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【ヨミ】ニンチテキトテイセイ 認知的徒弟制

「認知的徒弟制」とは、伝統的な徒弟制の職業技術訓練をモデルとして、いわゆる見習い修行の学習過程を認知的に理論化した学習方法のことです。アメリカの認知学者ジョン・S・ブラウンやアラン・コリンズらによって提唱されました。初学者(=弟子)が熟達者(=親方)から学ぶ認知的徒弟制の学習過程には、(1)モデリング(modeling)(2)コーチング(coaching)(3)スキャフォールディング(scaffolding)(4)フェーディング(fading)という四つの段階があり、これらのステップを踏むことで効果的・効率的に技能の継承が進むと考えられています。
(2014/2/24掲載)

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認知的徒弟制のケーススタディ

うまく教えるコツは教え過ぎないこと
実践を通じて状況に即した知識を獲得

企業が確保・育成すべき人材像として、近年、産業界では業種業態を問わず、「自らの考えで判断し、行動できる自立的・自律的な人材」を求める傾向が強まっています。経営環境の激変や加速するマーケットの多様化・複雑化に対応するためには、何よりも現場の強化が欠かせません。つきつめれば、自分で判断し、行動できる主体的な戦力をどれだけ輩出できるかが勝敗の分かれ目になるといっていいでしょう。そこで注目されているのが、「認知的徒弟制」の考え方です。

認知的徒弟制がモデルとするのは、主に商工業の分野で古くから受け継がれてきた、見習い修行による学びと人づくりの知恵。例えば伝統工芸などの職人の世界をみると、見習い中の弟子は四六時中親方につきっきりで学びますが、専門的な知識や技能について、親方が逐一具体的に教えることはほとんどありません。むしろ伝統的な徒弟制の根底には「教えるコツは教えすぎないこと」という考え方があります。「仕事は見て盗むもの」とよくいわれるとおり、弟子は親方の仕事のやり方を観察し、まねをしては試行錯誤を繰り返す。自分で考え、創意工夫を重ねるうちに自然と技の極意を身につけ、やがて自立していくわけです。

こうした学びのプロセスを企業のOJTなど人材開発の現場に応用するために、以下の四つのステップとしてモデル化したものが認知的徒弟制の概念です。まず第1段階のモデリングでは、弟子(学習者)が親方(熟達者)の仕事のやり方を観察しながら学びます。第2段階のコーチングでは、親方が弟子のレベルに合わせた課題を設定、手取り足取りで教え込み、弟子は失敗しながら上達への道を進みます。そして基本的な知識をひととおり身につけたら、第3段階のスキャフォールディング(足場づくり)へ。弟子が自立できるように支援する段階で、自力でできる仕事はまかせ、できないところだけ親方がフォローします。スキャフォールディングによって弟子が自らできることを自覚した後は、親方は弟子の独り立ちを促すために少しずつ支援を減らし、手を退いていきます。この4番目の段階がフェーディングと呼ばれる仕上げのステップです。

単に知識を知識として詰め込むだけでは、自ら考えて行動する人材はつくれません。認知的徒弟制とは、実践を通した学習によって、知識を実際の状況に即した形で獲得するための手法だといえるでしょう。

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