健康づくりはオフィスから 増える企業の取り組み
従業員の健康増進が企業の成長にもつながるとする「健康経営」の考え方が広がる中で、オフィスにも「健康」を意識した仕組みを取り入れる企業が増えている。
イトーキでは、働き方の変革を通じて社員の健康づくりを促す「ワークサイズ」を実施。その一環として、オフィス内には立って仕事ができるスペースを設け、社員の運動不足解消を狙う。また、定時になると暖色で低照度の光に変わる照明を導入し、早帰りを促進することで、体内リズムの調整ができる仕組みをつくっている。
竹中工務店と博報堂は、オフィスワーカーの運動不足解消を目指し、オフィス内の階段利用を促進させる新技術の開発に着手。社員の持つIoTセンサーと連動し、踊り場などに階段をのぼることが楽しくなる映像などを流すことで、日常的に社員が階段を利用したくなるようにする。竹中工務店のオフィス内で、一部の社員を対象に実証を行ったところ、階段利用量が平均26.1%増加。効果は実験終了後も持続したという。
オフィスを工夫することで、従業員は自然に健康習慣を身に付けることができる。人生100年時代といわれる現在、長い仕事人生を健康でいきいきと過ごすためには、オフィスのあり方を改めて考えてみる必要があるだろう。
(『日本の人事部』編集部)