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【ヨミ】アサーション アサーション

「アサーション」(assertion)とは、より良い人間関係を構築するためのコミュニケーションスキルの一つで、「人は誰でも自分の意見や要求を表明する権利がある」との立場に基づく適切な自己主張のことです。トレーニングを通じて、一方的に自分の意見を押し付けるのでも、我慢するのでもなく、お互いを尊重しながら率直に自己表現ができるようになることを目指します。
(2010/10/4掲載)

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アサーションのケーススタディ

ストレス耐性を高めるコミュニケーション技術
“わたし”を主語にしてさわやかな自己表現を

アサーションは、直訳で「主張」「断言」などと訳されますが、それではニュアンスがやや強すぎて本来の意味にそぐわないため、しばしば「さわやかな自己主張」と言い表されます。発祥は1950年代のアメリカ。心理療法の一種として開発されたアサーションは当初、対人関係に悩む人を対象としたカウンセリングに活用されました。日本には80年代に伝わり、現在は企業や学校などさまざまな場所で広くトレーニングが実践されています。

自分の言いたいことがうまく言えれば、どんなに楽に過ごせるだろう――職場や家庭でそう考える人は少なくないでしょう。しかし実際には、言いたいことが言えずに自分ばかりストレスを抱え込んだり、言わなくてもいいことまで口にして相手にストレスを与えたり、といったトラブルは日常茶飯。そうした環境下でも、良好な人間関係を保ち、前向きでいられる人、つまり対人面の“ストレス耐性”が高い人はほぼ例外なく、アサーションの技術を身につけていると考えられます。

自分の言いたいことを言う場合、相手を傷つける言い方と、傷つけない遠回しな言い方があります。また要求や意見をはっきり表明する言い方と、はっきり言わない言い方があります。アサーションの理論では、これらを次の4タイプに整理分類します。

相手を傷つけない 相手を傷つける
要求をはっきり言わない (1)非主張的 (2)復讐的
要求をはっきり言う (3)アサーティブ (4)攻撃的

たとえば職場に、仕事がすごく遅い同僚のAさんがいるとします。決して、できない人ではないが、とにかくマイペースで周囲に迷惑が被ることもしばしば。この状況を何とか打開していくために、Aさんに対してどのような言葉をかければいいのか。

日本人の場合、相手を傷つけまいとして要求をはっきり伝えない、(1)の非主張的なコミュニケーションになってしまうことが少なくありません。「Aさん、あのさ、もうちょっと……いや、何でもないよ」といった調子。これではストレスが溜まる一方で、事態は一向に改善されません。(1)と同じくはっきりとは言わないが、相手を傷つけるのが(2)の復讐的なタイプ。たとえば「Aさん、飲みに行く時間はあるのにねえ…」というふうに、口調は柔らかでも結果的に相手を傷つける自己表現です。(4)の攻撃的なタイプは、相手が傷ついてもいいから言いたいことをはっきりと言う。「Aさん、とにかく君はいつも仕事が遅いんだ。飲み会に出る暇があったら働いてよ!」という自己表現で、トラブルの火種にもなりかねません。

これらに対してアサーションが目指す自己表現、つまり(3)のアサーティブな言い方とは、たとえば「飲みに行くのはもちろんAさんの自由だし、いい仕事をするにはリラックスも必要だと思うけど、私としては期限を守ってくれると、とても助かるんだ」というものです。

これなら批判や攻撃のニュアンスが抑えられ、相手も受け入れやすいでしょう。ポイントは「私としては」の部分です。“きみ”や“あなた”ではなく、“わたし”を主語にしたメッセージ。相手のことばかりとやかく言うと、言われたほうは威圧や押しつけがましさを感じ、かえって反発したくなります。私はこう思う、私はこう感じる、だからあなたにこうして欲しい、と率直に自分の思いを伝える心がけが、自分も相手も尊重するアサーティブなコミュニケーションのポイントです。

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