、厚母 拓朗
03-6833-4606(部門代表)
E-mail: TW.EC.Tokyo@willistowerswatson.com
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(タワーズワトソン株式会社 https://www.willistowerswatson.com/ja-JP /7月12日発表・同社プレスリリースより転載)