「つながらない権利」にオフィスワーカーの9割が賛成 日本での実現は可能?
勤務時間外には、仕事に関するメールや電話などの連絡に対応しなくてもよいとする、労働者の「つながらない権利」を認める法律が、今年1月にフランスで施行された。働き方改革の一環としてICT活用が進む日本でも、「つながらない権利」への関心が高まっている。スマートデバイスの導入・活用支援を行うアイキューブドシステムズが、1都3県在住の20代~50代のオフィスワーカーを対象に行った調査によると、「つながらない権利」を認めることに「賛成」とする回答は88.8%にのぼった。
このような背景を受け、日本でも従業員の「つながらない権利」を認める動きが進みつつある。ジョンソン・エンド・ジョンソンは15年7月からグループ4社で、午後10時以降と休日の社内メールのやり取りを原則禁止にした。また、ソフトウエアの開発・販売などを行うロックオンでは、1年間に1度、9日間の連続休暇を義務づけ、該当期間には電話やメールでのコンタクトを禁止している。
一方で、「制度を導入しても、実際には連絡を取らなければいけないシーンが発生するのでは」といった懸念の声もある。特に長期の休暇などの場合には、本人に連絡を取らずにすむよう、他の社員が業務状況を把握し、不在の社員の役割を補える体制をつくることが重要だ。引継ぎをきっかけに、業務の棚卸しや属人化の防止につなげることができれば、制度を導入する企業にとってもメリットは大きい。今後、日本でも「つながらない権利」を認める企業が、ますます増加するのではないだろうか。
(『日本の人事部』編集部)