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VUCA時代の企業に求められる五つの要素

何が起こるかわからない経済環境では、企業はあらゆる変化にスピーディーに対応していかなければいけません。企業には「アジャイル」「デジタルトランスフォーメーション」「イノベーション」「ダイバーシティ」「リスクマネジメント」の五つの要素が求められます。

更新日:2023/01/31
VUCA時代の企業に求められることイメージ

アジャイル

アジャイル(agile)とは「俊敏な、素早い」という意味の言葉で、主にソフトウェア開発の現場などにおいて「アジャイル開発」や「アジャイル経営」といった形で用いられます。ここから転じて、その時々の状況に応じて柔軟に対応方法を変えるという意味でも使われることがあります。

似た概念にリーン(lean)があり、「リーン開発」「リーンスタートアップ」は製品を開発していく途中で無駄を排除し、どんどんユーザーにテスト利用してもらい、改善を繰り返していく手法です。

VUCA時代において将来を予測することは重要ですが、予測や準備に時間をかけていると変化に乗り遅れてしまいます。スピーディーに意思決定し、変化に合わせて機敏に方針を軌道修正することが求められています

デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、ITテクノロジーを使ってビジネスを変革することを指す概念です。日本では、2018年に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」を発行したことで脚光を浴びました。

言うまでもなく、データやデジタルテクノロジーを活用することは、事業拡大のスピードやいかに効率的にビジネスを行えるかということに直結します。さらにVUCA時代おいては、テクノロジーを活用し、意思決定プロセスやマーケティングプロセスそのものをダイナミックに変えていくことが必要とされています。

AIやIoTの活用によってスピードを上げていくことは、社会の変化に素早く対応することにつながります。VUCA時代においてDXは、企業にとって必須かつ喫緊の取り組みテーマであるといえるでしょう。

イノベーション

VUCA時代においては、商品やサービスが消費されるライフサイクルも短くなってきています。次々と新しいモノが登場するため、イノベーションを起こせない組織は時代の流れに付いていくことができなくなり、取り残されてしまうことになります。新しい商品やサービスの開発に注力することの重要性が増しているといえるでしょう。

イノベーションを起こすには、過去の成功体験に固執せず、柔軟に新しい取り組みを行い、トライ・アンド・エラーを繰り返す必要があります。

イノベーションイメージ

ダイバーシティ

VUCA時代に対応していくためには、ダイバーシティの考え方が重要です。ダイバーシティは多様性ともいわれ、さまざまなバックグラウンドを持つ人材を活用するという意味ですが、それだけにとどまりません。性別や国籍、文化などさまざまな背景を持つ人材が、その能力を最大限発揮するための組織のあり方を指します。

元は多様な人種で構成される国であるアメリカ発祥の言葉ですが、日本においては子を持つ母親や障がい者の雇用を積極的に行う場面でも、多く使われている言葉です。

ダイバーシティを推進することのメリットと必要性

国籍や人種、性別など見えやすいデモグラフィー型の属性だけではなく、目に見えない思想・信条・習慣・性的嗜好や、実務に必要な能力経験など、タスク型と呼ばれる属性もダイバーシティにおける重要な要素です。

こういったさまざまな属性を幅広く認めて受け入れることは簡単ではありませんが、活発な意見交換を実現するには必須です。

積極的に多様性を受け入れるカルチャーを醸成して意見交換をしやすくすることで、思いもかけない着想が得られ、イノベーションにつながるきっかけとなることもあります。そうすることで、不確実なVUCA時代に戦略を立てるための多面的な知見や考え方を得られるでしょう。同質的な組織に安住してしまうと、変化に対応し切れず、時代に取り残されてしまうことになりかねません。

リスクマネジメント

迅速な意思決定やアジャイル経営の考え方は重要ですが、リスクマネジメントも忘れてはなりません。

企業活動には労務や災害などさまざまなリスクが存在しており、特に日本は地震や津波など、自然災害リスクが高い国です。ドイツの保険会社アリアンツの調査によると、日本のリスクで最も高いものは自然災害とされています。記憶に新しい災害では、2018年に大阪を中心に西日本に大きな被害をもたらした台風21号や、2016年に熊本県で起きた地震などが挙げられます。

直近では、新型コロナウイルス感染症の影響があります。企業内に新型コロナウイルスの感染者が出た場合、オフィスの全消毒や社員の自宅待機など各種対応をする必要があります。こういったトラブルや緊急事態が起きた際に重要なのが、BCP(Business Continuity Plan)と呼ばれる事業継続計画を策定しておくことです。

リスクマネジメントイメージ

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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この記事ジャンル 経営

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