「介護離職ゼロ」は実現可能か 介護休業取得中・取得後のフォローが鍵
政府主導の働き方改革の一環として、「介護離職ゼロ」を目指す取り組みが進んでいる。これまで介護休業は93日間の範囲内での一括取得しか認められなかったが、今年1月の育児・介護休業法の改正により、3回までの分割で取得することが可能になった。
法定の基準に加え、より充実した社内制度を進める企業もある。みずほフィナンシャルグループでは、社員が取得できる介護休業の期間を2年に延長し、休業中に賃金の一定割合の手当を出す方針。さらに通常2年間で権利が消滅する有給休暇に関しても、介護を目的に使う場合に限って最大240日まで期限を切らずに積み立てておけるようにする(朝日新聞より)。
政府・企業の取り組みが進む一方、東京商工リサーチが2016年12月に発表した「介護離職」に関するアンケート調査では、将来、介護離職者が「増えると思う」と回答した企業が71.3%。「仕事」と「介護」の両立支援についての自社の支援を不十分とする回答も72.4%にのぼり、特に介護休業取得中・取得後のフォロー体制を課題とする声が多く聞かれた。
介護離職を減らすには、介護休業の取得を促すことはもちろん、取得する社員へのフォローも重要だ。いかに復帰の際の不安を払しょくできるかが、「介護離職ゼロ」の実現への鍵となっている。
(『日本の人事部』編集部)