日本の高齢者の就業率は、主要国で最高。高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、730万人と過去最多。就業者総数に占める高齢者の割合は、11.4%と過去最高~『統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)』(総務省)
総務省は、「敬老の日」(9月19日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国の高齢者のすがたについて取りまとめました。
1.高齢者の人口 (人口推計)
・高齢者人口は3461万人、総人口に占める割合は27.3%と共に過去最高
・女性の高齢者割合が初めて30%を超える
・日本の高齢者割合は、主要国で最高
2.高齢者の人口移動(日本人移動者) (住民基本台帳人口移動報告)
・東京都や大阪府などで転出超過
・高齢者の都道府県間移動率は、男性は65~69歳が最も高く、女性は85歳以上で高い傾向
3.高齢者の就業 (労働力調査)
●高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、730万人と過去最多
就業者総数に占める高齢者の割合は、11.4%と過去最高
平成27年の高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、730万人と過去最多※)となっています。また、平成27年の高齢者の就業率は、男性が30.3%、女性が15.0%となっています。このうち、65~69歳の就業率は、男性が52.2%、女性が31.6%といずれも前年より高くなっています。※)比較可能な昭和43年以降
15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合は11.4%と、過去最高※)となっています。
●日本の高齢者の就業率は、主要国で最高
主要国における高齢者の就業率を10年前と比較すると、カナダは+4.9ポイント、イギリスは+3.8ポイント、アメリカは+3.7ポイント上昇しています。日本は+2.3ポイント上昇し、高齢者の就業率は21.7%となっており、主要国の中で最も高い水準にあります。
●高齢雇用者の7割超は非正規の職員・従業員
「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由
平成27年の就業者のうち、雇用されている者は役員を除いて5284万人であり、うち高齢者(以下「高齢雇用者」といいます。)は360万人と、役員を除く雇用者全体の6.8%を占めています。
また、雇用されている5284万人について、正規・非正規の別をみると、正規の職員・従業員が3304万人、非正規の職員・従業員が1980万人となっています。このうち、高齢雇用者の非正規の職員・従業員は267万人と、高齢雇用者の74.2%を占めています。
高齢雇用者について雇用形態別の内訳をみると、パート・アルバイトが49.7%と最も高く、次いで正規の職員・従業員が25.8%、契約社員が9.2%などとなっています。
雇用形態が非正規の職員・従業員の高齢雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別にみると、「自分の都合のよい時間に働きたいから」が31.7% と最も高く、次いで「家計の補助・学費等を得たいから」が20.1%、「専門的な技能等をいかせるから」が14.9%などとなっています。
4.高齢者の暮らし (家計調査)
・ICTを活用する高齢者が増加
・健康に気を配り、趣味を楽しむ高齢者
5.高齢者の家計 (家計調査、家計消費状況調査)
・交際費、保健医療への支出割合が高い高齢者世帯
・高齢者世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2430万円
・10年間で3.6倍に増加した高齢者世帯のネットショッピングの利用
・医薬品・健康食品への支出割合が高い高齢者世帯のネットショッピング
※【高齢者】 この統計トピックスにおいては、65歳以上の方を「高齢者」としています。
【問合せ先】
統計局統計情報システム課統計情報企画室情報提供第一係
TEL: (03)5273-1160(直通)
FAX: (03)3204-9361
E-Mail: y-teikyou1@soumu.go.jp
◆ 発表資料の詳細はこちらをご覧ください。
(総務省 http://www.soumu.go.jp/ / 9月18日発表・報道発表より転載)