レピュテーションの高い企業の女性経営幹部の比率は低い企業の2倍~「フォーチュン・グローバル500」経営幹部に占める女性の比率は10.9%。アジア太平洋地域の企業ではわずか4%:ウェーバー・シャンドウィック
世界81ヵ国でPRコンサルティングを提供するウェーバー・シャンドウィックは、米ビジネス誌「フォーチュン」が発表する「フォーチュン・グローバル500」にランクインした企業の経営幹部に占める女性の比率を調査した「ジェンダー・フォワード・パイオニア・インデックス(以下GFPインデックス)」の結果を発表しました。調査結果によると、フォーチュンで「最も賞賛される企業」にランクされる企業の女性経営幹部の比率は、男女比平準には大きく及ばないものの、各業界の次点以下の企業の平均比率よりも高いことが分かりました。また「フォーチュン・グローバル500」企業全体の女性経営幹部の比率は10.9%で、男女比が平準化している企業はありませんでした。また経営層の全てを男性が占める企業は全体の約4割(37.6%)に上りました。
経営幹部の男女比平準化が進む業界と地域
今回調査では、経営幹部の男女比が平準化している企業はありませんでしたが、比較的先進的な業界や地域が見られました。
• 総合小売業の女性経営幹部の比率は33%(全業界平均は10.9%)
• 総合卸売業、食品卸売業、海運業、人材派遣業、繊維業の5つの業界では、女性の経営幹部はゼロ
• 北米の企業では、他の地域に比べ女性の経営幹部の比率が高く、約2割(19%)
• 女性の経営幹部比率が最も高い国はスウェーデン(27%)、次いでトルコ(26%)
• 「フォーチュン・グローバル500」中、女性がCEOを務める企業はわずか13社
ジェンダー・インクルージョンの取り組みは、企業のレピュテーションと業績の向上に寄与
世界の売上高上位の企業のレピュテーションの高低を分析すると、レピュテーションの高低と女性の経営幹部の比率に相関関係があることが分かりました。フォーチュンによる「最も賞賛される企業」のランキングを基に上位企業を調査すると、各業界で最上位の「最も賞賛される企業」の女性経営幹部比率の平均(17%)は、各業界で次点以下の企業の女性経営幹部比率の平均(8%)の約2倍に上りました。
ウェーバー・シャンドウィックが昨年発表した報告書(世界の企業経営幹部におけるジェンダー平等性の調査~2030年への理想と現実のパラドックス)では、女性が業績に貢献する点として、「多様性ある視点が良好な業績につながる」(38%)、「女性が良いリーダーを育成する」(35%)が挙げられています。
ウェーバー・シャンドウィック チーフ・レピュテーション・ストラテジストのレスリー・ゲインズ・ロスは次のように述べています。「ウェーバー・シャンドウィックは、経営幹部の男女比平準化が企業のレピュテーション向上の新たな原動力になると確信しています。メディアとジャーナリストは引き続き、大きな反響を呼ぶジェンダー関連のテーマに注目しています。企業のリーダーには、経営幹部層での男女比のバランス是正に取り組むことから生まれるレピュテーションの投資効果や競争優位性を尊重することが求められます」
GFPインデックスは、「フォーチュン・グローバル500」のランクイン企業の経営幹部に占める女性の比率を調査したものです。ウェーバー・シャンドウィックとKRCリサーチ社は、対象企業の経営層とその男女比について、世界36ヵ国の経営幹部8,600人以上に調査を行いました。このインデックスは、昨年発表した調査報告書「世界の企業経営幹部におけるジェンダー平等性の調査~2030年への理想と現実のパラドックス」の補足調査です。
ウェーバー・シャンドウィックのGFPインデックス2016の詳細情報は、こちらをご覧ください。
ウェーバー・シャンドウィックGFPインデックス
本調査では、米フォーチュン誌「フォーチュン・グローバル500」の経営幹部の女性数を調査するため、次の二つの情報源を利用。(1)企業ウェブサイトの経営幹部に関するページに記載された情報、(2)企業の最新のアニュアルレポートに記載されている経営幹部の情報。二つの情報源の一方もしくは両方に記載される経営幹部をリスト化し男女を特定。調査は2015年11月~12月に実施。
米フォーチュン誌「フォーチュン・グローバル500」
米フォーチュン誌「フォーチュン・グローバル500」は、同誌が毎年取りまとめ発表する世界中の企業の売上上位500社のランキングリストで、フォーチュン誌に掲載。対象企業には公開会社と株式非公開会社が含まれる。
◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(ウェーバー・シャンドウィック http://webershandwick.jp//3月9日発表・同社プレスリリースより転載)