うつ病などで労災認定、過去最多 約3割は残業時間100時間以上
従業員のメンタルヘルス対策が、多くの企業の課題となっている。
厚生労働省が今月6日に発表した「平成29年度 過労死等の労災補償状況」の取りまとめによると、仕事によってうつ病や精神疾患を発症し、労災認定を受けた人は506人(前年度+8人)で、統計開始以降はじめて500人を超えた。認定を受けた人のうち、約3割は平均残業時間(1ヵ月当たり)が100時間以上だったという。
長時間労働によるメンタルヘルス不調を防ぐための取り組みを進める企業もある。
TOTOグループでは、法定の実施基準に加えて社内基準を設け、医師による長時間労働者への面接指導を実施。健康状態の確認と助言指導を行うとともに、対象者には再発防止のため、上司と業務の見直しを行い、方策を検討するよう求めている。
また、コニカミノルタでは、前月の残業時間が80時間以上、もしくは3ヵ月連続で残業時間が60時間以上の従業員に対して、産業医による健診を義務付けている。さらに上長には「業務改善計画書」の提出を義務付け、2ヵ月連続での長時間勤務の防止を徹底しているという。
働き方改革の一環として残業時間削減に取り組む企業は多いが、それと同時に、従業員の心のケアをしっかりと行うことも、企業には求められている。
(『日本の人事部』編集部)