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【ヨミ】ベーシックインカム ベーシック・インカム

ベーシック・インカム(Basic Income,以下BI)とは、個人が最低限の生活を送るために必要とされる基本的(ベーシック)な所得(インカム)を現金給付の形で保障する制度。年齢、所得、資産、勤労の意志などに関係なく、国民なら誰でも毎月一律の給付金を受けられるのが特徴です。一律所得保障、あるいは基礎所得保障とも呼ばれます。
(2010/4/19掲載)

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ベーシック・インカムのケーススタディ

すべての国民に最低限の生活を保障
セーフティネットの整備で労使ともにメリット

長引く不況、雇用の悪化、広がる格差――こうした不安を解消する政策の有力な選択肢として注目を集めているのがこのBIです。現金給付によって国民一人ひとりに最低限の生活を保障しようというアイデアの起源は古く、18世紀末には、イギリスの社会思想家トマス・ペインによって、唱えられていたとされます。以後、現実の政治で陽の目をみることはなかったものの、1980年代から欧州を中心に議論が再燃。日本でも、2009年8月の衆議院選挙において新党日本がBIをマニフェストに掲げ、鳩山由紀夫首相も国会で「(BIは)検討されるべきだ」と答弁するなど、ここへきて盛り上がりを見せています。現政権の目玉政策である「子ども手当」も、限定的なBIだといっていいでしょう。

誰でも無条件に、一定の所得が保障されるとなれば、貧困問題の解消など福祉の拡大に向けた効果ははかりしれません。生活のために仕方なく働いていた人は、不本意な仕事や劣悪な職場環境、失敗を恐れて夢を諦めざるをえない閉そく感から解放されるでしょう。労働者の地位向上も期待できます。BIに詳しい京都府立大学の小沢修司教授は「働いたその収入で生活できるという資本主義の前提はすでに壊れ、安定した雇用がいつ不安定になるかわからない。そんな時代に社会保障制度の機能不全を解決する根本的な発想の転換策」だと評価します。しかしそんな大盤振る舞いが可能なのか、財政悪化に拍車をかけるバラマキではないのかという疑問はぬぐえません。

財源としては、おもに所得税が有望視されています。BIの支給によって代わりに扶養控除や配偶者控除が不要になり、課税対象額が現在の2倍以上に増えるためです。また、年金や生活保護、児童手当てといった既存の社会保障もBIに一元化できるので、行政コストの大幅削減が可能です。小沢教授の試算では、所得税の累進課税を廃して税率45%の単一比例課税にすることで、1人あたり月額8万円を支給できるとしています。BIを導入すれば、税率をこれほど引き上げても、たとえば年収700万円で子ども1人の世帯なら収入は増える計算になり、シングルの場合は年収300万円を超えると収入が減ることになります。BIが、少子化対策としても有効と期待されるゆえんです。

そしてもうひとつ。誰にでも一定のセーフティネットが用意されることのメリットは、働き手だけでなく、実は企業側にとっても小さくありません。需要にあわせて雇用調整や賃金カットなどが行いやすくなる、つまり雇用がよりフレキシブルになるのです。もっとも、BIによって「働かない」という選択肢も担保されるわけですから、人材の採用・確保には、これまで以上の努力と工夫が求められるかもしれません。

就労意欲の低下やそれに伴う社会の沈滞、治安の悪化といったデメリットも指摘され、現状は賛否両論。いずれにせよ、BIをめぐる議論はまだ始まったばかりです。

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