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【ヨミ】ディレールメント

ディレールメント

「ディレールメント」(derailment)とは、直訳すると「レール(rail)をはずれること」、転じてキャリアからの脱落要因を意味します。職務における成功者や高業績者(ハイパフォーマー)に共通の行動特性をコンピテンシーと呼ぶのに対し、ディレールメントは、そうしたハイパフォーマーゆえに陥りやすく、キャリア上のレールからの脱落を招きかねない悪癖や問題行動パターンを表す用語です。
(2013/3/25掲載)

ケーススタディ

ハイパフォーマーだからこそ陥る悪癖
マイナスの行動特性をモデル化し“脱線”を防ぐ

ディレールメント」は、コンピテンシーと表裏一体の属性ともいえます。実際、組織人材開発人事管理の現場では、ともによく使われるようになってきました。職務で高い業績を上げている人物の行動特性をコンピテンシーといい、日本でも1990年代以降、これを評価基準として取り入れた人事アセスメントが急速に普及しました。高業績者へのインタビューによってその行動特性を分析、モデル化し、ほかの社員に見習わせることで人材育成組織開発につなげようというものです。

しかしよく指摘されるとおり、コンピテンシーは決して人事評価として万能ではありません。職務においていくら優秀で高業績を上げていたとしても、その人物に問題がないとは限らないからです。むしろ職場を見渡すと、自他ともに認める実力者で実績も十分なのに、なぜか人望が乏しい、リーダーシップに欠けるというような人が意外と目につくのではないでしょうか。

高業績者は職務上の成功体験や周囲からの賞賛によって自信過剰に陥りやすく、コンピテンシーとして規範にされるべき優れた行動特性の裏に、何らかの悪癖や問題行動、すなわちマイナスの行動特性をあわせ持っていることが多いのです。例えば「職務において独自のスタイルを確立し、貫いている」という優れた行動特性の裏には、「部下の意見や行動に対して常に否定的、排他的な対応をとる」「ワンパターンの行動に陥りがち」といったマイナスの行動特性が見え隠れします。また「自分の業績に対する自負が強い」と、その反動で「部下を軽んじ、傲慢(ごうまん)な言動を取りがち」だったり、「部下を信頼せず、仕事を任せることを躊躇」したりする傾向があるといわれます。

これがディレールメントです。パワーハラスメントにおよぶ上司にいわゆる“やり手”タイプが多いのも、自らの力を過信するあまり過剰な行動を正当化し、省みようとしないディレールメントが、パワハラという形で現れたと見ることもできます。

ディレールメントが組織にとって厄介なのは、リーダーとして伸ばしたい高業績者ほど陥りやすく、また普段は抑制されていても、責任のある地位に就くと問題行動を起こしやすいという点です。米国における先行研究では、優秀な人材の実に95%が行動上の悪癖をもっていることがわかっていて、これを是正するために、ディレールメントを評価基準とした人材開発・管理手法が開発されています。具体的には高業績者のマイナス面を分析、モデル化し、本人はもちろん全社的にもそうした問題行動をとらせないように指導するものです。コンピテンシーが高業績者のプラス面を加点方式で評価するのに対して、ディレートメントによるアセスメントではマイナス面に注目して減点方式をとるのが特徴です。

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